老活 その5 ぬり絵
さて、最初は見学者として参加させて頂いた高齢者活動に、今回から正式に入会した。
今日のテーマはぬり絵だ。
でも、定時に始まった活動は、組織長の挨拶、市の職員からの伝達事項、市の歌を手話で歌う、きよしのズンドコ節を踊り、北の春を踊る、と進んだ。
矢張り、三つの前菜は、毎回行われるようだ。本当はこれにゴムのチューブ体操が加わるそうだが、メインディッシュが短くなりすぎるので、省略されたようだ。
今回は「元気になる体操」の時より、参加者が少ない。矢張りぬり絵は、明らかに男性に人気がないようだ。
ボランティアの方々が、一斉に移動式机で、6個の島テーブルをつくり、そこに5,6人ずつが椅子を持って座る。
大河ドラマにちなんで、源氏物語のぬり絵のコピーが2種配られる。見本のカラーコピーも机当たり2枚ずつ配られる。12色の色鉛筆が一人一箱配られる。
組織長の方が、2枚異なったぬり絵の、気に入った1枚だけ今作業して、別の1枚は自宅で宿題とアナウンスされる。
各テーブルにお一人、ボランティアがつくので、その方に一体何分で1枚を仕上げればいいのかと尋ねたら、たった50分で、A3(普通のコピー用紙2枚分)の大きさのぬり絵を仕上げるのだという!
え~!と、わたしは口に出し、色鉛筆を左手にガッと持てるだけの本数掴み、右手で1本ずつ選んでは、せっせと塗りだした。無駄な時間は1秒も許されない。この面積を色鉛筆で50分で塗り終わるなら、口を動かしている暇なぞない。
新人なので、色々あちこちから質問のお声が掛かるが、生返事ばかりなので「集中しているのね。」とやっとほっておかれる。
そろそろ終わりだと組織長が宣言した時には、ぬり絵作業を実施していた30人余りの人のうち、ホワイトボードに張り出される完成品は、わたしも含めたった3枚であった。
まあ、ぬり絵は口実で、手を動かしながら、口も動かすのが正解の様だ。