夢の中から出られなくなった日
秋のしっとりと切ない雰囲気を楽しんでいたのに、急に冬がやってきた感じがした。年々、秋が短くなっているような。
寒すぎて、ついにこたつを出した。
こたつのない家で育ったからか、こたつとの関わり方がいまいちわからない。
結婚してから、夫がこたつがないと冬を乗りきれない人だと知り、今の我が家のリビングには毎冬こたつが登場する。
使ってみると、確かにあたたかくてほんわかしていい感じなのだけれど、しばらくすると熱くなりすぎて、どうしていいかわからなくなる。
結果、付けたり消したりを繰り返して、いつまでこれ繰り返すの?と思い始め、ちょっとげっそりしてくる。
この日、家でひとりでお昼ごはんを食べ、こたつに入りまったりしていた。
しばらくして熱くなったのでこたつを消して、勉強を始めた。
少し眠くなってきて集中できず、15分くらい仮眠しようと横になった。
まだ暖かさの残るこたつの中で、気持ちよく眠りへ。
夢を見た。私は実家にいた。時は現在ではなく、おそらく7、8年前。
夢を見ている時、これは夢の中だとわかる時がある。
この時もわかり、もう絶対15分は経っているので起きなきゃ!と思った。
夢からの出口がわからず、実家の中をうろうろして出口を探す。
でもなかなか見つからない。
このまま出口が見つからなかったらどうしようと不安になる。
父が家にいたから、「現実に戻りたいんだけど、どうしたらいい?」と聞いてみた。
そしたら「現実?そんなものはないよ」と言われた。
なんか急に哲学的になるのやめて〜。
困ったなぁ。全然起きられる気がしない。こたつで寝たのが悪かったのかもなと思った。
これがこたつの魔力か。
諦めかけた時、やっと起きることができた。
気分はすっきりしていない。なのに1時間半も経っている。
やっちまった感がすごい。
「昼間にこたつに入ってはいけない」と、自分の中のルールに追加した。
夜眠っている時、夢の中のストーリーを自分で操作したり、食べたいものを食べに行ったり、結構楽しむことができる時がある。
楽しい夢を見ていて途中で起きてしまったら、すぐもう一度寝たらまた夢の続きから見れたり。
怖い夢を見た時、この夢嫌だな〜と思ったら、すぐに起きることができる。
この日仕事から帰ってきた夫に、
「こういうことあるよね?」と聞いてみた。
すると、「俺、夢見ない」と。
見ないんかい。
話がまったく広がらずに終わった。