嘘をつく人:10
「損害賠償を請求するよ」
と彼は言いました。
理由は『友人たちに見限られたショックで無断欠勤を繰り返し会社をクビになったこと。自決を止めに来ないどころか親に連絡して自分がさらに責められることになったこと』
とのことでした。
さらに彼は『法律の専門家を呼ぶ準備がある』と。
わたしは彼に本当に法律の専門家(弁護士?)がいるとは信じていなかったので不思議な気持ちでした。それでも自分が何か悪いことをした自覚がないのならば、わたしも堂々としていようと思い、
「それならその方を呼んでください」
と伝えました。
彼は電話口でクックッと笑い。
「それでは池袋の○○という洋食店で。キミも、ここまでだ」
そう言ったのでした。
あくまで自分の地元にこだわるのだなあ。と思いつつ。
立会人が必要と思い、彼と共通の男友だち(あくまでお友だちで件の相手とはいち早く着信拒否をした)にお願いし、あるレストランで落ち合うこととなりました。
その法律の専門家という方と一緒に。