一冊で終わるおもろ漫画①
文庫版で一冊というものも含みます。
こういうテーマであまり紹介されていないものを選んだつもりですが被ってるものもあると思います。
年代、ジャンルはバラバラです。
もっとたくさん紹介したかったのですが体力がもたなかったので元気なときにまた別で記事あげていきます。
美貌の果実/川原泉
あらすじは表題作の「美貌の果実」のものです。
上記のあらすじには書かれていませんが、ワイナリーと取引の交渉のために訪れた酒販メーカーの社長と娘が登場します。
一見なんそれとしか思えないこの物語を一つにまとめるのがこの父娘です。
「葡萄の精」というファンタジーな存在が登場するにも関わらずとっちらからずにラスト付近では家族の圧倒的な断絶を一言で見せつける、しかもそこにいやらしさがない。
川原泉様様です。
他に収録されている短編も全て傑作で、それぞれについて語ろうと思うとそれだけで記事が書けるほどです。
その中で自分が特に好きなシーンについてあらすじを全く説明せずに画像だけ貼り付けておきます。
意味はわからないと思います。
<架空の森>
私が初めて漫画で泣いたシーンです。
<森には心理が落ちている>
この話を読むと血液型に詳しくなります。
amazonのリンクを貼るために検索したら同じタイトルの小林恵美のDVDが出てきてすごく懐かしかったです。
あどりぶシネ倶楽部/細野不二彦
『さすがの猿飛』でお馴染みの細野不二彦の作品です。
「ファインダーさえのぞいてなければフィルムを回しているなんて思わないらしい」
という百理ある理論を元に、通勤ラッシュ時の駅のホームでキャストが派手に喧嘩してその様をバッグにカメラを潜ませてゲリラ撮影をぶっかます。
そんなのワクワクするしかないでしょう。
ちなみにこの漫画を知ったのは『金魚屋古書店』六巻です。
この話もまあアツい。
アツいポイントを話すとネタバレになってしまうので避けますが、気になる方は読んでみてください。
ヘヴン/遠藤淑子
文庫版で一冊、単行本だと二巻になるので少しズルな気もしますがこれは本当に傑作なのでどうしても紹介したかったです。
なんでこれがハリウッドで映画化されていないのか、未だに訳が分かっていないです。
二部構成になっており、上記のあらすじの内容は一部にあたります。
二部では戦争前に話が戻り、なぜルークが作られたのか、製作者がどんな思いでルークを作ったのかが描かれています。
ヘヴンについて語ろうと思うとめちゃくちゃ長くなってしまうのであまりダラダラ書くのは避けますが、アンドロイドものが好きな人にはとてもとても読んでほしいです。
これは少しネタバレですが、ルークは機能停止の確率が90%を超えると今までの罪を告白するように作られています。
宗教観が組み込まれたロボットという設定だけでも心掴まれるものがあるのですが、二部でそれが実装された経緯を知ったときにはもう・・・ね
読んだら必ず泣く漫画二冊のうちの一つです。
もう一つは西原理恵子の『ぼくんち』です。
(彼女は最近ちょっと色々良くない状況ではありますが。)
ネムルバカ/石黒正数
『それでも町は廻っている』でお馴染みの石黒正数の作品です。
多分これは他でも紹介されていると思いますが、かなり好きなので紹介してしまいます。
といってもここ一、二年で読んだ新参者なんですが・・・。
学生モノあるあるですが、読んだ時期によって刺さり方が違いますよね。
社会人になってもうある程度経ってから読んだのですが、「ああ、こんなこと考えてる時期が私にもあったなあ」って思ってしまうこと自体が苦しくて、でももうそんな青臭い思想に執着がなくなってきていることが少し寂しかったです。
THEモラトリアムなダラダラ感を味わえるかつラストはスパッとした爽快感で締められる、読みやすい一冊です。
地獄色/浄土るる
あらすじをamazonから引っ張ってきたんですが、話の内容全くわかりませんね。
浄土るるはここ最近で一番注目している漫画家です。
『鬼』がバズったときに知ったのですが、ここまで無駄が削ぎ落とされた残酷な話を描ける人を他に知りません。
(いたら読みたいので教えてください。)
そこに美しさも一切ありません。
てか一瞬美しいものを見せてからそれを瞬時に叩き潰してきます。
こっちはただただ途方に暮れることしかできません。
世が世ならガロの看板作家になっていたでしょう。ガロ読んだことないけど・・・。
新連載が始まるらしいのでもうはちゃめちゃに楽しみにしています。
それぞれの話について、言葉を重ねるほど陳腐なものになっていくような気がするので話を一切紹介せず好きなコマの画像だけ貼り付けておきます。
意味はわからないと思います。
<猫殴り>
<鬼>
<神の沈黙>
まとめ
文章が稚拙なので作品の魅力が伝わらなかったかもしれませんが、どれもとても面白いので興味が出たらぜひ読んでみてください。
逆に一冊で終わるおすすめの面白い漫画があったら教えてください。
ほなね