上野千鶴子さん、この素敵な人と私の決定的な違いを言っていいかい?って誰も興味ないだろうけど(笑)それはねぇ…
上野千鶴子さんの本を読んだのさ。
「こんな世の中に誰がした?ごめんなさいと言わなくてもすむ社会を手渡すために」って本。
イナカで生まれてイナカで終わるかもしれないくらい長くイナカで働いて生息している私は、片っ端からリニューアルして雑貨コーナー増えて本が少なくなる、数少ない地元の本屋で初めて上野さんの本を手に取ったの。
そんで、あ、同じ種類のひとだ、って思って嬉しくなったわよ。おこがましいけど、怒られそうだけど、そう思った。
扱いにくい女の子、から、美人じゃない女、そして、若くもない女、今は歳取ってさらにとっつきにくい女、になってるんじゃないかね。私。うふふ。
たとえば、小学校5年の時、他の子と間違えておでこにたんこぶができるくらい男の先生に叩かれたのは、今思うと日ごろから私の言動が気に障っていたからだと思う。突然つかつかと目の前にやってきてげんこつでおでこを小突いた(たんこぶができるくらいね)のは、憎悪をぶつけたんだろう。
ふざけていて叱られるべきだった子は私じゃなかったから、謝って下さいと言いに行ったら、鼻で笑ってまともに言葉も発しなかったのは、当時40歳くらいの音楽の先生だったな。痛いし悔しいしで泣いたけど、おでこのこぶは親には隠して見せなかったっけ。
間違えて怒られるのはそれを含めて何度もあった。
最初は小学3年生だったかな。学芸会の練習で出番を待ってドキドキしてたとき、隣の男子がふざけていて、かかわりのない私まで一緒にげんこつをもらった。学年主任の女の先生だったな。その時はまだ、謝って下さいと言えるほど成長していなかったから下を向いて唇を嚙みしめてた。
高校の時は近所に中退して遊んでいるちょっと顔が似ている子がいて、多分その子と間違えたんだと思うけど、美術教師のタコ(つるんとして蛸に似てたのでみんなそう呼んでたが当然蛸の方が美しい)に呼びだされて夜にこれこれの服装でどこどこを歩いていた云々俺は何でも知ってるんだぞとねちねち叱られた。その当時ステディな彼氏がいて、学校まで車で迎えに来てもらって四六時中一緒にいたから、絶対私じゃないのだけれど、何度言っても無駄だった。
女を見下して女をいたぶって優越感(快感)を得るのは何も男ばかりじゃない。「おっさん文化が日本を滅ぼす」っていうけど、おっさん、は男ばかりじゃあないの。
例えば、高校2年の時、アホな友達が彼氏とのごちゃごちゃを相談した上に私まで話に出したものだから、呼び出されて話す羽目になった高校の典型的おばさんビジュアルの養護教諭は「男なんてみんな同じだったでしょう?」なんて同情顔で話しかけるもんだから、「え?みんな違いますよ」って言ったら、怒りで震え出したっけ。同調すれば納得したんだろうけど。くだらないの。ほんとに。
男も女もどっちが偉いなんて思ったことがなかった。もっと言えば、私の場合、犬や猫も同列に入っているし。
今思えばなんだけど、父親はサラリーマンで母親が朝から晩まで内職しているような家だったのに、子ども向けの日本名作全集とか、文庫本の世界名作全集くらいは親が揃えてくれたっていう家庭環境が大きかったね。全部は読んでないよ。だけど、本を手に取れる環境に置いてくれたことは親に感謝してる。
だけどね、大人になって教育って分野で働くようになって、そういう分野の長と肩書の付くおっさん方と付き合わざるを得ない立場になってからは特にね、女を見下す見下すとき見下せば見下してあたりまえ…的なくそくだらない社会に生きてることに気づいて生きづらい生きづらい。時々褒めておだてて、それで女は喜んで男の思うとおりに動くと思ってるおっさんの山、いや瓦礫の中で生きてるの。
そして最悪なのは、それをあたりまえとして居心地悪くないしと思って生息している女のなんと多いことよ!(いや、知る限り私以外全員だww)
だけどね、気付いたことがある。
社会に出たての若い子もそうなの。それで居心地がいいの。ってか、疑問すら持たないし、だから意見もない。言われたことだけ言われた通りにやって、褒めてもらってお金貰えればそれで幸せ。
ん?って思うことがあったとしても、そんなことあるわけないと思うし、口にしないし忘れるし。
責任とか無責任なんて言葉は彼らの辞書にはないの。責任なんて負いたくないから、見ないし知らない。そして考えない。
生まれた時から家庭内におっさんがいて、そのおっさんにグルーミングされて社会に出てくればそうなるんだろうなとは察しがつく。
いろいろとね、おかしな事件があるよね。教育の場でさ。事件起こす奴はそりゃ一番悪いけど、そういう環境作ってるのは、違和感に気づいて黙殺するあるいは違和感にすら気づくことができない、そこにいる大人みんななんだよ。
そんでやっと、タイトルの上野千鶴子さんと私の決定的な違いなんだけど、頭の良さは置いといて、「置かれた環境」これに尽きる。
もちろん、生まれた場所とか運とかそんなことじゃなくて「自分で努力して環境を選んで来なかったこと」それが、決定的な違いを生んだと思う。
だけどね、上野さんって光をくれるんだなって思った言葉があったの。
今、手元に本がないから原文じゃないけど、「人生80年としたら60歳から20年あるでしょ。20年って子どもが生まれてから成人するまでくらいの時間があるのよ」的な話。
ああ、そうね!って思った。還暦過ぎたら、若いですね、とか、年なんか関係ないわよって言葉はもう響かないの。老化は本人が一番自覚してるからね。だけどさ、子どもが生まれてから成人するまでって思うと、ただの「時間」じゃなくて成長するための「期間」にできるんだって思っちゃったわけ。
そうやって人をポジティブに生きさせようとする上野さんって素敵。あ、そういうところも違うわねぇ。私、今ストレスと疲労で絶賛体調不良だもん。
でも、上野さんから受け取った光は指先に灯ったから、もう少しがんばるって思ってる。