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横浜市の情報公開手数料改定に対する抗議声明

名古屋市民オンブズマンは、23/2/16に「横浜市の情報公開手数料改定に対する抗議声明」を発表し、横浜市長宛に郵送しました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/230216.pdf


横浜市の情報公開手数料改定に対する抗議声明
2023年2月16日
団 体 名 名古屋市民オンブズマン 代表 新海 聡
 今般、「横浜市の保有する情報の公開に関する条例」の一部改正がなされ、電磁的記録の写しの交付に係る手数料の額が「従量制」とされた(2023年4月1日施行予定)。これは、従前は記録媒体の実費相当額のみであった費用に、「1ファイル210円」「1頁10円」の手数料を加算するとするものであり、これにより、交付を受ける市民の負担が著しく増大することとなる。また、複写の過程で頁ごとのスキャン等の作業を要しない場合にまで「1頁10円」の手数料を徴収するものであって当該事務に要する経費が勘案されるべき手数料の趣旨にも反するものである。
 こんにちでは、行政文書につき、国は公文書を電子データで作成・取得し、これを正本として保存・管理することを原則としており、地方公共団体においても電子データ化が進んでいる。こうした行政情報のデジタル化は、行政内部の便宜の観点だけでなく、従来の、請求にもとづく情報公開から,誰もがいつでも政府の情報にアクセスすることができるオープンガバメントのためのインフラストラクチャーとして期待され、位置づけられている事は、世界の常識である。ところが、横浜市の条例改正は、情報のデジタル化による開示コストの飛躍的軽減や文書管理の簡素化に逆行するだけでなく、オープンガバメントの創設という、今後の行政と市民との関係の芽を摘む制度と言わざるを得ない。ここには、行政情報を知ることが、いまだに市民にとって特別な制度であり、そのための費用を支払った者だけが情報に知ることができる、という旧態依然とした発想がみてとれる。

 私たち市民オンブズマンは、情報公開制度のヘヴィーユーザーとして、1990年代半ばから地方公共団体等の様々な情報を公開し、その不正・不当な行為の監視、是正の活動をおこなってきた。こうした活動によって、情報公開制度の重要性が地方公共団体にも理解され、緊張と信頼とで結ばれる市民と行政との新たな関係も、鳥取県など一部の自治体で生まれ始めている。しかし、横浜市の改正条例には、そうした市民との関係性に対する期待も展望もない。改正条例は、情報公開請求する市民を相変わらず敵視する20世紀的な時代遅れの発想に貫かれたものであり、2023年の段階で、全国的にも類を見ない悪条例と言わざるを得ない。
以上の点から横浜市に対し、上掲条例手数料規定の撤回を私たちは求める。
以上


全国市民オンブズマン連絡会議 情報公開特集
https://www.ombudsman.jp/rank

名古屋市民オンブズマン 情報公開条例
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/jouhou/index.htm

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