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10「スカラムッツァの足跡をたどって」第4章「5つの動き」その3
こんにちは。音楽で人と世界をつなぐ!ピアニストの岡田真季です。
アルゲリッチが幼少期にアルゼンチンで習っていた、名ピアノ教師 スカラムッツァの教えを、孫弟子にあたるマリー=クリスティーヌ・カルヴェ氏が書いた著作「スカラムッツァの足跡をたどって」を、ご本人の許可を得て岡田真季が日本語訳でお届けしています。
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今回は、第4章「5つの動き」のうち、「手首の動き」と「腕の動き」を詳しく解説していきます。
手首の動き、どうやって?
手首の動きは実際のところ、前腕の動きを縮小したものなんだよ。
一連の弾きたい音たちのテンポが速すぎて、腕全体や前腕のような長い「てこ」では追いつかない場合、ピアニストは本能的にアタックの「てこ」を短くして、手首からだけを使うんだ。
手首の動きの練習をするには、前腕の動きにちょっと変化を加えるだけでいいんだ。前腕を持ち上げるけども、その延長線上に手首を定めないよ。手首はふわりと浮いて、自由に「前腕の動き」について行くんだ。
「手首の動き」で最も難しいことのひとつが、手のアーチ構造を失わずに鍵盤に放つことができるか、というところだ。そのためにはまずピアノなしで、手首を動かす練習をしたら良いよ。ただし手の鎧ははずさずに、ね。
フニャフニャの手で「手首の動き」をしたら、すぐに芯の通っていない音が返ってきてしまうよ。
手首から楽にして、「前腕の動き」で鍵盤に手を放つ(手には鎧!)、そしてその音を弾いたらバウンドするんだよ。
1. しきたり通りに手に鎧をつけて、手首を楽に浮かせながら、前腕を持ち上げる。スピード速めで前腕を下ろして、鎧をつけた手は自然とそれについて行かせる。
2. 1のやり方で手を鍵盤に放って、どの指でもいいので1音鳴らす。何度か同じ動きを繰り返してみよう。だんだんと、毎回止まらないで少しずつ速くして…
手首の動きができたね、ブラヴォー!
腕の動き、どうやって?
腕の使い方はもうすでに知っているよね。なんたって第1章で「落下」を学んだものね。
腕にも、指のように再区分があるのだけど、これはあとで取り上げよう。今のところは、「落下」とは違った方法で練習することができる… いや、しなくちゃいけないってことを知ってもらおうね。
つまり、初めの章でやったような腕の重みを放り出す代わりに、「置く」んだよ。
そのためには、腕を肩から持ち上げて、鍵盤へ下げていくスピードをコントロールすれば良いんだ。そしてどの音でも、1音の鍵盤の上に腕の重みを置く。もちろん手のフォームは忘れずにね。
1.腕を顔の高さまで持ち上げよう。リラックスしてね。
2. 徐々に腕を降ろして行くよ。ひじは開かないように!
3.優しく鍵盤に手を置こう。できるだけ、腕のスピードをコントロールしながらね。聴いてごらん、音がとても柔らかいだろう。初めての「Appoggiato」ができるようになったな。ブラヴォー!
4.この3つのステップを、腕を下げるスピードのコントロールをしないでやると、「落下」になるわけだ。
よくやった、ブラヴォー!
本内容は、Marie - Christine Calvet氏の著作「Sur les traces de Scaramuzza」を、本人の許可を得て岡田真季が日本語に訳してお届けしています。無断で内容を改ざん・コピーするなどの行為はご遠慮ください。挿入イラストは「いらすとや」から拝借しました。
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