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終末のワルキューレ二次創作 始まりの日

この小説は終末のワルキューレの二次創作になります。

グエン・フエさんの過去話になります。オリキャラ多数、史実とは異なります。

グエン・フエ 後の阮恵となるホ(胡)家の長女。ベトナム統一後は西山朝の2番目の皇帝になる。兄のグエン・ニャクが王国の魔術師ゴー·ヒエンに謀殺され兄の仇を取るために復讐を誓う。千里眼の能力を持つため目隠しをしている。

グエン·ハオ 死亡したフエの兄ニャクに瓜二つの青年。旧姓はフィン。ニャクの影武者として働く。ベトナム統一後は初代皇帝になる。

ズン·ルオン フエの幼馴染みの少女。復讐に駆られるフエに生きる希望を与えた。

グエン·ルー グエンフエの義理の幼い弟。

ダン·キエット 王国の宮廷預言者だったがゴー·ヒエンの策略により左遷された若い女性。「黎朝は無名の少女に滅ぼされるだろう」と予言。皇帝から疎まれたが少女グエンフエに仕える。

黎愍帝 黎朝最後の皇帝。奸臣ゴー·ヒエンの操り人形になる。

ブイ·タム 王国の若き護衛隊長。グエンフエを見て強くて美しい女性だと言った。

朝は来る。何度でも。

ベトナムの小さな城下町にホ家と呼ばれる名家がある。王宮に仕える家臣であるホ家の長女であるグエン·フエは血の繋がらない幼い義理の弟であるルーとともに少女メイドであるファム·トゥエの話を聞いていた。

ベトナム古代の歴史から地理までトゥエは物知りな少女だ。

ファム·トゥエ「フエの王宮はそれはもう美しくて絵画のようでした‥」

フエは黙り込んでトゥエの話を聞いていた。

ルー「姉上、何故黙ってるんです?」

フエ「トゥエの話が面白いからだ」

トゥエ「フエ様は聡明で美しい方です。ルー様も見習うのですよ」

ルー「俺は兄上を見習います。大体姉上はいつも自信満々で男みたいで俺が気圧されてしまいます」

フエ「私が男ならば気高き武人になれただろうな‥」

トゥエ「きっとフエ様はロンの生まれ変わりでしょうね」

フエ「トゥエ、私が竜の生まれ変わり?」

ロンとはベトナム語で竜を意味する。ベトナムでは貉龍君という伝説の皇帝がいる。昔の人々の観念で龍は、王様の絶対的権威を象徴した。王様の宮殿には、「ロン」という龍の名前にちなんだ品々がある。

トゥエ「いずれフエ様は天下を取られますよ」

フエ「ハハハ。いずれ来るさ」

グエンフエの幸せは長くは続かなかった。王国の奸臣の魔術師の手により兄が謀殺される未来が彼女には視えていた。そんな未来を避ける方法があれば良いのだが。彼女の旅立ちの日が近づいていたのだ‥‥。

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