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嘘をつく人:7

 さらに一悶着があって、それからは縁が完全にきれましたがそれまでが大変。

 朝と夜と連絡が来るので辟易しました。前述の理由からその人にはお友だちがすっかりいなくなっていたので、わたししか電話やEメールを送る相手がいなかったのでしょう。わたしもいちいち話したり返信していたにではなく、早朝や夜はミュートにしてある携帯電話に着信やメッセージが来ているのを見て不思議な気持ちになっていました。

 着信拒否をしていなかったのは、連絡がつかなくなると何をしてくるかわからなかったからです。朝と夜の、わりと決まった時間に連絡してきていましたが、理由は件の騒ぎの後、お母さまが人に迷惑をかけるな、と言う意味で夜中の時間帯は彼から携帯電話を取り上げていたからのようです。それで、手元に携帯電話が戻ってきたタイミングで連絡をしてきていたのでしょうか。


 ある朝方。また連絡が来ました。わたしは一晩中なかなか寝つけなかったために起きていたので、電話に出てみました。なんとなくもうこれで終わりになるような気がしたのです。


「もうさ、いいよ」

 その人はそんな風に切り出したのだったと思います。

「死ぬの邪魔されてさ、ババア(お母さまのこと)には電話取り上げられるし、迷惑なんだよ。僕は本気だったのに誰も信じないしさ」

「対応できないんです。みんな大変なんですよ。すぐにお金の無心して最後は死ぬって言う人をフォロー出来る人はいないでしょう。あなたのことだから友だちだろうって言うでしょうけど、自分が言われる側だったら対応できますか?」

 外は日が昇り始めていました。蒸し暑かったので夏だったのだと思います。

 相手がまた何か威圧的なことを言ってくるかもしれなかったけれど、これでもう終わるという予感がしていたので、わたしも思ったことを話し出しました。






 

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