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会ったら気まずいなと思っている時、大体現実に起こる。

外食時、わたしが頼んだものだけ来ないとか
生焼けだったり
逆に焼きすぎてしまったため焦げを剥がした状態で誤魔化されて持ってこられたり(完全にコゲ風味)
表面しかあったまってなくて中身キンキンに冷えたドリアとか
異物が混入した食べ物なんて数えきれないほど当たるし
それ、うちのじゃないかな?っていう料理が違うテーブルに運ばれてしまうとか
注文品として流れてくる回転寿司のポテト、1本泥棒されてるのを目撃したり…

そんなことは、わたしにとっては日常的に起こることであるのだけれど…

昨日まで旅に出ていて、ほんの一泊二日でも持ってるわたしは色々と引き寄せた。

とある鳥料理店で、塩焼きの盛り合わせをオーダーした。
少し時間がかかると言われていたので、全然いいですと言っていたわりにすぐ到着したことをあまり疑問に思わず食べてしまった。

だけどわたしは、すぐに異変に気づく。
なにやら隣のテーブルのカップルが不穏な空気…

察した。

さてはこの塩焼き、隣のテーブルのだな…!?


わかる!わかるさ、そりゃわたしはよく逆のパターンが起こっているから。
ごめんなさい、お先にいただいちゃいました😭

しかも全体的にどのテーブルの食べ物の到着が遅く、きっとお隣もこの塩焼きを心待ちにしていたにちがいないのに。

申し訳なの気持ちが大量に押し寄せる。
視線を感じる。鳥の塩焼きに、とてつもない視線が。顔は正面を向いているのに、目玉だけ横向いてる的な。

そのあと、店員さんに「塩焼きがきてないんです」と言っているのを聞き

「やっぱりな!」と思いながらも手をつけてしまっていたのでそれは自分のものとして食べるしかないのだった。

聞こえないようにやってるようで、隣なので全部聞こえる。

「手違いで別のテーブルに運ばれたようで…」って、はい、隣です!わたしです!別テーブルとはここです!わかっているとは思いますが。
みんなでおいしく食べてます!!

お隣さんも同じものを頼んでいるのを知っていれば、うちより前の方まだ来てないですよ?と言えたかもしれない。でも、我らが着席する前の出来事だったため状況はわからなかった。

なんなら、それ!ウチのです!って隣から言ってくれてもよかったけど、そんなの無理だ。

あぁどうしよう、もう食べちゃったよ。しょぼん。

我らのテーブル他3名、全然空気が読めないためおいしいおいしいと鼻息を荒くしている。腹ペコの隣のカップルを置き去りにして…

ここはもう、「ごめんなさい。うちが先に食べちゃって…」
と詫びて、すっかり仲良しになって許してもらった方が気が楽だけれど
そんなことしたら余計に気を遣わせるし…

あわあわしていて、あんまり味の記憶が残ってないや。名物の軍鶏。

誰にだって間違いはあるので、その後の対応次第では気持ちも楽になるのに
原因を作ったおばちゃん店員さんは鼻歌混じりにご機嫌で「はい、これ塩焼きねー!」みたいなテンションで持ってくるもんだから隣の人たちは微妙な空気。

ごめんよ、先に食べた我々にも責任がある。

「ごめんなさいね、あなたの心に話しかけています」の念を送りながら食べた。

色々考えていたらすっかりもたもたモードになっていて、先に食べ終わったお隣さんの背中を見送った。

緊張から解き放たれたのも束の間、ホテルに着くとまぁーおんなじホテルになってしまうね。

食事の会場は自由席なのに、夜も朝も至近距離。
向こうは気づいているんだろうか。
わたしたちは「お隣カップル」というあだ名で呼んでいたが、向こうがもしわたしたちに気付いていたらなんというあだ名で呼ばれたろうか。

「塩焼き家族」はたまた、「万引き家族」?
是枝監督にドキュメンタリー映画として撮ってもらいたい。
いや、万引きはしてないけど。
強いて言えば横取り。「横取り家族」かもしれない。横取りもしてないけど。

朝ごはんも、次の目的地も、行動パターンがずっと一緒で、なんなら6人で旅してるくらいの頻度で会う。

同じ人を何度も見かけることって旅のあるあるだと思うけどよりによって気まずい事件が起きたカップルだなんて。

夫とちょっとうろうろしてる間に、うちの両親がそのカップルさんたちとベンチで横並びでソフトクリーム食べてるんだから笑えた🍦

「次会ったら絶対に、よく合いますねって声かける」なんて宣言もしたけど

結局、会えなかった。

なんでや!そこ、もう一回だけ同じパターン来てよ。

彼らの楽しい旅の思い出に、何度かお邪魔してしまったけど、それが逆にいい思い出になってくれていたらいいのだけど。

旅の締めくくり、夜ご飯を食べた場所で起こったのは

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やっぱり異物混入でしたとさ。

これってヤラセ?自作自演みたいな、堂々とした佇まいの異物。

でも、やっぱり自分の身に降りかかった方が気持ちは楽わなけで。逆の立場はもうこりごりだ。

このシールが混入してたことが逆に自分のお守りのように思ってしまう思考もどうなんと思うけど。

持ってるわたしといると、なにかしら事件が起こって楽しいという夫の言葉を信じて

これからもたぶん、色んなことを引き寄せ運貯金を貯めるんだと思ったそんな旅だった。

いやどんな旅よ。


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星野うみ。
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