中津川市消防デジタル無線談合住民訴訟 約710万円請求命令 岐阜地裁
名古屋市民オンブズマンが原告代理人となった中津川市消防デジタル無線談合住民訴訟で、岐阜地裁は23/3/27に沖電気工業と中央電子光学に対し、710万1265円(契約額の1.58%)の請求命令を出しました。
原告代理人は「業者の責任を認めた点は評価するが、損害認定額が低く、談合抑止効果がない」として控訴する予定です。
・岐阜地裁判決
http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/230327.pdf
・消防デジタル無線談合 和解・訴訟状況一覧(2023.3.27現在)
全国市民オンブズマン連絡会議調べ
http://www.ombudsman.jp/dangou/musen/230327.pdf
岐阜県内6自治体(岐阜市、下呂市、山県市、中濃消防組合、揖斐郡消防組合、中津川市)を対象として18/5/28に一斉に住民訴訟を起こしましたが、中津川市以外の5自治体は沖電気と中央電子相手に訴訟を起こしたため、住民訴訟は取り下げました(その後いずれも自治体は和解済)。
代理店で契約当事者である中央電子の責任、ならびに損害額が争点となりました。
岐阜地裁は以下述べました。
・中央電子と沖電気との間で、本件入札に先立ち、中央電子の入札価格を踏まえて沖電気の入札価格を定めるという形での入札価格の調整があったと認めることができる。
・中央電子は、中津川市に対し、契約約款に基づく違約金(10%)を支払うべき義務を負わない。
・損害額は、現実の落札率と、個別調整が行われなかった場合の想定落札率の差によって算出できる。
・想定落札率は、機器の購入とその整備のいずれも含む契約、かつ既設指令台のメーカーが沖電気製のもののみを参照すべき
・原価より低い価格で落札している可能性があるため、想定落札率は実際の落札率が80%以上のものに限定して抽出すべき。
・実際の落札率(94.93%)と、上記で算出された平均落札率(93.74%)の差が1.19%を前提に、現実の落札率と想定落札率の差を1.5%と認めるのが相当。
名古屋市民オンブズマンの新海聡弁護士は「実際に談合を行った沖電気だけでなく、代理店の中央電子の責任を認めた点は評価する。
しかし、想定落札率算出に際し『実際の落札率が80%以上のものに限定する』理由はない。これではわざわざ業者が談合する理由がない。
岐阜地裁が認めた損害認定額はあまりにも低いため、談合抑止効果がない。控訴して反論したい」と述べました。
全国市民オンブズマン連絡会議 デジタル無線談合ページ
https://www.ombudsman.jp/dangou
名古屋市民オンブズマン 談合問題ページ
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/dangou/index.htm
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