るい奥様ストーリー【4】
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るいさんとの会話は、当たり障りのない話題でも終始穏やかに進む。
「それで、気にしすぎるのも良くないと思って……最後にちょろっと残すくらいなら、綺麗に飲んじゃったほうがいいなって思ってたんですけれど、悩むまでもなく気付いたらなくなっちゃってました」
浮かべる苦笑すら可愛い。
「ああ、わかるよ……ラーメンスープって、飲み干したくなるよねぇ。私も昔は一滴残らず飲んでたんだけどなぁ……別で注文したご飯ぶち込んだりして」
「ご飯と一緒に食べるのも美味しいですよね」
こんなにもストレスを溜めずに済む会話は心地いいものだっただろうか。
職場とは違うと思いつつ、やはりこれだけ穏やかに会話できるのは、るいさんの人柄によるところが大きいのだと思う。
ゆっくりとしたテンポの会話が心地いい。
これだけ穏やかな時を過ごせるというのに――エッチの技術もピカイチだというのだから、天は二物も三物も、彼女に与えたのだと思う。
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