見出し画像

名古屋城南波止場発掘調査で、新たに石列と木杭発見


名古屋城総合事務所は、24/8/17(土)に南波渡場発掘調査の現地説明会を開催しました。

https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/.../20240801_4395.html

以前から確認されていた石列④より南側に石列3つ①②③が発見され、石列④の下段に木杭3本と板1枚が確認されました。

丁場割図の「堀の仕切り」に該当する可能性のある石組は今回の調査では検出されませんでした。

・配布資料

 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240817.pdf

今回、発掘作業現場ならびに搦手馬出石垣の積みなおし作業現場に入ったため、全員ヘルメットをかぶって現地見学を行いました。

--------

名古屋城調査研究センターは、2019年4月に設立されました。

https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/center/

名古屋城の様々な発掘調査、史料調査がなされています。

今回の現地説明会参加者が、「城主は、危急時には二之丸西側にある埋門を降りて南波止場から舟にのり、対岸の北波止場について土居下を通って大曾根方面に逃げると聞いたが」と述べたところ、調査研究センターの学芸員らしき人が「上記は御土居下同心の口伝でしかなく、文献がほぼ残っていないためはっきりしたことはわからない。

二之丸から東側を通れば陸続きで対岸の北波止場方面に行ける。北波止場がある下御深井御庭(現在の名城公園)には特に防御施設がなく、危急時に下御深井御庭を敵が占領したら、脱出経路にはならない」という説を述べました。



↑下から見た埋門



↑上から見た埋門



↑埋門の説明

また、北波止場の近くには「御船蔵」があり、通常は北岸に船があり、何らかの方法で南に船を呼び寄せたとも話がありました。



↑北波止場があったと思われるところ(対岸)

今回搦手馬出石垣の積みなおし作業現場も近くで見ることができました。



↑搦手馬出積みなおし作業中(赤白棒より奥)

学芸員から「二之丸側には説明板があり、全体がよく見える」と話を伺ったため二之丸に行くと、積みなおし作業の全体がよくみえました。

2024/8/10-18は名古屋城夏祭りが開催されており、多数の来城者でにぎわっていましたが、残念ながら二之丸には、話を聞いた現地説明会参加者しかいませんでいた。



↑搦手馬出積みなおし工事全体




↑案内板



↑参考 搦手馬出石垣に使われる現代工法「ジオテキスタイル」

二之丸庭園にある栄螺(さざえ)山は、生い茂った草木や流された土砂によって姿が隠れていましたが、2017年修復整備工事を経て昔の姿が見られるようになったとのこと。

御茶屋「余芳」仮設作業小屋もありました。



名古屋城に関しては、まだまだ調査のしがいがあるのではないでしょうか。

北波止場があった下御深井御庭(現在の名城公園)は埋蔵文化財包蔵地に指定されておらず、発掘調査もされていません。

2025年夏には、名城公園北側に愛知県新体育館がオープンする予定です。

https://ig-arena.jp/

その後現愛知県体育館がどうなるかは不明です。

名古屋城調査研究センターによるさらなる調査、ならびに市民への調査成果の還元を求めます。



↑草に隠れてあるのかないのかわからない石垣


↑草に隠れて見えない、西の丸御蔵城宝館



↑2024/6/22-8/31はガイド休止

2024/8/15 17時に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)に伴う政府としての特別な注意の呼びかけの終了したからか、特に「万一に備えて石垣や建物からは距離を取ってご観覧ください」看板は見つかりませんでした。



↑石垣部会から危険だといわれている「鵜の首」。通常通り通行できました。

------

2021年8月 名古屋市 

愛知県体育館移転関連工事説明会にていただいたご意見等について

https://www.city.nagoya.jp/.../0000143/143848/kohyo.pdf

ご意見等 現在の愛知県体育館撤去後の跡地計画は、県民、市民の意見を取り入れてほしい。

県市の 考え方 (市)愛知県体育館撤去後の跡地利用につきましては、「特別史跡名古屋城跡保存活用計画」において、二之丸御殿・向(むこう)屋敷の復元整備や地下遺構の表示など特別史跡にふさわしい整備を行い、往時の空間を偲ぶことができる場にしていくものとしています。

具体的な整備等の内容につきましては、今後発掘調査などを行った上で検討していきたいと考えていますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

----------

2024/8/17 中日新聞

 『名古屋城・天守木造復元の落とし穴』出版の毛利和雄さん寄稿 現行天守の活用 再検討を 「令和の城郭」あくまで複製

-------

・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ

 http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 

・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題

 https://ombuds.exblog.jp/i33/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?