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廃車になった初デート!? ② 野生児と放牧女の末路

廃車事故にあった話のつづき


ドアが開きません、からのパァァン!!?

とりあえず車を停めて、降りてきた
冷凍トラックのおじさんにご挨拶。

しかし、助手席側のドアが開かない。
次の瞬間、パァァンと音がして前輪のタイヤがパンクした。ガクン。
続けてボロリという振動と同時に前方のライトが落ちた。

自分:「ねぇ、なんの音?」
彼 :「…. 見ないほうがいい」

しばし、ポカン。
骨折どころか鼻血もでたことのない私。
人生初の事故は、なかなか大きな衝撃だった。

親切で気転が効く、ヒーロー参上

「いや〜危なかったね。危機一髪!大丈夫?」
とトラックのおじさんは笑いながら降りてきた。

「本当にありがとうございました!!!」
青ざめながらも謝罪、感謝を伝える。

あのまま冷凍トラックに衝突しなかったら
予測①:歩道に突っ込む+歩行者+後方車両を巻き込む。
予測②:助手席側に倒れる+後方車両を巻き込む。
どっちに転んでも笑えないが、そのまま逝ってた可能性だってある。

我々は、何度も頭を下げた。
いうなれば、命の恩人である。
後日、手土産を持って改めてお礼に行くレベルだ。

「いいんだよ、誰も怪我しなかったんだから。
おじさんのトラックは幸い、君たちの車よりも
丈夫で大きいし、保険もおりるから問題ない。
何よりも運が良かったんだよ、気にしない!」

怒るどころか、おじさんは無事を喜び
ベッコリ凹む我々を全力で励ましてくれた。

変な時間に目覚めた明け方のキッチンは何か好き

不幸中の幸いと、その後

初デートで車が廃車。
レッカー行き(初めて乗った)。
=これで振られるを悟った彼。
↑ を励ます私。

なんだこれ?の展開ほどリアルなものはない。

交際継続、云々の前に、この事実は別れるか
死ぬまで両親には言わないと心に誓った私。

この後、7年弱付き合ったのは言うまでもなく。
別れた後に、笑い話で打ち明けたら
特に母親が憤慨していたが、それは想定内。

ノミの心臓を脅かす、強すぎる悪運

そして、これに次ぐ、もらい事故や小さな違反。
同乗中にも何度か事故や事件があった。

彼ひとりの時でも電車や勤務先、バイク乗車中に
財布や携帯、家の鍵を紛失。
家の鍵をさしたまま外出など、ネタは尽きない。

多々、病院や警察のお世話になっている。
結局全部戻ってきたし、無事。
怪我はあれども命には別状なし。

いつだか、デートの時間になっても迎えに来ず、
連絡がつかないことがあった。
ようやく電話が繋がった、約束から1時間半後。

彼 :「バイクに乗って向かう途中で、車にはねられた〜」
自分:「は….?!これ、あの世からの電話とかじゃないよね?」

野生児と放牧女の末路

最後の事件は、真冬の富士登山だった。
当時、彼は会社の先輩と登山をよくしていた。
何度目かの登山で、崖から落ちてホワイトアウト、遭難一歩手前。

危うく山岳救助隊のお世話になりかけた経験がある。
これらを振り返ると悪運が強いとしか言いようがない。
幸い低体温症にもならず、無傷で生還。

「人間は最後に体温が下がって死ぬんだとわかった。
だから、動けなくなる前に何でもいいから食べて体温を上げるんだよ」
当時の様子を淡々と話す姿に、言葉を失った20代後半の私。

そういうのも結構、塵ツモだったのかもしれない。
そこで「行かないで」ということができない自分。

自身が束縛も、干渉も、支配されるのも
好まない性格ゆえか、相手の行動を制限するみたいな気がして言えなかったのだ。

一度きりの人生。
命懸けでも、やりたいとことは悔いなく
自由にやってくれ(自分もしかり)と思う性分。

ゆえに別れたのは、彼の悪運のせいではない。

玄関はお気に入りのものを並べた、お出迎え空間

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