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童貞シリーズ

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童貞くんはいつもカノジョがいません。 なので、たくさんの女の人を見てはドキドキしてしまいます。 「あれこの人、僕のこと好きなのでは?」 と勘違いします。妄想のしすぎです。 ショー…
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#小学生

おはようの子

 朝、学校にいこうといつもの道を歩く。
 すると背後から声をかけられた。
 
 振り返ると三つ編みのセーラー服の女子生徒。
 クラスメイトだ。

「童貞くん、おはよう」
 僕はビックリした。
 いつも話さない女の子だからだ。
「あ……お、おはよ」
 ニコニコ笑っていた彼女を見て思った。

 この子、僕に惚れているかもしれない!

スパッツの子

 名古屋に来て、もう4年という月日を過ごした。
 だが、一向に僕は、彼女ができることはない……。

 なぜだ!?
 ムラ村さんと背伸さんに至っては、二人とも両想いどころか、『三人ハーレム想い合い』という新しい関係を築いたはずなのに。

 そうこうしていると、またお父さんが引っ越しすると言いだした。
 僕は激しく怒りを覚える。

「ムラ村さんと背伸さんと、三角関係にさせてから、引っ越せや、ボケェ!」

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競泳しちゃうふたりの子

 女の子というものはわからないもので……。
 僕を獲り合っているはずのムラ村さんと背伸さん。
 二人は気がつくと、大の仲良しになっていた。

「なぜだ……あの二人は恋敵にあたる存在なのに」

 うーむと唸りながら、凸凹コンビの後ろ姿を背後から見つめる。
 チビのムラ村さんに、モデル体型の背伸さん……。
 どちらも捨てがたい。

 落とすなら、どっちだ!?

 そうこうしているうちに、夏に入り、学校

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転校生の子

 僕とムラ村さんは、なんでかわからないが、結ばれることもなく、ただただ時が過ぎるのであった。
 
「なぜだ! 絶対、ムラ村さんは僕に惚れているはずなのに……」

 そんな風に思っているだけで、行動にはなかなか移せない。
 気がつけば、進級の時期になり、四年生になっていた。

 もちろん、ムラ村さんは、僕とまた同じクラスだ。
 良かったぁ。これだけ、時間があれば、今年中には彼女を落とせそうだ。

 

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シャチホコの子 その2

 ムラ村さんと出会って半年ぐらい経ったころ。
 僕は毎日、彼女のことばかりを考えていた。
 そう、気がつけば、僕も惚れていた。
 つまり、相思相愛なのだろう。

 席替えして、ムラ村さんが前の方の席になっても、僕は暖かく後ろの席から彼女の小さな背中を見つめる。
「この想い……届け!」
 いや、もう彼女も僕を見つめている……気がする。

 そんなことを考えていると、秋になり運動会が始まる。
 ある日

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