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【第二十三回】ちょっと小腹がすいたんで。
大阪京橋/山葵→丸岡商店
大阪京橋。
下町の盛り場といった様相か。
一昔前まで、一人で気軽に来るような場所ではなかったのは明らかだ。
飲み屋が軒を連ね、アーケードにはお酒でごきげんになられたおじさまたちやキャッチの姿が。
東京で言うところの渋谷の百軒店あたりの雰囲気というのが妥当かな。
グルメでいうと「とよ」の新鮮なマグロやら激安の雲丹盛りとかが有名でいつも列を成している。
まあ慣れてないと少
【第二十二回】ちょっと小腹がすいたんで。
ほしの家〜中華そば 葵〜自作
誰しも思い出の味ってのはありますよね。
遥か昔、大好きだった店。
遠い昔、足繁く通った店。
親に連れられていった店。
帰りに道にあってよく寄った店etc……
でも大概、昔になれば昔になるほどその懐かしい味は店を畳んだとか何らかの理由でその店が消失してしまいもう食べられなくなっていたりする。
もう一度食べたい味、誰しも一つはあるような気がする。
諦めのいい人はこ
【第二十一回】ちょっと小腹がすいたんで。
足立/田中商店
草木も眠る丑三つ時。
幽霊やあやかしが茶化しに来そうな時間に辰巳の方向へ進む。
この時間帯に蠢くのは嫌いではない。
街は文字通り一掃されたように人がおらず、車も疎らだ。
交通法規を守りつつゆっくりと車を走らせるには良い時間だ。
物思いに耽り自分の中へ入っていく。
こうやって自分の時間を取ることは非常に重要だ。
しかしながら考えながらいると腹が心地よくない。
人間息をしてりゃあ腹が
【第二十回】ちょっと小腹がすいたんで。
蕨/吾妻屋
立ち食い蕎麦について語るとしよう。
立ち食いそばは江戸時代にはじまったという。
手軽なファストフードだ。
そのファストフードにも並々ならぬ肩入れの仕方が地域によってあるようで。
特に日本をぶった切って東と西に分けたとして、出汁の引き方からしてまず違う。
東は鰹出汁と昆布を中心に引いたモノで西はイリコと昆布を中心に引いたより魚介が強いモノ。
カエシも東の濃口、西の薄口なんて言われるよう
【第十九回】ちょっと小腹がすいたんで。
千駄ヶ谷/ホープ軒
午前二時。
魔の時間帯だ。
腹が減る。そして一番問題なのは、行く宛があるということ。
半分の意識を既に行く先に据えて。
後は車を走らせるだけだ。
神宮外苑。
新国立競技場の建設地のそばだ。
タクシーとトラックしか走らない閑散とした明治通りを行く。
深夜のドライブは頭の整理にはもってこいだ。
目の当たりにした嫌なこと、良かったこと、どうにもならないこと。
そんな頭では整理
【十八回】ちょっと小腹がすいたんで。
川口元郷/中国料理 文文
川口元郷。
埼玉高速鉄道の駅だ。
JRの川口駅からは3kmほど離れているわりかし新しめの街。
地下のコンコースから地上に出ると、すぐ目の前に交通量の激しい国道が通っている。
その国道を荒川の方へ歩く。
ただひたすら歩くこと20分ほど。
いや、遠いってば。食い物の為とはいえ、駅から遠すぎるのも考えモノだ。
だが、この店はそれでいいのだ。
どんなに駅から遠かろうがいつでも
【第十七回】ちょっと小腹がすいたんで。
穴守稲荷/Good morningラーメンショップ
夜明けをうずうず待つ夜もある。
まだ暗い内から車を走らせたい。
そんな気分の日もある。
点火。エンジンをかけ、音楽をかけゆっくりとした動きで車を出す。
朝だ。すべてがはじまる東京の朝の空気が好きだ。
車たちはそれぞれの方向に向かっており時折苛立っていたり、流れに乗れていなかったり。
そんな車も含めて慌ただしい東京の無機質な産業的排他感が好き
【第十六回】ちょっと小腹がすいたんで。
高田馬場/渡なべ
高田馬場。
なにやらいろいろなモノの激戦区である。
昼はランチ。
夜は飲み屋と行った具合に、サラリーマンから学生までが入り交じるバトル・ロワイヤルタウン高田馬場。
その端っこ。
そうだな、明治通りを少し入ったところにあるのがこの一見ラーメン屋とは思えぬ佇まいの渡なべだ。
数多くの優秀な職人を輩出していることでも知られ、その店主は根っからのラーメン食いでありマニアであり地方ラー
【第十五回】ちょっと小腹がすいたんで。
西新井/焼き鳥 三ッ峰→浜屋
西新井。
東京のディープなダウンタウンである。
安くて良い飲み屋なんかが沢山あったりする。
そんな中でも埋もれているがとびきり珍しいモノが飲める店がある。
焼き鳥 三ッ峰入り口の小窓で持ち帰り用の焼き鳥を焼いてくれたりする庶民的な焼き鳥屋だ。
間口もこんな感じでちと、入りづらい印象ではある。
下町の生ビール、ホッピーと焼き鳥ってか。
まぁ別段変わったところはな
【第十四回】ちょっと小腹がすいたんで。
浅草/餃子の王さま
東京浅草。
スカイツリーも出来てからもう6〜7年経とうとしているが下町浅草は相変わらずなもんで。
増えたのは外国人観光客さんたちとリキシャーマン達の勧誘だ。
その一角に王さまがいる。
餃子の王さま
王将ではない。
王さま。
悪ふざけではなく半世紀以上下町に愛されてきた餃子がここにある。
そんな老舗なのに常に待ちが出るほどの人気っぷりだ。
カウンターに通されると大将
【十三回】ちょっと小腹がすいたんで。
谷町六丁目/スタンド そのだ
谷町線、谷町六丁目を降りて徒歩すぐ。
そのモニュメントのような大衆食堂はある。
でかい暖簾。
カッコいいよね。
ブリキの看板もカッコいい。
ネオン・サインもイカしてる。
そんな一貫されたコンセプトの中に飛び込むというのはもはやアミューズメント・パークへ遊びに行くのと何ら変わらない。
つまりここは大人のディズニー・ランドここで会ったかディスティニー。
早速中へ
【第十二回】ちょっと小腹がすいたんで。
肥後橋/(食)ましか/イタリアン
大阪の中心街、梅田からすぐの肥後橋はビジネス街である。
夜ともなれば人影は疎らだ。
そんな閑散とした街の一角。
夜光虫のように光に寄る人の群れがある。
(食)ましかイタリアンを貴重にした酒場である。
この店がとりわけ面白い。
タバコ屋を改装した店内は人でごった返している。
どこから人が沸いたのか。それくらい表との温度差は激しい。
週末の夜なんかはまず、夜
【第十一回】ちょっと小腹がすいたんで。
【其の三】天満/八尾蒲鉾→けむパー→かぶら→ぬんぽこ
八尾蒲鉾夜はまず、ここからはじめるとしよう。
17時開店の蒲鉾屋さんだ。
アサヒの熟撰で乾杯。
熟撰とは基本、飲食店にしか置いていないアサヒのビールだ。
これがあると運が良かったとばかりについ頼んでしまう。
ビールを流し込みながらメニューに目を落とす。
そうなのだ。
ある地域では「さつま揚げ」と呼ばれ、
とまたある地域では「はんぺん」と
【第十回】ちょっと小腹がすいたんで。
【其のニ】天満/QueRico→若旦那→すすむ
第九回からの続きの天満。
やはり一息には語り尽くせないほどには肥沃な飲み屋街であることは間違いない。
BEER BELLYを後にしこのアーケードの中でもう一軒行くか、はたまた天神橋六丁目の方に向けるか迷うところ。
墨国回転鶏料理 QueRico(ケリコ)BEER BELLYと同じ区画の中にメキシコ料理屋がある。
ビニールカーテンで仕切られていて