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ひとり飲み

遠い昔、お酒が飲める年になったころ、「あぁ やっとお酒というものが飲める!」と思い、がぶがぶ飲んでいました。浴びるように飲む という表現が正しいですかね。時はバブル後期、世の中もそういうノリだったのでお酒を断るなんてありえない時代です。

当時、働いてた某デパートでは、しょっちゅう部内の飲み会があって、私はお金を払った記憶もなく(そもそもそんなに給与ももらってない)、浮かれていた時代にお酒デビューをしたのでした。

バブルも終わり、少ない自分の稼ぎで友人との食事に行くと、トータルコストを考えるとお酒を飲まなければそんなにひっ迫しない飲食代金なはずなのに、乾杯をして自分を労う儀式のためにお酒をのんでしまい、給与が交際費でほぼ消えていました。このままではいけないと考え、夜間大学に再入学して毎日飲み歩く生活とは離別したのが26歳のころでした。その後大学に4年+編入2年と6年通って、妊娠したので、その間はお酒とは縁遠い生活をしていました。

子どもが小さいうちってお母さん役の人はお酒飲めないんですよ。母乳のうちは絶対ダメって言われて、その後も保育園の送り迎えして、帰ってきて食事とお風呂の世話と洗濯とかしてたら23時になるんで、もうくたくたですよ。翌日の保育園の準備して、なんてことをしていると、ね、時間ないでしょ。ここで、テレビドラマなんかでは、優しい夫が出てきて「今日もお疲れ様」なんて二人でお酒を飲むのかもしれませんけど、そんなの机上の空論です。そんな夫いるわけないですね。

というわけで長いことお酒からは遠い距離にいたんですが、再度フルタイム労働に就いて、帰宅までのちょっとした空き時間ができるようになったんです、30分くらいとか。この時間に一人でbarでハッピーアワーで一杯だけお酒を飲んで(もちろん内緒)帰路に着くようになって再びお酒を飲むことができるようになりました。

現実から逃避行するときのお供として、ひとりのみは最高です。

そこで発見したことは、夜な夜な千ベロのお店に通ってくるひとりのみのおじさまが多いこと。。自分のこと知っていてくれるお店の人がいる店にどうしても足が向いてしまうんでしょうね。そんな情景をみているとお酒って人と人をつなぐ不思議なツールなんだなと思います。

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