5分でわかるオンボーディングのはじめ方!
新入社員の入社後の定着と早期戦力化を支える、オンボーディングクラウドサービスを開発・提供するOmboと申します。今回のnoteでは、オンボーディングのはじめ方について投稿をしていきます!
オンボーディングとは?
そもそもオンボーディングとは、新しく組織に加わった新入社員(新卒・中途)が、組織になじみ、定着・戦力化するための一連のプロセスのことです。
オンボーディングが注目される背景として、近年の労働環境の変化が挙げられます。
新卒採用者の3年以内の離職率は30%を超えており、早期離職が大きな問題となっています。離職の原因は労働条件や人間関係、成長機会の不足など多岐にわたりますが、これらに対処するためにも、自社に合ったオンボーディングプロセスを整備することが非常に重要です。
オンボーディングを構成する要素
オンボーディングは、一般的に、以下3つの要素で構成されると言われます。
Welcome(迎える)
Inform(情報を与える)
Guide(導く)
例えば、入社前のウェルカムメールや既存社員との交流の場を設けるなどの「迎え入れ」コンテンツ、会社見学や研修、上司との時間など「情報を与える」場、メンターや相談窓口を作り「導く」機会を提供するといった施策です。
以上の3つの観点が重要と言われ、新入社員を一定の期間でフォローできる体制を整えます。
オンボーディングプログラムの作り方
オンボーディングプログラムを作成するにあたり、以下3ステップの順に進めることができます。
Step1:ゴールを決める
最初に経営陣・人事・事業部含めゴールの目線合わせを行い、「オンボーディングの概要」を決めます。
オンボーディングの概要例としては、以下のような内容です。
・所要期間(例:3ヶ月で)
・テーマ(例:新入社員が独り立ちできる状態を目指す)
・関連組織(例:人事と事業部から選出し5名のチームを作る)
・振り返り(例:オンボーディング実施後アンケートを行い改善する)
Step 2:コンテンツをつくる
Welcome、Inform、Guideの3要素を踏まえ、”できるところ”からはじめます。初めから完璧を目指す必要はありません。これまでオンボーディングを実施してこなかった企業でも、まず「全く何もない現場主義」の状態からは脱却しましょう。その次に、3要素を踏まえて、網羅性のある取り組み状態を目指せば大丈夫です。
Step 3:実践と振り返り
オンボーディングは、実践と振り返りが非常に重要です。プログラムを実施した後は、人事や研修担当者が、目的に対して効果があったのかをきちんと振り返ります。このプロセスが、新入社員の定着に繋がります。”やりっぱなし”にならないようにしましょう。
オンボーディングプロジェクトチームの作り方
新入社員の受け入れ体制を強化し、早期戦力化を実現するためには、組織全体でオンボーディングに着手することが求められます。推進プロジェクトのチームの作り方をご紹介します。
【全体の流れ】
1. 新入社員の受け入れがある事業部/チームから代表メンバーを招集
2. 現在の新入社員を受け入れで生じている問題を分析
3. 理想の状態・目的の設定
4. 打ち手をブレインストーミングしきり、優先順位をつける
【チーム例】
・管掌役員(責任者)+ プロジェクトメンバー
【メンバーの選出基準イメージ】
・自分の仕事で成果を出している
・アサインしても仕事の余裕がある
・組織に対して改善の意欲がある
【プロジェクトメンバー同士の関係性】
・フラットであること
【メンバー選出時の注意点】
・あまりメンバーが多すぎない方が良い(各事業部/チームから1名ずつ)
・マネジャーが多すぎない方が良い(権限委譲がしっかりできるチーム組成)
ある企業の具体的な進め方例
とある企業における、スケジュール感に沿った具体的な進め方を例に出します。
①プロジェクトの発足
会社内の半期の全体ミーティングに合わせて、オンボーディングプロジェクトを発足しました。
▼キックオフミーティングのアジェンダ例
・目的設定
・現状の問題の仮説設定
・おおよそのスケジュール感を決定(2ヶ月後の新入社員へ照準)
・ネクストアクション・運用の決定(毎週30分の定例ミーティングを設定)
なお、このミーティングは、事業進捗や委員会の立ち上げなど全員が参加し事業に向き合うオフサイトミーティングでの出来事とのことです。オフサイトミーティングでは、PCを閉じ、皆が本音で話し合える環境を作り出しました。
②定例MTGの実施
設定したタスクをオーナー(担当者)が実施し、アクション結果を共有していきます。
▼プロジェクトのタスク例
・現場ヒアリング
・アンケート実施
・他社のオンボーディング(研修等)のリサーチ
・社内リソースの整理
・人事との連携
③暫定のオンボーディングプログラムシートが完成
上記から1ヶ月後、敲きとしてオンボーディングの研修コンテンツを揃えた暫定のシートが完成します。
コンテンツ過不足や現場での工数を確認するため、現場マネジャーとOJT担当とのすり合わせを実施。そして、オンボーディングチーム・現場・人事にて、研修等に対する役割の棲み分けを実施します。
④新入社員の入社後に試運転
③までが完成すれば、もともと照準にしていた新入社員の受け入れタイミングにて、実際の運用を開始します。プログラムに沿いながらも、継続して改善活動を行っていきます。
入社前2週間ほど前から、社内周知・カレンダー設定・メンターとのすり合わせ・事務的なタスク等を実施します。
以上が、オンボーディングプロジェクトチームの作り方です。
事業成長のためのオンボーディング
ここまで具体的なオンボーディングプロジェクトの進め方を説明しました。改めて目的に立ち返ると、オンボーディングに着手する目的は、新入社員が組織になじんだ上で、定着・戦力化することです。
つまり、新入社員の成長と会社の事業成長が結びついていなければ、極論、やる意味がないとまで言えるかもしれません。その上で重要にしたい観点は、以下2点です。
(ⅰ) 事業部を横断した「共通のゴール」で会話すること
組織運営があまりうまく進んでいない企業にありがちな事態として、経営・現場・人事での各事業部が主張が異なってしまう、ということがあります。こうした事態からは避けなければなりません。
そのためにも「共通のゴールに紐づいた枕詞」を使うことをおすすめします。各事業部で進めている業務や施策が、会社における部分最適でなく、全体最適になることが非常に重要です。
オンボーディングを進める上でも、オンボーディング自体が独立した施策にならないようにしましょう。現場での戦力化を通して、事業部の目標達成にいち早く繋げることが大事です。事業部を横断した共通のゴールと紐づけられるよう意識しましょう。
詳細は、こちらのnoteをご覧ください。
(ⅱ) 無意識で感じている会社のカルチャーや”自社らしさ”を大切にすること
「MVV策定」ということで実施している会社も増えていますが、「策定して終わり」の状態になってしまうことが多々あります。
しかし、MVVの下層には、より根源的な”その会社らしさ”(=暗黙の共通認識)があります。この”自社らしさ”を従業員自身が語れるようになっているかどうか、が、その組織のしなやかさを測る上でキーになるポイントです。
オンボーディングの研修コンテンツの中でも、そうした従業員が”自社らしさ”を語れる場を、意図的かつ積極的に設けていくことが、事業成長のためのオンボーディングに繋がります。
詳細は、こちらのnoteをご覧ください。
オンボーディング取り組みチェックリスト
最後に、これからオンボーディングへ取り組もうとされる方に向けて、チェックリストを作成しました。
✔️ プロジェクトチームの組成
現場だけではなく管掌する役員/部長がついているか
各事業部からメンバーが選出されているか
共通の目的が定まっているか
プロジェクトメンバーの意向だけでなく現場の状況が反映されているか
メンバー同士が相互理解できているか
✔️ オンボーディング内容
オンボーディングプログラム内容が、Welcome、Inform、Guideの3要素を押さえられるているか
研修・取り組み内容が多すぎないか、少なすぎないか、重複がないか
研修・取り組み内容のオーナーが決まっているか
研修・取り組み内容ごとのゴールが決まっているか
研修・取り組み内容ごとの期日が決まっているか
✔️ 運用体制
キックオフミーティングや定例ミーティングが設定されているか
各ミーティングのアジェンダが決まっているか
現場からのフィードバックを受けて改善できる体制になっているか
肩の力を抜いた関係性でも話し合えているか
【お知らせ】オンボーディングクラウドサービスOmboを開発中です!
noteを最後までお読みいただき、ありがとうございます。
現在、誰でも簡単に新入社員の受け入れができるオンボーディングのテンプレートサービス【Ombo】を開発中です。
ぜひXのフォローもよろしくお願いします!
では、また次回のnoteでお会いしましょう!