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兵庫県神崎郡神河町柏尾区に伝わる神河町指定文化財『羽柴秀吉制札』。 経年劣化で表面が黒化しているため墨書の判読が困難ですが、IRシステムによる赤外線撮影によって「天正八年 二月十ニ日 藤吉郎(花押)」の墨書もはっきりと確認できました。 ■文化財所有者:兵庫県神崎郡神河町柏尾区(兵庫県立歴史博物館寄託) ■撮影者 :兵庫県立歴史博物館 ■撮影協力 :OMデジタルソリューションズ株式会社
江戸時代に使用されていたお触書の高札。 長期間掲示されていたため、表面の墨はほぼ剥落し、墨の塗ってあった部分と塗っていなかった部分の風食(浸食)差によって、文字のあった部分は微妙な凹凸しか残っておらず、肉眼・通常撮影で観察するのは困難です。 赤外線の光を『高札』の真横から照射し、赤外線の反射光をIRシステムで撮影することによって、微妙な凹凸の内容が鮮明に見えるようになりました。 ■撮影協力:赤穂市教育員会
江戸時代に使用されていた、染物の文様を付けるための『染形紙』。 通常の撮影では、形紙の材料として使用されている反故紙に記載されている墨書の内容を確認するのは困難です。 赤外線の光を『染形紙』の下から照射し、赤外線の透過光を撮影することによって、反故紙に記載されている墨書の内容が鮮明に見えるようになりました。 ■撮影協力:赤穂市教育委員会
有年原・田中遺跡から出土した弥生時代後期(約1,800年前)の『弥生土器』。 土器表面には煮炊に伴うススやコゲがみられるが、通常の撮影では汚れや黒斑と見分けが困難です。 IRシステムの赤外線撮影により、汚れや黒斑と見分け難いスス・コゲの状態が正確に記録でき、なおかつスス・コゲ下の調整と呼ばれる作業の跡も観察しやすくなりました。 ■撮影協力:赤穂市教育委員会
刀田山鶴林寺(兵庫県)にある平安時代に建てられた【国宝】太子堂の中には、灯明のススで黒く覆われてしまい、肉眼では確認することが困難な”壁画”があります。 これらの壁画は赤外線撮影によって詳細確認できることが判明しています。 今回、IR システムの特長である“三脚ハイレゾショット”を用いることで、高精細な赤外線画像を取得できることが確認されました。 ■撮影協力:刀田山鶴林寺 特定非営利活動法人フィールド
刀田山鶴林寺(兵庫県)にある平安時代に建てられた【国宝】太子堂の中には、灯明のススで黒く覆われてしまい、肉眼では確認することが困難な”壁画”があります。 これらの壁画は狭小空間の太子堂内にあり、 大面積の壁画『仏涅槃図』の全体を撮影するのは困難となります。 今回、小型・軽量のIR カメラの特長を活かし、大面積の壁画全体を1枚の高精細な赤外線画像にすることができました。 ■撮影協力:刀田山鶴林寺 特定非営利活動法人フィールド