【人事評価の未来(第8回)】サッカー選手のKPI:ウイング編(ワールドカップ日本代表スペシャル)
三笘の1ミリ。三笘さんが世界、いや日本の一般人にも認識されました。イングランド・プレミアリーグでの恐ろしい活躍がありましたので、世界のサッカーファンは三笘の凄さを知っていましたが、「1対1のドリブルからチャンスを演出した回数が最多5回」と今回のワールドカップでは途中出場ながら結果を残しました。
ウイングの結果・・・決定的な場面創出
ポジションはウイング。451の左右、もしくは433の左右のポジションです。勝利のカギであるゴール・得点につながる決定的な仕事をする、というのが最大目的になります。決定的チャンスもKPIとして押さえておくべきでしょう。それはアシストになります。
そうするとKPIの候補としては
・アシスト数
・アシスト成功率(アシスト数/決定的場面創出数)
・クロス成功率
・決定的なドリブル数
がウイングのKPIになってくるでしょう。もちろん、FWの役割もありますから、
・ゴール数
・シュート成功率(ゴール数/シュート数)
・枠内シュート数
といったところもKPIとしてもよいかもしれません。しかし、シュートチャンスがそれほど多くないポジションです。ゴールまでの道のりは長いもので、ウイングにはゴールに関連する決定的な場面創出が役割になります。
ゴールやアシスト前段階でのチャンス創出が役割として重要です。ウイングはドリブルで相手をかわして数的有利を確保することになります。
・クロス数
・決定的なセンターリング数・パス数
・(ペナルティエリア付近での)ドリブル成功数・率
といったところがメインの主業務のKPIになるのかもしれません。このプロセスとして、スペースへの走り込み、相手との呼吸をマッチし、アイコンタクトで引き込み、ボールをスペースで受け、ドリブルをして、相手をかわすことが求められています。図にすると以下になります。
MFとしての主な業務
MFとして中盤の選手として、ボールをキープする・攻撃に向けボールを前に動かすというプロセスにおいて、以下は業務管理指標になるでしょう。
・狭いスペースでもターンで前を向ける回数・成功率
・ボールキープにおいてディフェンスを交わせる回数・成功率
・自己範囲内トラップ率(ある程度の範囲内に収められた割合)
・決定的な場面における的確なタイミングをとった割合
といったところです。MFとしての基本となるタスクとして、
・パス成功率
・ミスパス率
・ボールキープ成功率
といったプレーの基本であるつなげること、正確なミスのないプレーが求められるのでそういったところは、MFとしてのベースとしての指標になるでしょう。三笘さんはボールタッチのセンスもあり、スピードもあり、かなりの良い選手です。
もちろん守備も
守備ももちろん必要でしょう。三笘さんは献身的に守備もこなしまします。そのため、以下も活動指標にはなります。
・スプリント回数
・デュエル数
・空中戦勝利率
・タックル成功率
・インターセプト数
・シュートブロック数
といったところも守備的な面での指標になるかもしれません。ただし、やはり、KPIとしては、
・クロス数
・決定的なセンターリング数・パス数
・ドリブル成功数・率
あたりが仕事の「成果」「実績」「業績」に関するKPIになるでしょう。
三笘さんはすでに世界レベル
三笘さんという苗字が多い大分県日田にルーツを持つ三笘さん。大分県生まれで川崎市育ち。兄の影響でサッカーを始め(さぎぬまSC)、川崎フロンターレの下部組織に。Jrユース、ユースではボランチもやるなどしつつも、世代トップレベルの活躍。トップチームへの昇格も打診されていたが、昇格は断り、筑波大学に進学。ユースの先輩の板倉さん、三好さんが1年目から試合に絡めないこと、当時のメンバーを見て、冷静に分析したのでしょうか。体力づくり、学業で学んだことを実践し、三笘さんは筑波大学で力を付けて、川崎フロンターレに帰還します。大学では体育学専門学群にて学び、「研究テーマとしても掘り下げ、自らをサンプルにして検証。ボールを持てば、ボディフェイントなどで駆け引きし、対峙する相手の重心が動く瞬間を見逃さない」となるために「陸上練習を積み重ね、わずか数歩でトップスピードに乗れるようになった」と言われるほどの研究を積み重ねました。
2020年はリーグ戦30試合出場で13得点、公式戦5試合連続ゴール、新人ながらベストイレブンに。ベルギー、イングランドでの活躍、ワールドカップ予選や東京五輪本線での活躍は知られている通りです。わかっていても止められないドリぶりを武器に、世界的選手への飛躍を期待したいです。
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