なぜ誰も日本体操協会首脳部に憤らないのか?〜無限の無責任体制の犠牲となった宮田笙子〜
「日本体操協会は19日、東京都内で記者会見を開き、体操女子のパリ・オリンピック(五輪)日本代表でエースの宮田笙子(19)=順大=が出場を辞退すると発表した。聞き取りの結果、喫煙と飲酒が発覚したため」(朝日新聞伝)と言うので、記者会見もYouTubeで確認したら、恐ろしい状況が展開されていた。
冒頭の首脳部の謝罪は一体誰に謝っているのか?日本の記者会見のテンプレートに沿って社会にご迷惑をかけて申し訳ないと「空気」に謝罪しているのだが、それ以上の具体性は全くなく深々と頭を下げただけだった。しかも「今回の件は本人個人の問題というより協会全体の問題と受け止め、彼女に寄り添っていく」と言うのだった。それならば協会としてどう責任を取るのだろうか?彼女だけの問題ではないと言うのなら、なぜ彼女だけに責任を取らせたのか?
15日に宮田選手の代表選手の行動規範に違反する行為についての情報提供があり、協会側が一時帰国を指示し、モナコでの代表事前合宿から離脱させて18日の事情聴取に及んでいる。選手に寄りそうのならば、協会が合宿地に出向けばいいではないか?
そして、情報提供から事情聴取そして宮田選手の五輪参加辞退への流れだけは説明されたが、その際のやりとりについては詳にされなかった。そこを質問した記者もいたが、協会首脳部は「そういう状況であった」程度の答えであった。全く透明性がなく霧が立ち込めるだけだったが、それ以上客観的な説明が聞こえることもなかった。
宮田選手が五輪のプレッシャーから喫煙と飲酒をしてしまい関係行動規範に反するので、協会として宮田選手の辞退を認めたがその責任は協会にもあるのだから、今後は選手にも寄り添って改善を図っていきたい。このように良い子を演じているのだから、記者の皆様、日本の皆様、そのことを察してこれ以上のツッコミはお控えいただければと思います。
それがこの記者会見の本音である。
選手第一主義を貫くことこそその競技を統括する団体のモラルである。選手に罪を背負わせて、自らの立場と地位の安泰を図る。これが今回の記者会見の本質である。
日本のスポーツ界の本質的に変わらぬ姿を見せつけられて、反吐が出そうになった。彼らは何の責任も取っていないことになる。無限の無責任体制は選手だけを犠牲にしていると思える今回の事件であった。
その本質にメスを入れる勇気が日本のスポーツマスコミにも欠けていることを悲しまざるを得ない。
(敬称略)
2024年7月21日
明日香 羊
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編集好奇
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