見出し画像

「好きなこと」ではなく「得意なこと」をしようぜ!

人生いろいろである。

輝かしい人生を送っている人もいれば、自己実現に程遠いホロ苦~い人生を送っている人もいる。

だが、人生に躓いてしまった人をよく観察していると意外な共通点があることに気づく。みんな、

「好きなこと」に固執して、捨てられてない

...生き方をしているのである。


「絵を描くことが好きだから画家を続けている」「勉強好きだから税理士資格を勉強している」「音楽好きだからミュージシャンになりたい」

どれもこれも「好きだから」、「捨てられず」続けているのである。いつか真のプロになることを夢見て...

ほとんどの人間がこのように「自分の好きなこと」に拘り「自分の得意」に気づきもせず、傍から見たらみじめな人生を送っているのである。


「好きなこと」の根拠というのは、これまた笑ってしまうほど薄弱なのだ。「小学生の頃にクラスで一番面白い奴だった」とか「中学の頃は喧嘩番長だった」とか(笑)

そのようなありふれた「成功体験」に支えられた、きわめて稚拙で無知な「自信」なのである。

俺の幼馴染に、地元の進学校を卒業してかれこれ10年数以上、税理士資格の取得をめざして熱心に勉学に励んでいるバカ野郎がいる。それもほとんどニートのような生活して。

たまに会って話すと、それが自己目的化(生きる目的)になってしまっているようで、可哀相過ぎて何も突っ込めない...

---

よくある話をもうひとつする。俺の本業はライターなのだが、こんな知り合いがいた。

その人はずっと都内のウェブ会社に勤めており、文章を書くのが好きで、自分の文才に自信をもっていた。

コミュ力があって交友関係も広く、六本木界隈にいる企業家たちと話をしているうちに「自分も彼らみたいに自由になりたい」と思うようになった。

彼らへの羨望の気持ちが強くあったのだ。

あるときに大学の先輩にウェブ系の有名人がいて「企業しないか」と声をかけられた。もちろん「チャンスが来た!!」と思った。

それで潔くサラリーマンを辞めて、その先輩に言われるがままに借金をして、自分のウェブサイトを立ちあげたのである。晴れて企業家デビューである。


ところが毎日、夜を徹してサイトを運営するがまったく「黒転」しない。逆に、時間が経つごとにどんどん赤字が膨らんでいく。

しまいには先輩にもきびしく詰められはじめて、どうしてよいのか分からず茫然自失となり、結局鬱病になって「トンズラ」したと(その大学の先輩から)直接聞いている。

結論をいうと彼はウェブを緻密に分析する能力が弱かったのである。

なのに自分の弱点を真摯に認識せず、まわりのアドバイスにも耳を貸さず「自分の持ち前の文章力で、良いコンテンツを作り続ければサイト運営も軌道にのる筈だ!」と思い込んだのだ。

結果はさんざん。彼の能力では、整った良い文章は書けても、時代の空気を読んだ「勢いのあるサイト」は作れなかったわけだ。


俺は以前「知識は重要ではない|自分を知ること」という記事を書いた。

そこでも散々言及しているが「好きなこと」と「得意なこと」が一致することなど、ほとんどありえない。

99%の人間は「好きなこと」と「得意なこと」は違う。「好き」なことでずっと続けているが全然、箸にも棒にもかからない、ということもザラである。

幸せになりたいのなら今すぐに、「好きなこと」「楽しいこと」「気持ち良いこと」に固執するのを辞めよう!

じゃあ「得意なこと」ってどうやったら分かるのだろうか?こればっかりは自分で努力して模索するしかないが客観的に、

「これは間違いなく得意だね」というポイントは存在する。3つ挙げると、

①やってもやってもやり足りない!と思うほどモチベーションが持続する

②その仕事についてはやり終えた後もなぜか元気(疲れない)

③ちょっとやっただけで目に見える「成果」があがり、まわりからも評価される


じつは俺は昔、芸能事務所に所属していた時期があり「俺の得意って何だろう?」と死ぬほど悩み、考え込んだのだった。

それで「売れていく人」と「ずっと売れない人」を観察して、その差を分析してみたらこの3つが浮上した。

特に「売れていく人」というのは、自分の適性に気づいており、自分が何がやれるのか?をしっかり認識して行動するから、短期間でめきめきと頭角を現していく

次々と仕事が舞い込み、恐るべきスピードで有名になっていく。

「いつまでたっても売れない人」と比べると、その落差は残酷なものであった。

それでも売れない彼(彼女)らが辞めないのは「好きだから」「楽しいから」なのである。


もし今「好き」という気持ちだけで仕事をしている...と感じるのであれば、一度立ち止まってみて、心の中を整理してみると良いだろう。


いいなと思ったら応援しよう!