「推す」ということその2
続いてしまった。
前回の記事はこちらです→
前回では主に私自身の話をしましたが、今回はもう少し「推し」と「推す」こと、「推し疲れ」について、私なりに思ったことをつらつらと書いていこうと思います。主観100%な話になるので苦手な方は回れ右してください。
「推し」とは
まずは「推し」という概念について。
「推し」となる対象は、人(三次元)・キャラ(二次元)・ユニット(複数人グループ)・ジャンル(アニメや漫画、ゲーム等)、あたりでしょうか。あとはなんだろう、伝統工芸品とか曲とか…?とりあえず当記事では、全てをひっくるめる場合「もの」という表記にします。
一般的に、「推し」とは、と言われた際の回答は「好きなもの」でしょうか。この「好き」には、Likeの意味もLoveの意味もあるかと思われます。推しの対象が人・キャラだった場合、「ガチ恋」が出現したり推しの結婚報告にしんどくなったりするのもこのためだと思います。
私の場合は、「推し」という概念(主に俳優さん・声優さん・アイドルさんなど「現実の人」が対象の場合)に恋愛的な「好き」は入ってこないみたいです。いやキャラだとめっちゃガチ恋するし私自身根本的に夢女子なはずなんですが、人だとガチ恋にはならないみたいです。そのおかげなのか、結婚報告がしんどくならないです。むしろ私は「推し本人に結婚願望があって好きな人がいるのであれば早く結婚してほしい」と思っているタイプです。
私が何故このタイプなのか、少し考えてみました。
すると、ある考えに行き着きました。
私にとって「推し」とは、「魅力を存分に見せてくれて、応援したいと思わせてくれるもの」、なんじゃないかな、と。
「応援したいと思わせてくれる」というのは、なんだろう…グッズを買いたいとか、CDを集めたいとか、課金して天井してでもカードを引きたい(ソシャゲのキャラの場合)とか、そういう風に思うイメージです。私の場合、キャラ全員尊くて好きだけどグッズ集めるならこのキャラのみ、となる場合がよくあります。
そこに恋愛的な「好き」が入ってくるかはまた別の話、という感じです。
「推す」とは
次は「推す」という状態と行動について。
上記を踏まえると状態としては、「魅入られている」ということになります。良く言えば「魔法にかかっている」状態、悪く言えば「洗脳されている」状態、でしょうか。
行動としては、大別すると2種類に分けられると思います。
1つ目は、「直接的に推しの支援になる」こと。具体的な行動としては、作品やライブ等を視聴することやその感想をTwitter等のSNSで発言すること、公式グッズや円盤・CD等を買うこと等が挙げられます。感想の発言については、公式さんはエゴサをされて「感想がある」ことを調べている、というお話を聞いたことがあります。グッズ等の購入については、公式さんにお金を落とす、という意味での支援です。
2つ目は、「直接的には推しの支援にはならない」こと。具体的な行動としては…祭壇を作ったり、ぬいやアクスタを持ち歩いて「一緒に生活」したり、二次創作を楽しんだり、でしょうか。祭壇やぬい活に関しては、「グッズを買う」時点で直接的な支援はできているはずなので、そのグッズを「絶対に祭壇にしなければならない」わけではありません。二次創作に関しては、公式さんにはお金は入りません。何なら(例えば同人誌を作ってらっしゃる方としても)赤字だと聞いたことがあります。
二次創作は公式さんに見逃されているものでもあります。何故見逃されているかというと、盛り上がってそこから本家に興味を持って、というようにメリットがあるためです。コンテンツには二次創作用のガイドラインが発表されているものもありますので、そのガイドラインは絶対に守りましょう。
しかし、2つ目の行動が不必要かと言われるとそうでもないと思います。2つ目の行動の目的としては、「自身が(推しを)好きでい続けるため」(=魔法にかかっている状態を維持するため)だと思います。
まほいくでも、儀式の「パーツ」である魔法少女達をプク様の魔法(誰とでもお友達になれるよ)に最大限かかっている状態にするために、儀式の部屋の壁一面にモニターを設置してプク様の歌&ダンス動画をエンドレスで流していました。ああいうイメージです。(分かる人は私と握手)
自己満足と言われてしまえばそれまででもある。しかし、「自分が楽しく推しを推す」ために、自身を満足させることは必要なことだと思います。むしろ「推しの出ている作品は全て見ないと」「ライブ全通しなきゃ」等、義務感で1つ目の行動をし始めることの方が危ない。この辺は次項で。
「推し疲れ」とは
上記を踏まえると、「推し疲れ」とは「魔法が解けること」だとも言い換えられると思います。魔法が解け、「推す」という状態が維持できなくなっているのだと思います。
「推し疲れ」が何故起こるのか。
要因としては、
・お金が追いつかない
・時間が追いつかない
・他のファンの人と比べて自虐的になる
・他のファンの人と合わない
・公式さんに追いつけない
というあたりでしょうか。
ひとつずつ確認していきましょう。
・お金が追いつかない
グッズが出すぎて・色んなジャンルでライブ日や円盤発売日が重なって、などでお金が足りなくなること、私はあります。仕事をして稼ぐ、といってもやはりお金は有限です。使いどころを自身で決めることは大事です。
・時間が追いつかない
仕事が立て込んで・リアルの用事が忙しくて、などの理由から今期クールで推し声優さんが出るアニメを視聴できない・買ったCD(特にドラマCD)を聴く暇がない、ということ、私はあります。私の場合、「アニメをテレビでリアタイする習慣と気力がなくなってしまっている」という理由もありますが…。
・他のファンの人と比べて自虐的になる
上記二つと関連するところはありますが、お金と時間が追いつかなくて自分が「貢献できてない」と思っている時に他の(貢献できている)人と比べて落ち込んでしまう、という例です。貢献できている人というのは、推しが出演しているアニメ全てをリアタイしていたり、グッズをたくさん集めている人だったり、イベント全てに現地参加していたり、などです。私はあります。
・他のファンの人と合わない
他のファンの人が否定的な意見ばかり言っていたり、イベント現地での一部のファンのマナーが悪かったり、CP名とかを『公式さんが確実に見れる場所で(例:公式Twitterへリプライ、公式生放送でコメント等。自分のアカウントでただツイートする場合は除きます)』発言したり、などです。最後のは私だけなのかもしれない。
いやでも一回遭遇したんですよ、とある声優さん(Aさん&Bさん)の冠番組のゲストにとある声優さん(Cさん)がいらっしゃると告知があった時にAさんとCさんが共演されているジャンルのCP名がコメントされたことが…あれはきつかった(私情)。
・公式さんに追いつけない
これは「公式さんと解釈違いを起こす」場合と「公式さんが不快な行動を起こす」場合があります。前者はまぁ(理不尽な言いがかりレベルの「これまでとの齟齬」とかでなければ)自身が公式さんの考える対象じゃなくなったんだなと思って離れればいい話ではあります。
後者について、不快な行動というのは、不用意な発言とかやらかしとかそういうのだけではなく、例えばCD投票みたいな、推しを盾にお金を払うことを煽ってくる、というような行動も含まれていると思います。
これに関しては、ジャンルの推しだけでなく人(三次元)の推しにも言えることだと思います。「公式さん」というところを「推しご本人」に言い換えると分かりやすいでしょうか。解釈違い(?)や不快な行動もですが、あとは「ご本人の宣伝ツイートを見て『推しが出てるなら見なきゃ』と感じてしまう」とか、「話についていきたくて、ご本人が推しているもの(ゲームとか実況者さんとか)を脳死で履修しようとする」とか、かな。
こんな感じでしょうか。
この要因の共通点としては、「直接的に支援になる推し方にも関すること」「義務感を煽られること」かなぁと思います。
これは私が辿り着いた持論なのですが、「義務感でやるとロクなことにならない」です。特に趣味に分類されるもの(例えばゲームのログイン&プレイとか、推し活とか、ゲーム実況配信とか)。(仕事は流石に義務でやらざるを得ない場面があるかもしれませんが…)
情報や作品を全部を追わなければならない。
グッズや円盤は全部買わなければならない。
あのフォロワーさんはあんなに推し活できてるのに。
公式さんの言うことは全肯定しなければならない。
そういう風に思ってしまうと、そしてそれが重なると、絶対に疲れます。そしていつか心が折れます。これが「魔法が解けた」状態かなぁと思います。
この状態だと、最悪合わないタイプのファンの人や公式さんだけではなく、好きだったはずの推し(キャラたちやジャンル)にまでも「嫌い」という感情が出てきてしまう場合があります。何が最悪って「自身の『好き』という気持ちが汚染されてしまっている」「推しは悪くない」というところですね。これ、本当につらい。
私の経験談ですが、人というものは、ポジティブな意見よりネガティブな意見の方が目につきやすく心に残りやすいものだと思っています。ネガティブな意見がどれだけ少数だったとしても、ひとつでもあれば心に残ってしまうように思います。そして、一度心に残ってしまうと自身もネガティブに捉えがちになる、と思います。これが「気持ちが汚染されている」状態ですね。
情報や作品を全部追っている人、グッズや円盤を全部集めている人、全部のライブに現地参加している人等…彼ら彼女らは、各々の基準に従って「推し活(=『好き』を込めて応援する)」をしているだけです。私は私の基準で、貴方は貴方の基準で推し活をすればいいのです。自身の『好き』『推したい』という気持ちは、他の人がどういう推し活をしていたからといって変わるものではありませんし、他人に揺らがされていいものではないはずです。
まぁそうは言っても、TwitterのようなSNSをやっていたりすると、いやでもそういうネガティブなことが目に入ってきますよね。グッズ等の情報公開もTwitterでも行われることが多いですし。
なので、対策としては以下の通りになると思います。
①自分の意見・指針を持っておく
②自分から(公式さんへのリプ・エゴサ等)掘りに行かない
③「好き」という気持ちを忘れず、楽しむ
まず①について。
指針とは、「自分はこのジャンル・この系統のグッズやライブに注力する」というような感じです。私の場合(2021/6/24現在)だと、注力するジャンルは「ノクターンブギ・KING OF PRISM・プロセカ・男プリ&闇プリ」、注力する推しは「十王院カケル・神代類(・青柳冬弥・暁山瑞希)・久結霧矢(・プリパラプリチャンの筐体でのマイキャラ3人)」、注力するグッズ系統は「ぬい・もちころ・キャラが身につけている&使用しているアイテムのグッズ化」という感じです。ライブは(ご時世的な問題で、地元兼現居住地兼現バイト先的に県外に出れないため)取捨選択を行ったうえで配信での参加が基本です。声優さんの推しに関しては、(全部を追うのは土台無理なので…)出演されているアニメ&ゲーム等で気になったものがあれば手をつける感じです。
意見とは、公式さんから提供された情報(グッズ発売とか、ガチャ更新とか、不具合の対処時の行動とか諸々)に対し、肯定でも否定でもいいので自分なりの意見(勿論自身が納得できるもの)を組み立てておく感じです。私の場合だと…そうですね、例えば「ガチャが渋いのはソシャゲとして当たり前(色んなソシャゲを渡ってきた経験上)」「毎月新衣装(3D)が3~6種類ぐらい追加されて全イベフルボイス(バーチャルシンガー含めて)なの運営さんありがとうございます休んでください(プロセカ)」「どうにも特定の過去作に頼っているように見えて信用できない…(プリティー系)」などでしょうか。(勿論私の意見です。誰かに同意を得ようと思っていません。)
これらは、他の人の意見に左右されないようにするためです。Twitterは「それぞれが『呟く』場所」であるため、本当に色んな意見が飛び交います。勿論参考にできる意見や冷静な意見もあると思いますが、中には感情的に暴言を吐かれている場合もあります。そして感情的な意見というのも、読みやすかったり共感を受けやすかったりしてバズりやすい傾向にあるように思います。
フォロワーさん等のRTでそういう意見が回ってきた場合、自分の意見をあらかじめ持っておけば、ある程度客観的に読むことが出来、「気持ちの汚染」が少し抑えられるように思います。(まぁその意見の持ち主への反感、という意味でネガティブにはなるかもしれませんが…(経験談)。意見の持ち主へ反感を持つのがいいか流されて気持ちが汚染されるのがいいかは各自の判断にお任せします。)
次に②について。
こちらは②についてというか①に追従する感じで、主に「見なかったことにする」という方法です。だいたいTwitterでの話です。
公式さんへのリプは、(全てがこう、というわけではないと思いますが、私が観測できるジャンルでは少なくとも)割とこう…ネガティブな意見を感情的に吐かれている人が多い、ように思っています。そうでなくてもガチャ結果の画像を貼られたりとか、こう…「それ必要か?」と思ってしまうものも。
公式さんに限らず全てのTwitterアカウントの向こう側にいるのは「人間」である、ということを全ての人に理解してほしいと思っていますがそういう話はまぁ違う機会に。
そういうリプを見ないためには、やはり「自分から見に行かない」という方法しかないかな、と。(いちいち見に行ってミュートブロックするのが面倒になっているだけ)
リプを見ないようにする、エゴサもパブサもしない、トレンド入りしててもトレンドワードをタップしない(見に行かない)。私は最近入り浸っている方のアカウントのトレンド地域を赤道あたりにして、日本のトレンドを表示させないようにしました。私の場合ですが、これだけで割と楽になりました。
あとは自身のタイムライン(以下「TL」)をなるべく「自身が眺めて気持ちのいい状態」にすること。再三申し上げますがTwitterは「それぞれが思い思いに『呟く』場(『コミュニケーションをとる』ことへの比重はLINEとかの方が置かれていると思います)」です。色んなきっかけ(それこそ推しが同じで、とか)で繋がったフォロワーさんでも、フォローした後に「この人、自分にとって害のあることしか言わないな…」(自身が好きなものをその方が悪く言っていたり、その他自身が不快に思う言動や考え方をされていたり、等)となった場合、ミュートやブロックという機能を使って良いと思います。あとはワードミュート機能を使うとか、その方のアカウントの「リツイートは表示しない」設定にする機能を使うとか。
私は「ミュートやブロックはして良いものなんだ」と気づくのに5年かかりました。
最後に③について。
何回でも言います。誰がどんな基準でどういう推し活をしていたからといって、私自身の、貴方自身の『好き』『応援したい』という気持ちが変わるものではありません。
自身のその気持ちを大事に、(常識の範囲内で、他人に迷惑をかけない程度に)やりたいように楽しくマイペースに推し活をすればいいのです。
それでも楽しめなくなったら。義務感が沸いてしまったら。疲れてしまったら。
一旦、そこから距離を置きましょう。一度離れて冷静になれば、自身の状態やその推し周りの状態等を客観視できるようになると思います。客観視したうえで、まだ「好き」「推したい」という気持ちが強いのであれば、前述した通り自身のペースでやりたいように推し活をしても良いと思います。逆にもう気持ちが冷めている場合は、完全に離れましょう。
長々と、主観100%な話を失礼いたしました。
良い推し活ライフを。
ではまた。