【陸の幕】超気軽に東京から大阪までチャリンコで行ってみた話(名古屋〜亀山)
4日目
2017年11/4(sat)午前9時
前日15軒という連敗を喫したボクはなるべくギリギリまで身体をホテルで休めていた。
あわよくば今日中に大阪へ入っちまおう。
こんな甘い考えをぶら下げて名古屋を後にする。
おほぉ、やってるやってる。
時間の都合で寄れない感じではあったが、名古屋にもラーメンフェスみたいな波が来てるのね。
苦い思い出はしまっておこう。
今度来たとき良い思い出に変わっているさ。
さて、肝心要のルートだ。
ここでお決まりの痛恨のミス。
調べれば分かっていたことなのだが普通、名古屋⇔大阪を陸路で往来する場合は写真上のルート。
つまり彦根→大津ルートを取るのが当たり前のようなのだ。
しかしボクは自転車殺しで有名な国道1号線を名古屋を通過してまだ尚信奉していたのだ。
なのでボクが取ったルートは三重と奈良の山々を相手取る下のルート。
つまり四日市→亀山ルートを取るという大失態を犯す。
初日、箱根で味わった迂回を知らない猪突猛進ルート。
ゴール目前にして悲劇の再来である。
そしてこの日は天気は悪くなかれど強風のアゲインストに見舞われた。
そして大阪入りを呑気に目論みつつ猪のように国道1号線をひたすら真っ直ぐ進む。
蟹江、富吉あたりに差し掛かりラーメン屋さんにも目が行ったり行かなかったり。
9時からチャリンコに跨がり2時間ほど進んだあたり。
桑名あたりで台湾まぜそばでも食おうかと思っていたボクの目に飛び込んだのは━━━━
うん。
こっ、これは……
新店舗じゃないっすか!!!
こういう所に迷わず行くあたりの自分は褒めてやりたい所である。
店外でそそくさと調べると3日前にOPENしたてのお店だった。
ふむふむ。
特攻です。
【麺屋 しゅう@富吉】
11時OPEN、11: 15入店で店内はほぼ満席だった。
卒なくオペレーションする店主さんもなんだか初々しくて良い。
しょうゆラーメン/全部入り
鰹出汁を全面に押し出した魚介豚骨和風ラーメン。
非常にスープがしっかりしている。
キリッと魚介の輪郭が立っているのが良い。
風味だけで食欲に繋がる。
麩が目立つ全粒粉が入った多加水麺。
細くてすすり応えのあるもの。
都内でもこのクオリティならばいい線行くんじゃないかと思うほど。
炭台で丁寧に焼かれた炙りバラ。
この一手間は重要。
バーナーで肉を炙るより格段風味が高くなる。
煮方も丁度良く、箸で解れる。
材木メンマまであしらわれて抜群の食べ応えであった。
ヒョイと入った新店舗でこんなクオリティを擲たれるとものすごく得した気分になるよね。
ごちそうさまでした。
偶然入った店が良店舗という幸福。
気を良くしたボクはアゲインストニモマケズ更に紀伊半島の真ん中辺りを目指してひたすら脚を送る。
国道1号線をひたすら真っ直ぐ。
これがキーワードなようだ。
愛知を抜け三重へ突入する。
ルートは桑名から四日市に向かい亀山から天理のルートを取るつもりでいた。
四日市を抜けたあたりで━━━━
あまりにも田舎になってきた。
そして、ボクはもう見落とさなかったんだ。
あの遠くに見える峰々を。
山に近づくに連れて景色は寂しくなるという事を小田原から箱根を通る際に味わった。
取り敢えずコンビニのイートスペースでカロリーを補給しつつ今後の算段に入る。
この時点で既に14時を回っていた。
いつからこんなにスイーツな男子になったのだろう。
でも甘いものは身体を癒やす。
甘いものを摂取しつつ頭を回す。
このまま多分あの遠くに見える峰々と戦いつつ奈良まで向かわなければならない。
果たしてその体力が残っているのか?
そしてアゲインストは更に強くなってきていた。
あー……これ……
鈴鹿を抜け亀山、関あたりに差し掛かった頃には16時を回っていた。
夜の山の怖さ。
風で身体が軋む。
恐怖感とひたすら戦っていた。
だが無情にも時は過ぎていく。
11月。
日は短いのだ。
どうする、夜の山とまた戦うか。
日が落ちる毎に恐怖感が増していく。
そして山に向かうに連れ勾配もどんどん激しさを増していく。
あぁ…これはヤバイ。
涙目になる。
なんたる学習能力のなさ。
そして遂に━━━━
完全に日が暮れた━━━━
大阪は愚か奈良市内まで70kmは優にある。
終わった。
ここから伊賀を越えるなんてまるで━━━━
徳川家康の伊賀越えじゃないですか……
あ〜!うわ〜!うわ〜!
あああああ!
っていや無理DEATH
今日はここで暖を取りましょうぞ殿。
既にプリンどら焼きを食べてる最中ホテルを取っていたアタシ。
山の怖さならよく分かっている!
とか居丈高に言い放ってみるものの虚しく。
18時にはチェックインし、汗を完全に流し周辺の施設を探していたが━━━━
どうしようもないくらい駅前が閑散としている。
飲み屋やグルメなども見込めn━━━━
あったのです。
【亀八食堂@亀山】
いわゆる国道沿いにあるドライバーズメッカ。
国道の渋滞から外れ、運転手さんたちがお腹を満たしておやすみするスポット。
それが経年し、行列店へと相成ったそうな。
それが本当にホテルからほど近くにあるとは何たる持ちようなのか。
亀山味噌焼きうどんがこの地域のご当地グルメなのであるが、それを〆に食べるのが乙だそうで。
山奥なのに並んでる。
いや、ホントに山奥なんですよ。
何もない。
この先伊賀の峠でござる。
老若男女が挙ってならんでおるのです。
目を疑う程度には。
回転は早いらしく程なくしてお父さんが一人席に案内してくれた。
キャパシティは100席くらいだろうか。
兎に角どこから湧いて出たのかここだけ大盛況なのだ。
時間は夜の7時ジャスト。
まあ休日の連休のピークタイムではあるが賑わい方山で味わった寂しさを忘れさせてくれる。
大阪で云うなればちりとり鍋。
四角い鉄板で肉を焼くわけだ。
名物はサガリらしいが売り切れの様子。
なのでホルモンにトンテキにロースをオーダーする。
飲み物はこんな感じ。
近隣以外タクシーじゃなきゃ飲めないよこんな所。
肉をオーダーすると自動的にドカっと野菜が来るシステム。
━━━━ということで。
お疲れ様です!!!
流石にこんなに身に沁みたビールは久しぶりだった。
頼むことが必須とされているキュウリの浅漬でグイグイヤる。
甘めの味噌ダレで炒めて行くともう芳ばしい香りが堪らないわけで。
こうで━━━━?
こうよ。
ホルモンは臭みありきかなー、トンテキ、ロースは肉の食感が良くて新鮮。
この甘めの味噌ダレとよーく、よーく合うのです。
これを白ご飯でワーシワシ。
言うことがないでしょうに。
こんなところまでチャリンコで来てるのも稀有だろうけどカロリーを消費しまくった身体に染み渡る。
うまあああああい!!!
およそ一人前じゃない量をガツガツと食べる歓びよ。
そこに名物のコレを追加ァッッツツ!!!
ぬかりなくハイボールもセットして━━━━
少し焦げて香ばしくなった味噌ダレと肉と野菜とまぜまぜ。
壮観です。
これぞ亀山味噌焼きうどん。
一人で肉三人前とうどんと大盛り野菜に飯。
なんだこの言うことのないメッカ。
亀山を通り掛かる際にはぜひオススメなので皆さんにも立ち寄ってほしい店だ。
このチャリンコ旅で一番美味しかったグルメかも知れない。
腹も満たした。
このあと屋上の露天風呂でゆっくりましたとさ。
さあ、明日は伊賀越えぞ。
━━━━陸の幕、了。
結の幕に続く。