プロポーズ大成功!!!!!

「一生幸せにする!だから俺と付き合ってくれ!」

「え?ほんと?嬉しい...!」

「ほんとだよ!ゲイは浮気するってよく言うけど俺は絶対しない。一生、死ぬまで幸せにする!」

「ありがとう…。その気概は受け取るよ」

「いや、気概とかじゃなくて、ほんとに絶対幸せにする…!」

「分かった。けどまず訂正させて欲しい」

「なに?」

「俺は俺の力によって幸せになる。誰かに機嫌とってもらうような生き方はしない。俺は俺で幸せになるし、そっちはそっちで自分を幸せにしよう。そのなかで一緒にいよう。」

「いや、でも、そこは俺が…」

「いらないんだよ。そういう相手に対する責任感とか。背負わないで欲しい。自分の人生は自分で責任持とう。人生から降りずに生きる意味を探し続けよう。その過程で俺たちは偶々近くにいて、お互い気が合ったんだよ。この”偶々”が運命だよ。これは確かに運命だから俺は大切にするよ」

「あ、はい」

「あと、浮気絶対しないっていったけど、あんまり不確定なことを約束しない方がいいよ。別にいいんだよ、他の男とSEXしても。俺たちは種を繋げる為の生き物なんだから強いDNAに惹かれるのはしょうがないんだよ。余裕ある男がモテるのはそれが理由だよ。”俺には君しかいない”なんて言ってしまえば、それだけで強い男としての競争からは降りちゃうんだよ。好きになられた瞬間に蛙化なんて貧乏くさい感情だけど、それはそれで一つの生命の使命としては当然の心の動きだとも思うよ。けど、だからこそ、そう言ってくれるのは嬉しいよ。できるだけ浮気はしないようにしたらいいよ。いざしちゃった時は謝ってくれればいいよ。俺は悲しいかもしれないけど、そっちは謝って、俺はしばらくは許せなくて、けど俺と関係を続けてくれる気持ちがあるなら謝り続けて、いつか俺が許そうと思うまで反省してくれたらそれでいいよ。一度や二度の間違いで、この運命を諦められる方が俺にとっては悲しいよ。俺はこういう考え方だから、そっちはその気でいて。けど、俺の考え方をそっちに押し付ける気はないよ。そっちが絶対浮気を許さないって言うなら俺は絶対しないよ。そういう風に俺のすべてを懸けるよ。理性が本能に勝てるように本をたくさん読むよ。水をたくさん飲んで、仕事を頑張るよ。」

「う、うん。ありがとう。」

「もっと言うと、”一生”も言い過ぎだよ。一生って長いよ。そりゃお互いもう30歳になるんだから、将来を見据えたパートナー作りも大切だよ。けど、一生を賭けるには早すぎる気もするよ。気概は嬉しいよ。でも、お互いの一生ってことはかなりの長さだよ。それに人間関係って複雑だから、俺が一生幸せならそっちも一生幸せなんてことはないじゃん。そっちにも当然自我があって、自分なりの幸せの基準があるはずじゃん。彼氏が幸せだから俺も幸せなはずだ、なんて考えはダメだよ。そっちが無理してる可能性だってあるじゃん。俺たちは結婚という契約や子どもという鎹もないんだから、どっちかが我慢した瞬間にそれはもう恋愛としては終わりなんだよ。それでも関係を情で続けてくれるのなら嬉しいよ。恋愛という火は時が経つごとに弱くなるかもしれないけど、その過程で生まれた別の感情で一緒にいたいと思ってくれるならその火をまた一緒に守っていこうよ。今は恋愛の火が燃えてるけど、いずれはこの勢いも落ち着いてくるはずだから、その火を守る為に二人で色々と努力していこう。休日の気持ちの良い朝はベッドの上で愛してるって言い合おうよ。それから近くの喫茶店に一緒に行こうよ。休日の夜は早めに電気を消して二人で天井を見ながら話そうよ。偶には国内旅行にも行こうよ。そんなに頻繁じゃなくてもいいよ。1年に1回か。別に2年に1回くらいでもいいよ。爪切りがいつもの位置に無くなってるみたいな小さい喧嘩もしようよ。そうやってお互いを知っていこうよ」

「あ、あの、それでプロポーズの返事は…?OKってこと…?」

「俺もあなたが好きです。付き合ってください」

「やったーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」

よかったね。

おわり

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