『婚活1000本ノック』感想⑥
前回に続きやや停滞気味である。いや面白い。面白いのだが。テーマがテーマな以上、婚活→出会う→うまくいかないを繰り返すことになるのはわかりきっていたが、なんだか前回今回はそれまでと比べて物足りなさを感じる。わたしが贅沢になってきたのだろうか。
今回は前回の婚活で出会ったヤギ男との物語だ。正直、このヤギ男との婚活が失敗に終わった理由がいまいちわからないである。
ヤギ男はイケメンで、山梨の和菓子屋の跡取り息子。綾子と話がとても合い、ヤギ男も綾子をとても気に入ってくれた。前回のラストは女子が一度は憧れるシチュエーションでの告白を受け、常々求めていたときめきの方もばっちりだ。条件良し、心も通い、ときめきも感じさせる。まさにパーフェクト。これは親に癖があるか田舎暮らしがきついパターンかと思ったら、親も田舎も大歓迎で難なくクリア。
それでも結婚には至らなかった。なぜか。わたしにはよくわからないので、残念ながら何も語れない。
結婚となると不安になるという気持ち自体は理解できるが、マリッジブルーではないのか。過去で一番納得いかない理由でフラれて、ヤギ男もさぞや意味がわからないだろうと思う。
そして私はひとつ思い当たった。
綾子は本当は結婚相手を探していないのではないか。
探しては見たもののどうも誰ともしっくり来ない。この感覚には覚えがある。綾子には他に好きな人がいるのではないか。その人と比べて劣るから、どんな男性とも結婚に至らないのではないか。
わたしの友人に、お兄さんととても仲が良い子がいる。お兄さんは私たち友人が色めき立つ程度にはイケメンで、友人の一番の理解者だ。休日もよく一緒に過ごしている。一緒にゲームを楽しみ、お互いのおすすめの漫画などを交換し、遠慮のない意見をぶつけ合う。こんなに楽なことが他にあるだろうか。この兄と離れ他の人の元へ嫁いだとして、この楽な暮らしを友人は恋しく思うのだろう。この兄を超える存在でなければ、友人が結婚を決意することはない。意味がないからだ。
綾子も同じなのではないか。自然体でいられて、一緒にいると楽しくて、何も心配しなくていい相手が。そう、クソ男がいるではないか。
つまりそういうことなのだろう、と思う。
それは恋ではないのかもしれない。だがこれは婚活の話。恋愛と結婚は違う。結婚は生活だ。
しかしクソ男は幽霊、しかもまだ六話。このドラマが全何話なのか知らないが、この最初から予想できていたラストをにおわせるには中途半端なタイミングだ。ついでにポイズン、お前なんやねん。
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