「何か出来た」で完成した創作で感じたヤバさの言語化
よく創作してると「何か出来た」って物がめっちゃあります。
それを実感するのは出来た後。
新しく創作してる最中に悩んでる時にふと過去の作品を見てると
「何でこの時出来たんだ?」
って思います。その疑問をちょっと考えてみました。
自分目線の考えの言語化した記事ですが、何かのきっかけになれれば幸いです。
◆「何か出来た」は3段階の工程をすっ飛ばしてる
持論を先に持ってきますね。
創作時に壁にぶつかって悩んで調べて何かを体現するまでに
「調べる」⇒「学ぶ」⇒「知る」⇒「理解する」⇒「出来る」
の5工程があると思います。
ですが、「何か出来た」は「学ぶ」、「知る」、「理解する」の工程をすっ飛ばして「出来た」になっているのかなと思いました。
その「学ぶ」、「知る」、「理解する」が抜けているから次に同じレベルの作品にならない。
また、出来た事による満足感や達成感からくる自信が返って次の創作時の理想を高めちゃうのかなぁ…と。
じゃあ「何でそうなるんじゃい!?」という事ですが…。
「調べてたら簡単に答えが出て来てすぐ出来ちゃう」から「何か出来た」が成り立つ
と思いました。
これは別に才能どうこうではなく、情報化社会の発達とツールの進化のせいかなと思います。
ちょっと話はズレますが、そのお話から先にしますね。
◆情報化社会における便利さ故の弊害
この「何か出来た」は時代による3つの弊害が影響していると思いました。
①「調べたらすぐ答えが出てきちゃう」
②「短時間でそれっぽい高品質な物が出来ちゃう」
③「情報共有のしやすさ故の他者比較」
です。
①「調べたらすぐ答えが出てきちゃう」
創作以外でも何か困った事ややり方が分からなかったら先ず現代人はスマホ見ちゃいますよね。
グーグルなりを使って「~ やり方」みたいに検索掛けて、それに見合った記事や動画や呟きが分かりやすく丁寧に解説されて「簡単に答えが分かっちゃう」仕組みになっているのが現状ですよね。凄い便利です。毎日助かってます。昨日は冷凍庫の霜取りの方法をググってました。はい蛇足。
まぁ、そうると逆に「何か困ったら調べれば良いや」って考えも浮かびませんか?僕はめっちゃそれを思ってます。何なら便利な情報を纏めたサイトをお気に入りしまくって逆に何が何だか分からなくなってる状態です。
もうこうなってくると自分は只の検索するだけの人で他人の情報だけを引っ張ってくるおじさんになっちゃってます。そうすると「自分は理解出来なくても何となく障害を乗り越えちゃう」事に繋がっていきますよね。
この「調べたらすぐ答えが出てきちゃう」まず最初のマズイ所だと思います。
②「短時間でそれっぽい高品質な物が出来ちゃう」
これは創作する際のツールなどの進化に直結するので人によっては余り関係ないかもしれません。そう感じればお次の項目へどうぞ。
創作の色んなツールに「何かそれっぽくエモい感じになるボタン」ってありません?
それか「めっちゃ自動で色々やってくれるボタン」。
時代が進めば技術が進み、より高精度な物を自動で出来るようになっています。そうなればツールも進化していくのは当然かと…。
そうなってくると本来必要な「上手く表現する知識やノウハウ」をガン無視して「脳筋ボタンポチー!」で完成しちゃった方が楽ですよね。
そうなってくるといよいよ持ってボタンポチポチおじさんになっちゃって創作自体楽しく無くなっちゃいますよね…。悲しい…。
じゃあ「技術とか学べばええやん!」となるのが普通ですが、それが出来る方はとても素晴らしい創作者さんです。そのまま自分の技術を磨いて良いものを世に届けてあげてください。
逆に「学ぶ時間とか無いんじゃい!!!」って思う方もいらっしゃいますよね。僕も同意見です。でもなんでそんなに急いでるんですかね?思い返せば何か焦燥感に駆られてますよね…。凄く辛い中、溺れながら創っている感じありませんでしょうか?僕は凄くそれを実感しています。それが次の内容が影響しているかと…。
③「情報共有のしやすさ故の他者比較」
これはネットで作品を投稿してる方なら誰でも分かっていると思います。
そうです。「他者作品との比較」です。
辛いよねぇ…。自分の牛歩な進捗に対してバンバン新しくてキラキラした物が沢山出てくると今まで宝物の様に見えた手元の創作物がショボく見えちゃって辛くなります。
こればっかりは誰も悪くありません。比較してしまうあなた自身も悪くありません。本当に時代のせいだと感じます。
だからこそ焦燥感に駆られ、①と②に頼って「より早くそれっぽい高品質な何か」を作りだしてしまうのかなって。
それをSNSなどにあげて「何か出来た」に繋がるんだと思います。
凄い面倒な時代だよね…。
本来創作はゆっくり気ままに楽しむものなのに…。
youtubeの動画とか広告見てると「短期間で~が!」「10秒で出来る~」「最速で上手くなる方法」みたいなのが沢山見かけます。
沢山あるという事は需要があり、需要があるという事は皆が求めてるという事。皆、周りの高速化した社会に苦しんでるのが感じ取れて何だか大変な時代になっちゃったなって思いました。
急ぐ気持ちは凄く分かります。個人的な意見ですが、苦しんで創作するのは何か違う気がします。
子供がクレヨンを持って画用紙にぐちゃぐちゃな線を描き、汚れた両手で自信満々の笑顔で「出来た!」と良く分からない動物が描かれている様な創作が一番だと思っています。他と比較した良し悪しなんて無意味かなって。自分が感じた「良い」が一番だと僕は思いますのでどうか周りの環境に流されず、ご自身の感覚を大切に…。
話は凄いそれましたが、「何か出来た」の仕組みは何となくこんなだろうと思いました。
じゃあ焦る気持ちを置いておいて何をしたら良いかを考えていきましょう。
そこで正しい手順を踏む為に
「調べる」⇒「学ぶ」⇒「知る」⇒「理解する」⇒「出来る」
について考えていきますね。
◆5工程の定義
①「調べる」
問題や障害があるから調べるのは凄く良い事です。重要です。
ただ、今は高精度かつ高密度な情報が簡単に手に入る時代です。
技術が追い付くよりも先に頭だけが先へ行ってしまうドーピングに近いのでゆっくりその情報をかみ砕いていく必要があると思います。
これで簡単に摂取して完成させると何も身につかないので完成しちゃうので次の「学ぶ」工程が必要と思います。
②「学ぶ」
学ぶはその物事の言ってる事を認知すると思っています。
何か良く分からない単語ばかり言ってるけど、「とりあえずこうやればええんやろ?」で進むのはこの「学ぶ」をスルーしているのかなって。
ココはかなり面倒な作業だと思います。
特に新しいジャンルになればなるほど、知らない単語ばかりで説明されてて「ファルシのルシがコクーンでパージ」状態です。
ですが、ここで必ず全てを認知せずに次の工程に行って良いと思います。
ただし「この単語は認知してない」という事だけ念頭に置いて次に行きましょう。
何度か作ったりすると分かったり、③や④で「コレがそういう事か」と納得するでしょう。慌てずに。
③「知る」
自分が思うに「知る」には学んだ事を「自己解釈」出来ている事だと思っています。「知っているなら説明は出来るよね」という理論です。
そこで重要なのが「~が~で~です」という自分の言葉で説明できる事です。
この工程を「知る」だと思います。
ぶっちゃけ、「学ぶ」と同義かなって思うんですけど、「学んでも説明できない」って事多くないですか?
勉強して学んだけど、いざ「教えて!」って言われたら「ムリィ…」ってなる感じは多分「自分の言葉で説明できない」から「知らない」になるのかなって解釈です。
まぁここは②と③をくっつけて考えても良いかと…。
④「理解する」
これが一番厄介で難しくて辛くてやりたくない事ですね。
「調べて学んで知ったよ!」って言ったら、「じゃあそれやって」と返されたら「分からないッピ…。」ってなっちゃいますよね。
ここで定義する「理解」は実際に試してみて、「あ~でもない。こ~でもない。」と試行錯誤して「答えを実感」する事が「理解」だと思います。
ココは凄く大変な作業です。
多分、これをこなすのに数多くの創作を経てその技術の「理解」へたどり着くのだと思います。でもそれで「答えを実感」出来れば同じ事は出来そうですよね。
⑤「出来る」
「理解する」という大ボスを倒せれば晴れてその技術を得とくしたと言っていいでしょう。ここにたどり着くのは凄い事だと思います。誇って良いです。だって昔の自分より確実に成長しているのだから。
◆まとめ
何か最近、創作をしているとゲームのRTAをさせられている気分になります。
ネットには多くの最速攻略情報や裏技ばかりで手探りで攻略する楽しさが無くなっている感覚ですね。
こればっかりは仕方がないと思いますが、無視していると「頭が技術を置き去りにして理想が高くなっちゃってるのかな」と思いました。
多分、昔の創作者も色々悩んではいたと思いますが、現代の創作者の抱える悩みはその時代の背景にもあるという事ですね。
情報化社会が高速化する今、誰でも発言が可能になり、誰かが自分の無意識化の気持ちを共有しやすくしてくれました。
ですがそればかりに頼ってしまうと、自分の言葉が失われて、他人の言葉だけで動くような感覚に陥り、周りに流されちゃうんだと思います。
なるべく自分の気持ちは自分の言葉で喋れる位の力が身についていると生きやすいと感じます。
それでも分からなかったら他人の言葉を借りるのが正しい手順かなと思いました。
この記事は自分の考えの言語化とその時の考えの記録です。
「読み辛ぇな~」って思ったらごめんね。
ただ、この記事が誰かの助けになっていたら幸いです。
どうか良き創作ライフを。