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地域による報酬格差は違憲!裁判官の独立と良心を守る訴訟 第1回口頭弁論

「地域による報酬格差は違憲!裁判官の独立と良心を守る訴訟」をご支援いただき、誠にありがとうございます。

24/10/16(水)、「地域による報酬格差は違憲!裁判官の独立と良心を守る訴訟」第1回口頭弁論が名古屋地裁で行われたことを報告いたします。(令和6年(行ウ)53号  名古屋地裁民事1部合ロC係 労働部合議 )

・口頭弁論終了後の記者会見+報告集会の動画

事前に傍聴整理券が配布されるほど注目された本訴訟の前に名古屋地裁前で行った入廷行動には、代理人弁護士、支援者など40名近くが集まり、各自治体の地域手当割合が書かれたプラカードをもって行進しました。

この裁判は、地方への転勤により、給与が大幅に減額されてしまった現職の裁判官が自ら原告となって国を訴える裁判です。

原告側の第1準備書面、意見書や、被告国側の答弁書、乙号証は下記ページの「訴訟資料」で読めます。

https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000136

訴状の要旨の陳述の後、原告の竹内浩史裁判官(津地裁)による準備書面1の陳述が行われました。

本件訴訟を提起するきっかけは、①母校での講演 ②書籍の執筆 ③裁判官弾劾裁判所での証言 だけでなく、
①弁護士任官者が名古屋地裁豊橋支部に異動した途端に依願退官したこと
②同期の裁判官全員が高裁部総括以上になったのに津地裁部総括留任(4年目)
③2024年が地域手当見直しにもかかわらず、最高裁から意見を求められなかったこと だ。
2024年4月に提訴予告記者会見をしたところ、予想以上に広く報道され、国家公務員だけでなく地方公務員や地方公共団体の施設利用者まで反響があり、民間も含む賃金一般の地域格差まで及ぶことが分かった。今後、なぜ露骨な昇格昇給差別をしているのか、関係した裁判官に直接問いただしたい、と述べました。

続いて、代理人の新海聡弁護士が意見書を陳述しました。

原告の竹内浩史氏は2003年に裁判官に任官するまで、名古屋市民オンブズマンのメンバーとして多くの住民訴訟に携わってきた。
とりわけ、愛知県議会議員選挙と名古屋市会議員選挙の投票価値の不平等を理由とする選挙無効訴訟は、自らを原告として、憲法的価値が実現されていないことを、裁判所を通じて正そうとする強い意志のもとに訴訟を提起した。
「いつか、だれかがこれを正すことを期待して待つ」のではなく、「自らが制度を用いることで是正しよう」という市民オンブズマン活動の考え方を本訴訟は体現している。
他にも、上下水道工事の談合住民訴訟、名古屋市議会「部会」住民訴訟などで、1990年代後半に行政の透明化を一気に進める原動力となった。
本訴訟は、現職の裁判官が最高裁を訴えたことが注目されているが、ことの本質は、「この訴訟が提起されるまで、誰も声をあげようとしなかった」ことにこそ注目されることだ。
審理を担当する裁判官のみならず、全ての市民について共通の課題が提起されている。

弁護団長の水野幹男弁護士も意見書を陳述しました。

竹内浩史さんが1987年司法修習終了後に名古屋南部法律事務所に入所したが、修習生を指導する担当裁判官から「竹内君のような優秀な人がなぜ名古屋南部法律事務所に入所したのか」とうらやましがられた。
竹内さんは、一般民事事件のほか、過労死労災認定訴訟、昇給差別事件で勝訴判決を獲得してきた。公害訴訟の弁護団にも参加した。
名古屋弁護士会の刑事弁護委員会に所属し、接見交通部会の部会長として活動し、弁護士会の中でも高く評価されたため、弁護士会から任官者に推薦されることにつながったと思う。
竹内さんは、中部弁護士連合会の弁護士任官適格者選考協議会に対し、「良心に従い、弁護士任官にふさわしい裁判官として裁判所に新風を吹き込み、司法への国民の信頼を確立したい」と回答している。
竹内さんは、大分地裁でブログをめぐり所長から査問を受け、大阪高裁では裁判長から「ブログを続けるのか」と言われるなど、最高裁はブログに対する締め付けを強めている。私は岡口裁判官の弾劾裁判での竹内さんの弁護側証人としての証言を聞いて、遅まきながら裁判官が言論・表現の自由を奪われ、ブログすら発信することが事実上困難な状態に置かれていることを知った。
最高裁による竹内さんへの極端な差別処遇は、日本裁判官ネットワークの中心メンバーとして活動していること、2006年3月から実名のブログにより外部への発信を続けていることと考える。

次回第2回口頭弁論は、2025年2月19日 (水) 10:30~11:00(予定)名古屋地方裁判所・1号法廷で行われます。

2月19日(水)口頭弁論終了後(11時頃)、記者会見と報告集会を予定しています。(会場は決まり次第記載します)

その後の記者会見場には15名の代理人弁護士以外にメディア関係者、支援者など50名近くが集まり、満員となりました。



会場でのカンパも21000円集まりました。(CALL4とは別途、銀行口座に入れます)



裁判官にも労働基本権が存在すると述べる、中谷雄二弁護士



司法修習23期は弁護士任官7人拒否された、同じ時期に宮本裁判官も再任拒否されたと述べる、山田万里子弁護士



100万円を目標に訴訟費用のクラウドファンディングを行っていると述べる、事務局長の北村栄弁護士
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000136



24/12/14(土)10時~ 英国から藤田早苗さんを招いて学習会「国際人権から見た裁判官の独立」(KKRホテル名古屋)への参加を呼びかける北村栄弁護士
https://ombuds.exblog.jp/30499918/


・名古屋市民オンブズマン 地域手当問題
 http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/takeuchi/index.htm
・地域による報酬格差は違憲!裁判官の独立と良心を守る訴訟
 https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000136
 
以下報道まとめです。

2024年10月16日(水) 16:37 CBC
「地域手当に格差があるのは不当」現職裁判官が裁判で訴える 名古屋15% 津6%
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/cbc/1492128?display=1

2024年10月16日 19:09 名古屋テレビ
津地裁の現職裁判官が国に賠償求めた裁判始まる 国は請求の棄却求める
https://www.nagoyatv.com/news/?id=026905

2024年10月17日 8:07 中京テレビ
現役裁判官が国を提訴 「地方転勤で報酬減は違憲」訴え 国は全面的に争う姿勢 名古屋地裁
https://news.ntv.co.jp/n/ctv/category/society/ctf4f17fa929a34f20b99614a0b1422032

2024年10月16日 19時35分 朝日新聞
裁判官は「ブラック職場」 地域手当めぐる訴訟、原告の判事が陳述
https://www.asahi.com/articles/ASSBJ349DSBJOIPE028M.html

2024年10月16日 18時26分 (10月16日 18時32分更新) 中日新聞
裁判官地域手当は「報酬に含まれず」と国側 口頭弁論で請求棄却求める
https://www.chunichi.co.jp/article/972670

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