初めて手を繋いだ日。最後に手を離した日。
タイトルは、
とある曲の歌詞
きっとこのふたつの一日は、
心臓の鼓動が聞こえそうなくらい
ドキドキして、幸せだったあの日
心臓が張り裂けそうなくらい
かなしくて、辛かったあの日
幸せと悲しみが
一つのフレーズに同居している
なんだか、
この歌詞が頭から離れない
自分のことのように
遠い日の記憶が鮮明に蘇る
*****
初めて手を繋いだ日は
部活の帰り道
あたりはもう真っ暗
場所はテニスコートの横だった
自転車をひく私
両手が塞がってしまい
彼は手を繋ぐ機会を掴めずにいたようだ
手を繋いだ瞬間は
全てがどうでもよくなるほど
嬉しかったことを覚えている
彼の初めての恋人になれたことが
何よりも幸せだった
*****
最後に手を離した日は
別れ話をした車の中だった
私は、彼の手がとても好きだった
「手を繋ぐだけで幸せになれる相手、
きっとなかなかいないよ」
私は泣きながら最後にそう言った
彼もとても泣いていた
*****
何気ない日常は忘れてしまっても
この二つの日のことはまるで写真で
切り取ったかのように鮮明に思い出せる
特別な瞬間を蘇らせる
素晴らしい歌詞だと思った
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