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ファッションCGの生地について(物性編)
初めまして。
オムニスのCGチームのデザイナー、武藤です。
チーム内では主に生地のデータ化・テクスチャーの作成を行っています。
前回は生地制作プロセスについて少しお話しましたが
今回はもう一つ生地に関連する大切な「生地の物性」についてお話しようと思います。
データ化された生地の質感や色は目から入ってくる情報としてとても重要な要素ですが
着用した時の着心地やシルエットの変化には干渉していない部分になります。
服を着た時に体で感じる重さや温度(湿度)、
服を着た時に現れるドレープや生地の動きなどは生地の物性によるもので
CGで服を制作する際に質感とセットでとても重要になってきます。
せっかくなので、簡単に同じパターンを使用したTシャツを2種類の生地物性でモデリングしてみました。
左側は生地にハリがある物性(A)、右側は伸縮性とやわらかさがある物性(B)を適用しています。AとBを比較するとどんな生地を想像しますか?
※使用ソフト:CLO Ver5.2 (生地の物性はプリセットから使用)
いかがでしょうか?
比較してみるとドレープ(シワ)の入り方の差がかなりあると思います。
ドレープの見え方が違うとAは体から生地が離れているように見えるし
Bは体と生地が近そうに見えます。
また、AはBに比べてドレープの始まりが細く、Aと比べると生地が薄く見えると思います。
このように生地の物性を変化するとテクスチャーが無くても生地の違いが見えてくるので
よりリアリティーを求めるときにとても重要になってきます。
(ちなみにプリセット値は、A:羊の皮 B:カットソー でした)