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千田教授「現名城公園地下には、兼六園に匹敵する庭園が埋まっている」

24/8/10(土)に名古屋市立大学寄附講座(近世名古屋学)「名古屋城と庭園―日本の歴史と文化の象徴―」が開催されました。
千田嘉博・名古屋市立大学教授は「現名城公園地下には、兼六園に匹敵する庭園『下御深井御庭』が埋まっている。名古屋市は名城公園を埋蔵文化財包蔵地に指定し、発掘調査のうえ、水堀と江戸時代にあった大庭園空間を舟に乗ってだれでも体感できるようにしてもらいたい」と述べました。

・24/8/10 令和6年度名古屋市立大学寄付講座(近世名古屋学)「名古屋城と庭園 日本の歴史と文化の象徴」
 名古屋市民オンブズマンによるメモ(途中から パソコン故障のため概要)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240810-1.pdf
 (配布資料は特にありません)

今回定員は800人でした。会場は8割がた埋まっていました。
担当者に聞いたところ「応募者数の具体的数字は言えないが、応募があった人全員に当選連絡をした」とのこと。
写真撮影・録音録画は禁止されました。

はじめに堀内亮介・名古屋城調査研究センター学芸員から、二之丸庭園と下御深井御庭について、最新の発掘調査と絵図調査の成果が発表されました。
堀内学芸員は「二之丸庭園は、藩主が日常過ごす内向きの場。下御深井御庭は藩主が狩猟、舟遊びを行い、接待も行った。焼き物も焼いていた。殿様のための憩いの場だった。
名古屋城には兼六園、後楽園に匹敵する庭があった」と述べました。

続いて千田教授は「戦国時代、京都に税金を納めなくなってから、各地で庭を作るようになった。大名にとって庭は重要な場となった。
『会所』という建物から庭園を眺めた。
名古屋城の下御深井御庭は広大だったが、現在、北側は新愛知県体育館、東側は愛知学院大学等ができて壊滅した。
ただ、現在の名城公園の地下には、庭園や池の中心部分など、大事なところは残っているはずだ。
兼六園、後楽園とほぼ同じ大きさがある。
金沢城では、兼六園より古い時代に作られた『玉泉院丸庭園』があったが、1970年に石川県体育館を建てた。
2020年、体育館移転に伴って発掘調査を行い『玉泉院丸庭園』をよみがえらせた。
愛知県は新愛知県体育館建設に伴って発掘調査を行い、埋蔵文化財を見つけた。
にもかかわらず名古屋市は、名城公園を埋蔵文化財包蔵地に指定していない。
下御深井御庭を元通りに整備するかは政治的決断力が必要だが、まずは遺跡を守るべきだ。
巨大庭園を再現し、誰でも体験できれば、名古屋に住んでいると自信をもって言えるようになる」と述べました。

続いて、原史彦・名古屋城調査研究センター副所長補佐と、鈴木昌哉・中土木所長(前名古屋城保存整備室長)と千田教授による対談が行われました。

原副所長補佐は「名古屋城に二之丸庭園があることを、多くの人が知らない。ましてや名城公園に下御深井御庭があったとはほぼ知られていない」と述べました。

千田教授は「名古屋城は、天守、石垣、本丸御殿が人気スポットだが、御庭が忘れられている。本来の実力を発揮していない。」と述べました。

鈴木所長は「名古屋市は何もやっていないわけではない。
二の丸庭園の北池の東側半分は陸軍に壊されたと思われていたが、発掘調査を行なったらきちんと護岸が残っていた。
池の中の飛び石も絵図の通りに残っていた。それで二の丸庭園つくっていこうとなった。
文化財は『保護』と『活用』と言われているが、文化財の『活用』とは、『正しく知ってもらうこと』である。見えてない文化財、発掘する意義はある。
『公園』は明治の初めに太政官布達で『万人偕楽ノ地』と定められた。
『庭園』は大名の屋敷で自然の縮図として作られた。庭園は庭園が主役。」と述べました。

原副所長補佐は「名古屋城(本丸・西之丸・御深井丸)は1930年に宮内省から名古屋市に下賜され、1931年に市民に一般公開した。市民に開放されて93年がたつ。
にもかかわらず、二之丸庭園は特に旅行会社に知られず、ほぼ行かれない。
名古屋城滞在時間は平均1時間-1時間半だ。
金沢城も以前は金沢大学があったが移転し、現在は滞在時間が伸びた」としました。

千田教授は「二の丸庭園にある栄螺山はさくやひもでくくられている。
特別の許可を得て登ると、全然景色が違う。活用方法を考えてほしい。
また名古屋城総合事務所は、現在水堀を舟でめぐるルートを研究しているが、それだけなら他城でも行っている。
発掘調査の結果、二之丸側に殿様が舟に乗った発着口があったことが分かった。堀の西側にも舟を止めた波渡場があった。
従来なかった北側、西側、東側の水堀と大庭園空間を舟に乗りながらだれでも体感したい。
今日この会場に来た人は、全員下御深井御庭の復元に賛成した」と述べました。

参考:金沢城公園 玉泉院丸庭園
 https://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kanazawajou/gyokusen-in/


今後の予定

・24/8/17(土)名古屋城南波渡場発掘調査現地説明会
 https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000176758.html
・24/8/19(月)10時半~ 河村たかし市長定例会見
 https://www.youtube.com/user/nagoyakoho758
・24/8/22(木)15時~ 令和6年度第2回名古屋市人権施策の推進にかかる有識者懇談会
 https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2024/sportsshimin/0000177573.html
・24/8/24(土)14時~ 名古屋城天守の有形文化財登録を求める会 例会
 https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
・24/8/24(土)18時半~ 特別対談企画「名古屋城論争の落とし穴」
 https://nameken.theletter.jp/posts/b4b95b80-512a-11ef-8fa5-55afc9e57ab8
・24/9/6(金)13時半~ 第1回名古屋市障害者施策推進協議会(市公館)
 https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2024/kenkofukushi/0000177462.html
・24/9/8(日)14時~ 名古屋城検定 教養講座
 城郭建築の第一人者 三浦正幸氏 講演会「日本城郭史の到達点、名古屋城。」
 https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000176066.html
・24/9/11(水)13時半~ 令和6年度第2回名古屋市障害者差別解消支援会議(市公館)
 https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2024/kenkofukushi/0000177421.html
・24/10/2(水)18時~ 静岡×名古屋の城(静岡市清水文化会館)
 https://www.nagoya-cu.ac.jp/event-list/20240801/

・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
 http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 
・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
 https://ombuds.exblog.jp/i33/


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