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人質という生き方(1)


常に何かのために生きてきた。

学生の頃は面倒見がよい、カースト上位グループ。

社会人一年生の時ですら、入れ替わりに辞めていくショップ店長がクせのある方だったため、ほかの先輩の愚痴聞き役・慰め役になってた。

いやいやではなかった。

友達の痴話げんかの仲裁でとばっちりを受けても、私はこういうタイプ、お世話好き。と思ってた。

でもあの時、彼に会ってしまった時から、世の中が変わった。

厳密には会って1年ほど経過したときから、かな。


初めて会ったのはあと数日で17歳になろうとしている夏休み。

友達と夜遊びしていた時に声かけられたのがはじまり。

軽いノリの彼ら(Aとその友人B)はとても人懐こく、親しみやすい印象で、少し大人だった。

2度みんなで遊んだあと、Aに個人的に誘われた。

初デートはドライブ。

2人で遊んでみるとみんなで遊んだ時ほど面白みがなくいまいちピンとはこなかったが、一生懸命楽しませてくれる姿勢が好感もてた。

しかし、Aは24歳で既婚だった。

正直めんどくさ!って思ったけど、バカな子供の私は徐々に惹かれていってしまった。

程なくして付き合うようになったが、不倫の面倒くささ、Aの私に対する入れ込み方や執着が鬱陶しくなり、1年経ったころに別れ話をした。



思いっきりビンタされ、殴り倒された。



そこから"殴る手を止めたい"だけの「ごめんなさい」を言う日々が始まる。




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