横尾忠則 寒山百特展
〈横尾忠則 寒山百得展〉
・東京国立博物館
・会期12月3日まで
※以下感想です。
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「この絵、どこかで見たことあるような👀??」
エドゥアール・マネの「草上の昼食」(※写真2枚目)に少し似ているような気がしませんか😊?
私には、彼らがラグの上で秘密のピクニックをしているように見えます。画面奥に見える桃色の空がここが現実ではないことを示唆しているようです。光溢れる草原や青の花畑(池かも?)は桃源郷のようにも、アダムとイブが追放された楽園のようにも思えます。もしかするとこの女性はイブなのかもしれません。
彼女の視線の先にいるのは誰(何)なのでしょうか?
偶然楽園に迷い込んできた人間かもしれませんし、本当に虎が出たのかもしれません。私たち鑑賞者に向けて挑発的な視線を投げかけているようにも見えます。
しかしいずれにせよ彼らのピクニック仲間に入れてもらうことは難しそうです。【Go home】【Beware of tigers】などといかにも忠告するふりをして、この素晴らしい楽園に辿り着いた邪魔ものを追い返そうとしているように見えます。
一方でこの先に足を踏み入れるともう二度と家に帰れなくなってしまうからと、本心から警告してくれているとも考えられます。人間が間違えて迷い込まないよう、ここで門番のようなことをしてくれているのかもしれません。
そう考えると先ほどまで明るい楽園に見えていた絵がどことなく怪しく、右奥の森は樹海への入口のようにも見えてきます。
ラグの鮮烈な赤も、ピクニックには違和感のある色です。赤は横尾忠則にとって生と死を象徴する色。とすると3人は生と死の世界を自由に行き来できる存在なのかもしれません。
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ここまで読んでいただきありがとうございます😊
皆さんには絵の中で何が起きているように見えましたか?
自由に想像を巡らせるのは本当に楽しいです💭
【寒山拾得とは?】
寒山と拾得という、中国、唐の時代に生きた伝説的な2人の詩僧。高い教養を持ちながらも洞窟の中に住み、残飯を食べて腹を満たすなど人目を憚らない自由な振る舞いは禅宗の悟りの境地を表したものとされています。中国・日本において古くから描かれてきた題材を、横尾さんが独自の解釈で再構築した新作102点が公開されています。作品数にちなんで展覧会名は「寒山百特」になったそう。