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やらまいか浜松ケア 〜介護の者、現場をかたる〜

静岡県浜松市で介護の仕事をしている私です。

声に出さなくていいんで、「はままつ」って10回言ってもらっていいですか?
はままつ・はままつ・はままつ・はままつ・はままつ・
はままつ・はままつ・はままつ・はままつ・はままつ……

言いにくいですよね?
静岡県西部の人たちは、この「はままつ」という単語の使用頻度があまりに高いので、ローカルルール上「はーまつ」って言っちゃってます。
はーまつ。

で、つい最近、介護の仕事でまず心がけるのって
「はーまつ」だよなぁ、と思うたわけです。すなわち、


まず、『始める』こと。
介護を職にすること自体がもう、ちょっと特別なスペシャル。
なぜか? 一般的に、介護は『始まる』ものだから。
放っておいたら“介護が始まる”ものを、“私は介護を始める!”と主体性を発揮して行動に移した。
そこがもう、尊い。同じ職の人として尊い。
さらに介護現場では、毎日のように、新しいことを『始めなければ』ならない。
普段社会からタブーとされている排泄のこと、医療的なこと、看取り、新規の方の処遇……
介護の現場には始まりが満ち満ちているのです。

そして次に、『間に合わせる』。
手際よく、効率よく、を覚えること。
これを身につけると、現場において上からも同僚からも評価されやすい。
言い換えると、指標になり易いだけのものとも言えますが。
そしてこの“間に合わせること”は、新人に対する大きな壁でもあることでしょう。
介護現場版、社会の荒波。特に志の高い人にとっては。

そして、『続ける』こと。続ける、も『始める』同様に、強い意志を感じる言葉。
普通介護は、『続く』ものだから。いつか終わりが来るとわかっていても、続く。
意志という観点から眺めると、“介護が続く” と “介護を続ける” には天と地との差があるように思うのです。

さて、ここからが、本題。
実は介護の現場においては、この「はーまつ」だけでは不十分で、
「誇張された はままつ」を推していこう、目指していこう!というのが、私からの真の提案なのであります。すなわち、

常に心がけることが一気に7つに激増!



まず一番初めに、『話し合う』を導入。話し合うのも、違いを認めつつ、時にはお互いの意見と全く異なる結論を導けるような対話ができるのが理想。

この『話し合う』+『始める』が、ファーストステップ。
遠州地方の気概である「やらまいか精神」。

次に、現場では『間に合わせる』よりも先に、他者を信じて『任せる』ことが大切。
自立支援という意味で利用者さんへの適用はもとより、教育や倫理観を高める意味で職員にも適用されて然るべきだと考えます。
これは、なかなか難しい。うん、難しい。

そして、『間に合わせる』と最悪の相性の『待つ』ことも、現場のその時その時でとても重要な心がけになると信じております。
これも、とてつもなく難しい。

自立や尊厳を考えたら、この『任せる』『待つ』の二つは、とても大切で、抜いてはいけない心がけなのですが、まー、難しい。
ここ(すなわち ‘ま’ をデザインしていくことが、目指す頂点の一つなのかもしれません。

ラストの ‘つ’ につきましては、『続ける』ことに、他者との関わりである『繋げる・繋がる』をプラス。
プラスした理由は、なにしろ独りで頑張ってもたかが知れているから。
次世代に『繋げ』、この瞬間にも様々な人と『繋がって』いかねば、‘問題’ と捉えられている介護を解決するパワーが足りない。

という感じで、イチ介護の者が、日頃どんな思いを抱いてオムツ替えたり、ご飯を養ったり、感染症対策したり、時に暴力や暴言にさらされたり、最期を看取ったりしているかを書きつらねてみました。

明日も色々考えながら、身体と心を動かしてまいります。そう、色々動かせのが、介護の魅力なのかもしれないです。

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