しなやかな事業成長をする組織は、社員が自分の言葉で”自社らしさ”を語れる
新入社員の定着と早期戦力化を支える、オンボーディングクラウドサービスを開発・提供するOmboと申します。今回のnoteでは、企業のカルチャーやMVVについての内容を投稿していきます。
社員が自分の言葉で”らしさ”を語れる
この記事でお伝えしたいことは、タイトルの通り、無意識で感じている ”自社らしさ” まで言語化させて初めて、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を含む企業カルチャーがしなやかな事業成長へと繋がるということです。
例えば、「この仕事はトヨタっぽいですよね」という、いわゆる◯◯っぽい、◯◯っぽさなどの暗黙の共通認識のことを指します。
昨今、従業員のエンゲージメントを高めることを目的に、企業理念・MVVを見直す企業が増えていますが、現実では、MVVの策定自体がゴールになってしまっていることがあります。真に重要なのは、”自社らしさ”(”自社っぽさ”)を、従業員が語っている状態にまで落とし込めているか、ということです。
企業カルチャーは3階層で表現できる
そもそも、企業カルチャーとは、氷山に例えられる組織文化の「全て」を指し、MVVは、その一部を指します。
表層にあるルールや制度(通常の仕事業務)の下にMVVがあり、さらにその下に「暗黙の共通認識」すなわち、無意識に感じている自社”らしさ”や自社”っぽさ”(=前提にしている考え方)があります。自分たちから見たら当たり前だけれども、外から見たら少し”異様”な文化や考え方など、皆さんの会社にもそうした、普段語られないが、考えてみれば言語化できる「暗黙の共通認識」があるのではないでしょうか。
カルチャーが言語化されていないとどうなる?
こうした企業カルチャーが言語化されていない場合、例えば以下のような領域で影響が出てきてしまいます。
◇採用:採用プロセスにおいて、カルチャーフィットを正確に評価することが困難になる。面接担当は自分の思うカルチャーフィットで評価するため、面接官同士で目線が合わなかったり、印象で採用してしまったりする。結果、新入社員の早期離職率が高くなる可能性が考えられる。
◇育成:自社らしさを仕事のスタンスや進め方・考え方にまで落とし込めていないと効果的な育成が難しくなる。事業の目指す方向性や期待する行動様式が明確でないため、社員が自身の役割や責任を正確に理解し、必要なスキルや知識を身につけることが困難になる。自社のカルチャーを体現する人材に育ってほしいはずだが、そこが不明確のため、究極的には「成果を出した人=偉い」という状況になってしまい、組織ではなく属人的なカルチャーが生み出されてしまう。
◇成果:カルチャーが社員にとって不明瞭であると、仕事に対する意義や目的が見出しにくくなり、エンゲージメントやモチベーションの低下に繋がる恐れがある。カルチャーが組織全体に浸透していないと、チーム間の協力がスムーズに行われず、プロジェクトの遅延や失敗に繋がるリスクも高まってしまう。
カルチャーが言語化されていないことが徐々に組織に歪みを生み、、やがて大きな影響(売上低下、離職など)へと発展してしまう可能性が高くなる。
新入社員から自社社員への転換
新入社員が「◯◯さん、それってうちらしい仕事じゃないよ」と言われても「はて、、?」となってしまいますが、時間が経つうちに「あぁ、言われたこと+αの仕事をするというのがこの会社で取るべきスタンスなのか」と分かってきます。
かえって、入社して数週間〜1ヶ月程度の新入社員が、「私たちの会社って、◯◯っぽいですよね!」と意気揚々に語っても、長年働いている既存メンバーからしたら、「本当にわかっているのか?」と疑問を持つかもしれません。
つまり、カルチャーや自社らしさを語れるようになるには、一定期間の時間軸を要します。
そこで新卒・中途問わずに、入社オンボーディングのプロセスを通して、カルチャーを浸透させることが非常に重要となります。働き方・価値観の共有や、人間関係の構築を通して、先輩社員から新入社員へ、”らしさ”を語る機会を設けることで、「新入社員」という枠から「自社社員」へと転換していきます。ただ、一朝一夕にこうした転換が実現することはなく、半年程度の期間、浸透のためのプロセスを要するのではないかと考えます。
“らしさ”を浸透させるための3step
従業員が自身の言葉で”らしさ”を語ってもらうために必要なプロセスを、3stepで書き出しています。
「3」を意識した制度/ルールや場を設ける
キーパーソンと実践する
現場社員に”らしさ”を語らせる
社員が自社らしさや、自分がそこで働いている意義を語れている状態が理想の状態になります。そこで、「現場社員に”らしさ”を語らせる」ことを目的に、皆さんが場を設けます。例えば、オフサイトミーティングや、ウェルカムランチ・歓迎会など通常業務から離れて、「自社を語る場」を設けることをおすすめします。まずは社内のリーダーをキーパーソンとして協力してもらいましょう。
しなやかな事業成長の実現のために
今回のnoteでは、自社らしさの言語化と企業カルチャー、MVVについて発信してまいりました。「MVVを策定して終わり」ではなく、実際の現場や、オンボーディング施策にまで落とし込むことが非常に重要となります。ぜひ自社の参考にしていただけたら幸いです。
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