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「すごい物理学講義」            カルロ・ロヴェッリ著 感想

「インターステラー」を見てからというものSFとは一体何なんだと僕は頭がおかしくなる思いだった。それでも何回か見て少しずつ理解してきているつもりだった。しかし、この本に出会って僕の中の「インターステラー」像、さらにはSF像まで飛躍的に大きくそして繊細な世界を捉えることに成功した。

僕が感じるこの本の魅力は、物理の起源から始まり、最後には現在、物理学界が直面している量子の世界までわかりやすく書かれていることだ。もちろん、この本だけで理解できたのは物理のほんの大まかな部分だろうが、物理の魅力はひしひしと伝わってくる。第1部から第4部まで全14章で構成され物理の歴史を順を追って綴っている。「起源から見ていくなんて途中で飽きるかもな」なんて最初は思ったりしたが、読むにつれてどっぷりはまっていくばかり。読めば読むほど僕の中の物理、いや、世界の像が広がっていく。僕が今まで見て、聞いて、感じ取ってきた世界はいったい何だったんだと思わずにはいられない。

さらに、僕がこの本にのめり込んだ要素は、歴代の偉大な学者達の縦のつながりだ。あのアインシュタインも多くの先輩が積み上げてきた努力無くしては相対性理論も光電効果も思いつくことさえできなかったんだなとしみじみ感じた。

この本を読んですぐ「インターステラー」を見返した。クーパーがブラックホールに飛び込んでいくシーン。今まではなんとなく「うわすごいぞ、なんなんだ一体」なんて思ってみていたけど、「あのシーンこそが、まさに現在の物理学が直面しているものだったのだ」と僕は興奮する自分を抑えられなかった。他にも三次元球面やらロミリーが紙を半分に折ってペンを刺すシーンやら今までは「何言ってんだこいつ」と思ってたけど「ああ、なるほどね」なんて思っちゃたりしました。インタステラ―の魅力にまた気付くことができて感無量でした。

とにかくこの本を読めば物理のとりこになることは間違いないと思います。個人的にはより一層SFものを見るのが楽しくなったことが嬉しかったです。「トップをねらえ」とかも面白かったですね。あと僕絵を描くのですけど作品を通して「この宇宙」に迫っていきたいですね。


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