STOP!会話どろぼう!

人と会話していると、

「今わたしのターンだったのにいつのまにかもうそっちの話かよ…」

と思うことはないだろうか。

これをわたしは昔から『会話泥棒』と呼んでいたのだが、意外とこれはメジャーな呼び名であるらしいことが判明した。

上記リンク内にも例文が載っているが、会話どろぼうとは文字通り

「人が話してるのに何でも自分の話に持っていっちゃう人」

のことを指す。

例)
「わたし今日体調悪くて会社で貧血で倒れて早退したんだ…」
「えっそうなの?お母さんも今日頭痛いんだよね〜」
※筆者の実話です(上京ひとり暮らし1年目の親子の会話)

この会話を見て「これはないわ〜」と思えたあなた。素晴らしいです。これからも会話どろぼうせずに一旦人の話を親身になって聞いてあげてください。一通り話し終わったらあなたのターンが回ってくることでしょう。


この『会話どろぼう』しがちな人は人の話を一切聞いていない。
というか他人の話には興味がない。

人に会ったり連絡するのは『自分が話したいことがあるから』であって、相手の話を聞く時間というものはそもそも設定されていないのだ。

これはほんっとうにタチが悪くて思ったよりも深刻な問題だ。自分の話が終わればもうそこで目的は終わってるので、相手の話が始まろうがどうでもいい。むしろその話の中ですら

「わかるー!私の場合はね〜!」

がまた始まる。しかもそのボールを返してくれたらいいががっちり抱えて離しはしない。何度も繰り返すがこれはほんっとうにタチが悪い。なんでこんな人と会ってるんだろう…という気持ちにさえなる。

でも意外と、これがやりがちな話なのだ。
「わかる〜!」は女子なら間違いなく人生で1回言ったことがあるだろう。間違い無い。断言する。

ということは、恐らく全女子が『会話どろぼう』を犯したことがあるのだ。

恐ろしい。全女子が犯罪者だなんて・・・親が悲しむ。
うちの場合母親が会話どろぼう常習犯だったわけだけれども。


この犯罪を未然に防ぐためにどうしたらいいのか。これは歳をとったらなんとなくわかってきた。
若い時はとにかく会話のスピードが速くて、ねぇねぇ聞いて聞いて!も、えーそうなんだー!もよく作り込まれた漫才のようにポンポンと展開されていた記憶がある。
今年37歳になる今の会話の倍は速いスピードで話していただろう。言葉の数も倍あったんじゃないかというくらいだ。

でも歳を取って少しのんびりしたのか、話を聞いている中での相槌も、聞いたことを頭の中で噛み砕く速度も明らかに遅くなった。
「ちゃんと聞いて、考える余裕のあるスピード」に自然となっていったのだ。
意識したわけでもなく、自然とそうなっていった。悲しいことに、若い頃と同じ処理速度を持ち合わせていないことが功を奏した。

ただ、それは筆者の場合であって、そうではない人もいる。
先日会った20年来の友人は当時から会話どろぼうがあまりにも過ぎる友人で、ハタチくらいのとき我慢ならずに

「これ以上自分の話しかできないなら縁切るわ

と宣言したこともあるくらい。
そこから20年経ってまだ友人を続けられるくらい、当時は反省もしてくれたのだが泥棒癖は死ぬまで治らないらしく、今回も何度か

「一旦最後までわたしの話を聞いてくれ」

とクレイジーケンバンドしかり、はっきりと注意させてもらった。だがこれはあくまで20年の付き合いと前述の経緯があるからでこそ、そうでない相手には普通言うことはできないだろう。(わたしは気が強いので付き合いが短くても説教するかもしれないが)

そうなると最悪だ。相手はオタク特有の10代ギャルばりの早口で言いたいことをグワーッと話すが、こちとら何ひとつ吐き出しきれずに、しかも途中まで起承転結の起承くらいまでは話しちゃってるもんだから余計にストレスが溜まる。

重度の残尿感。

しんどい。だったら我慢して「起」も出していない…じゃなくて話していないほうがマシかもしれない。

そもそも単純に、相手の話に興味があれば
「へぇそうなんだ!それでそれで?それはどうなったの?」
という気持ちは当然自然と出てくるものだし、言葉も出てくるだろう。
興味のあるテレビを見ているときと同じだ。次はどうなるの?もう来週まで待ちきれない!とウズウズして仕方なくなる。

どうでもいいがうちの父は韓国ドラマの最終回が待ちきれず、放送3日前にTSUTAYAでレンタルしてきたことがある。

そういうことだ。興味のある話なら、相手に興味があるならば。「次の展開を教えて?もう我慢できない!」となるのは自然なこと。

それがないイコール、あなたには興味がないのだ。今後の付き合いも考え直すべきかもしれない。
もちろん利害関係だけで成り立つ付き合いばかりではないけれど、そもそも興味がないなら付き合う必要もないしなんで付き合ってるんだ?という話になるのだから。

何が言いたいかって、会話のボールはラリーするものだということ。
話の流れ的にそれわかるぅー!わたしもあったー!の場面は必ず訪れるだろう。それを挟む挟まないは持ってる技にもよると思うが、結局はそこで自分に渡ったボールを持ち続けずにもっかい相手に戻してあげる、これだけで残尿感はなくなる。
簡単なことだ。この話解決。以上。

これを読んだあなたが犯罪者ではないことを心から祈ります。
そしてわたしも改めて気をつけよう。
3日後に放送するドラマのレンタルをしてこないように。


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