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終末のワルキューレ二次創作小説 赤き瞳

この小説は終末のワルキューレの二次創作小説になります。史実とは異なります。オリキャラ多数登場。

グエンフエさんの過去話特別編になります。

グエン・フエ 後の阮恵となるホ(胡)家の長女。ベトナム統一後は西山朝の2番目の皇帝になる。兄のグエン・ニャクが王国の魔術師ゴー·ヒエンに謀殺され兄の仇を取るために復讐を誓う。千里眼の能力を持つため目隠しをしている。皇帝になってからは一人称が余になる。

グエン·ハオ 死亡したフエの兄ニャクに瓜二つの青年。旧姓はフィン。ニャクの影武者として働く。ベトナム統一後は初代皇帝になる。

フォー·ザー·アイン チャンパ王国の王妃の隠し子の美青年。剣の使い手。

ブイ·タム 王国の若き護衛隊長。グエンフエを見て強くて美しい女性だと言った。

コム·チャイン チャンパ王国の都ヴィジャヤを拠点に活動している新興勢力の大富豪の貿易商人の娘で若き令嬢。

バン·ドゥック チャインの世話係の中年男性。

気功だ。全ては集中だ。

グエン·フエはタイチーこと太極拳を練習していた。グエンフエにタイチーを教えたのは王国の若き護衛隊長ブイ·タムだ。

ブイタム「フエさん、しっかり習得するのです」

さすがのフエも疲れてその場でへたり込む。

無理だ。これではあの奸臣の魔術師ゴー·ヒエンには勝てない。

グエンフエ「ブイ隊長、もう無理だ。私は‥」

グエンフエが弱音を吐くのははじめてだ。

ブイタム「貴女はいずれ皇帝になられる方です。この国を統一されるのに‥」

グエンフエ「皇帝か。ベトナムで初めて皇帝と名乗ったのは誰だ?」

ブイタム「それは竜です」

竜王か。ベトナムの始まりの皇帝は人ではないらしい。

グエンフエは宮廷魔術師ゴー·ヒエンとの戦いで打ちのめされた。あの時の記憶は今でも忌々しいほどに忘れられない。

ゴー·ヒエン「顔は美しい。だが貴様如き小娘が我に挑むとは筋違いだぞ!」

ゴーは魔力でフエを圧倒した。悔しい。あの魔術師にもう一度挑みたい。

グエンフエとブイ·タムは大富豪の商人の娘であるコムチャインの食客となって暮らしている。王国の全てを牛耳る魔術師ゴーヒエンの追手から逃げた二人はチャンパ王国に辿り着いた。チャインと出会ったフエは何故あんな美しくて若い女性が自分達を助けたのか、と思った。

チャンパ王国は海上貿易で繁栄するがアンコール朝と争いが絶えない。

コムチャイン「フエさんのように美しくて強い女性ははじめて見ました。まるで武神そのもの」

ブイタム「チャイン殿の兄は剣術の使い手と聞きましたが」

チャイン「はい。兄は幼い頃から剣術修行に明け暮れていました。ブイ隊長も?」

ブイタム「私は皇帝の護衛係をやっていました」

グエンフエ「私はいつもタイチー修行でブイ隊長に叱られてる」

チャイン「まあ、羨ましいですわ」

3人の会話は楽しく弾んだ。

グエンフエは見かけを強くしているだけだ。チャインの世話係の男であるバン·ドゥックはそう思った。グエンフエはいつか皇帝になるかもしれぬ。

バン·ドゥックはそう予感した。





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