見出し画像

掲示板を見たよ。

もうすぐ、2年になる。
もうすぐ、2年になってしまう。

50に手が届こうとする年齢の人間にとって、
2年程度ではあるが、とても特別な2年。

病める時も 健やかなる時も
富める時も 貧しき時も 一緒だったはずの女性が、
娘と息子を連れて遠くに引っ越した。

会えない間に息子は3歳になり、
娘は小学校1年生になった。

その2年間を体験できなかった。

あの時こうしていれば、
誰が悪いのか、
そんなことはどうでもよくて、
この2年間を子供のそばで生きていられなかった。

その事実が、私を追い詰めます。
悔やみきれない。

会えたのは1度。
2022年の2月だ。

3月から新しい仕事が始まるから、
その前に一度会いに行った。

8歳になる娘の誕生日の少し前だったから、
Nintendo Switchをプレゼントした。
マインクラフトをやりたがっていたから、
ソフトを購入してインストールして渡した。

春が来て、夏が来た。

夏休みの終わりに、また会えることになった。
離婚届と公正証書を出すためだ。

離婚届自体はすでに郵送してあり、
私は身一つで移動すればいい。

こんなに悲しい旅行はないが、子供に会える事実に変わりはない。

プレゼントを用意し、その日を待つこと数ヶ月。
出発の直前にLINE。

家族全員コロナに罹患したので来てくれるなとのこと。

あれからまた数ヶ月。

娘がどうぶつの森にハマったようだ。

就寝前の短い時間、母のスマホを借りて連絡をしてくれる。

「パパァ、ハッピーホームがやりたいんだけどぉ…」

渡したスイッチは私のメインで使う本体に設定しているはずなので、
ファミリー会員である娘もできるはずでは…?

遠隔操作をしながら色々試すが、メニューに出ないようだ…

DLCを買い与えるか…オンラインプラスに加入するか…

そんな簡単に色々与えていいのか…数千円の話じゃない…

葛藤の中、その日はお別れ。

色々調べて、試すべき行為とコンテンツ購入の準備をして次の連絡を待った。

結論、DLCがローカルに落とせてきていないだけで、
DLが完了したら、遊べるようになったようだった。

その喜びを共有したかったが、
ゲームが遊べるようになった娘は、そっちに夢中。
「パパ、疲れたでしょ!もう寝ていいよ!」

一人で遊びたいから切るね!のほうが優しいぜ。
と思いながら、喜んでいる娘のほうが嬉しくて、
先に寝ることにしてその日は終わった。

その日からもコンスタントに遊んでくれているようだ。

すっかり遊んでなかった私も、少し触りだした。

そう、はにわを全部入手したかったんだよな。
3DSの頃は喫茶店の周りがはにわだらけだったな。

お互いのツクッターをフォローしあい、
別荘自慢をする日々。
幸せ。

今日、体調が悪く…主にメンタル面だが。
仕事を休んで、ひたすら寝た。

夜になっても本調子に戻らず、
たいした食事も取らず花粉症の薬、頭痛薬、精神安定剤を投与。
ひたすら眠い。

何をするでもなく、中空を見つめているとLINEがなる。
父親スイッチをグイィッっといれる。

「パァパー!げんきぃ!?」
「おうよ、元気よ!」
本当は元気とは程遠いが。

島に招かれて、追いかけっこして、水族館デートして、
もうすぐバイバイの時間。

後ろで早く切れと話している女性の声が響く。

「まって!わかってるから!もうすこしだけ!」

掲示板の前から動かなかった娘のキャラが動いた。

「ぱぱ!掲示板読んで!」
「はーいよ。」


「おお…」


一緒に居られてない現状が重くのしかかる…


「…。」


私が、父として君にできたことなんてとても 少ない。

10歳にもなってない子供にとっての2年間の長さは計り知れない。

「父」という呼び方をしているだけの人間でしかない。

父に対してはこういう思いを抱くものだ、
父に対してはこういう言動をするものだ。

ということがわかっているから、
ただこう書いてくれただけだろう。

それでもうれしかった。

この子を喜ばせることができるなら、
どんな苦汁をなめても生きなければならない。

この子が哀しんでしまうなら、
自殺を選択することは許されない。

そんな思いを抱いてしまった。

この思いが明日からの私にとって
とてつもない重荷になるが、
コンビニでチョコバーを買う感覚で
自殺を選択しそうな今の自分には
必要な一撃だったのかもしれない。

娘を泣かすやつは許さない。
と本気で思えるなら、
まずは自分がそうならないようにしないと。

頑張ろう。

いいなと思ったら応援しよう!