【人財育成論15回】破壊的イノベーションを生み出す人材とコンピテンシー②
前回も「破壊的イノベーション」について書きました。破壊的イノベーションを起こせる人とは、いったいどういう人、どういう人材なのでしょう?
起業家?思想家?いったいどんな人?と思いますよね。それをこれから、経営者の人生を見ながら考えていきたいと思います。
まずは破壊的イノベーターの定義をおさらい。破壊的イノベーションを起こせる人、破壊的イノベーターとは
・技術革新やアイディアによって、既存の事業の安定した状況を打破し、その事業の業界構造をガラッと変化させることができる人
・既存の概念にとらわれず、新たな発想を積極的に取り入れることで、新製品や新サービスを事業化できる人
・既存の市場で求められる価値を低下させつつ、新しい価値基準を市場にもたらすイノベーションをもたらせられる人
こういう人のことを言います。どこにいるかって?なかなかそうはいません。だからこそ、その要件・条件を模索する必要があるのではと筆者は考えております。
そこで、大事なのはコンピテンシー、つまり高い成果を出した従業員の行動や思考です。
破壊的イノベーターのコンピテンシー
世の中で、破壊的イノベーターに求められる能力は次のようなものが求められるらしいのです。5つの能力と言われていますが、それをコンピテンシーとして筆者が具体化・明確化してみます。
①Associating:アイデアを何かと関連づけることができる、そしてそのために幅広い知識を持っている
②Experimenting:経験に挑戦し、経験したことから、失敗から学ぶこと、それだけの勇気を意欲がある
③Observing:丁寧に観察し、データを収集し、測定し、分析できる
④Questioning:根本原因は何か?ある仮のケースでの応用した場合ではどうなのか??など多面的に質問できたり、、質問と言う知的作業を行える
⑤Networking:人間関係を活かして、情報を収集し、時には人や物の紹介などギブアンドテイクで共存共栄を図る
こうした能力とコンピテンシーが「破壊的イノベーター」には求められるということがアメリカの研究成果では明らかになっています。
①Associating:アイデアを何かと関連づけることができる
知識や経験から学びを自分の「血肉」にする、つまり知識と知恵に昇華しておけば、ある他領域のアイデアを援用したり、組み合わせ方法を応用したりすることができます。既にあるアイデアを関連づけて、イノベーティブなアイデアを生み出す力と定義されています。
脳内のシナブスがつながって「閃いた」という瞬間があると思いますが、それに近い感覚でしょう。とはいえ、アイデアを関連付けるにしても、共通点があることが前提です。同様のモデルがイメージできるとか、モデルにイメージできなくても部分適用が可能だとか。
スティーブ・ジョブズ氏が、カリグラフィー(文字を美しく表現する手法)の知識をコンピュータのフォントに応用したと言われています。
関連付けは思考の際に広い視点で考えることかと思います。失敗の経験、無駄な・無為な時間に過ごしたことが役に立つかもしれません。ただし、皆さん無意識的にやっていることですが、閃くにはいろいろな模索が必要にはなります。
これからも破壊的イノベーターのコンピテンシーについて考えていきましょう。
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