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老活 その1 高齢者バス運賃

わたしが住んでいる市のバスの運賃は、65歳以上だと小学生と同じになる。普通運賃の半額だ。
晴れて最近高齢者になったわたしは、ある日、都会への往復をする際、元気な朝は駅まで徒歩で行った。しかし、都会で散々歩き疲れて、帰途は駅から自宅近くまでのバス路線を利用することにした。
乗る際、始発で停車していたので、運転手に「高齢者になったのだが、運賃が異なると聞いた。どう証明すればいいのか。」という趣旨を、丁寧な言葉で聞いた。運転手は「自己申告です。」と驚きの返答をした。運転免許証とか市からの証明書が必要だとばかり思っていたわたしは、「本当に見せなくてもいいのか?」と念を押したら、運転手は苦笑しながら、自己申告を繰り返した。
ではと、降車の際、「65歳になりました。」と口頭で運転手さんに申告し、半額を料金箱に入れ、御礼を言いつつ降りたが、これはこれで公共の場で年齢を口に出すのはなあ…と微妙な古乙女心であった。

念のため、住む県の県庁所在地の市の高齢者公共交通機関運賃補助を検索したら、年齢も内容も全く異なるが、しかし最低年一回(証明書を得る、または高齢者補助定期券や高齢者乗車券を貰う)あるいは乗車毎度年齢確認を求められるやり方であった。
そういう意味では、「性善説」と正直な自己宣告にだけ基づいたわが市のやり方は、どう考えても例外的だろう。いつかは「改善(悪)」されるだろうが、今はバカボンのパパと同じで、「これでいいのだ!」


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