創作大賞感想【短編集】のどに骨、胸にとげ 『つぎにデビューする作家とつながるラストチャンス』
デビュー前からその作家さんを知ってるぜ。
その作家さんとXで相互フォローだぜ。
そのようにいえるチャンスが、いま、あなたの目のまえにぶらさがっています。
2023年度note創作大賞中間選考を突破なされたふたごやこうめさんの、短篇小説が気にいったかたは、X(旧Twitter)をれっつフォロー。
小説の文体からは想像もできないほどに愉快なかたです。
そして、ふたごやこうめさんからのX(旧Twitter)フォローバックをもらえる可能性たかし。
DMにて確認しました。
読んでくれるかた、清水の舞台から飛び降りる勇気をだされたかたがたは、ヤマトの波動砲の充電ぐらいの確立でフォロパしてくれるそうです。
2024年の創作大賞からデビューする可能性が高い、そんな作家さんの小説を読んだ感想を書かせてもらいます。
そうはいっても、2万文字以上の長編小説は読めない。
そのようにお悩みのひともいらっしゃるでしょう。
だいじょうぶです。紹介する作品は、短い小説をあつめたものです。
ちょいといや~なかんじで、ゾッとする怖い小説です。
怖いといっても、テレビから霊がはいでてきたり、悪霊にとりつかれた子が、ブリッジして階段をかけおりてきたり、未確認生物に卵を体内に産みつけられたりする、そのような突飛な怖さではありません。
日本のあちらこちらのご家庭にある、いや~で怖い話です。
いまの日本の世相をあらわしてる小説ともいえます。
さて小説家たるもの、目がよくなければいけません。
つねに、小説のネタをさがし、ひとがスルーしてしまうような出来事をつかみ、その出来事から小説の着想をえたのちに構成をととのえるのが作家です。
短編小説は、一瞬の閃き、一瞬の見せかたが優れているかどうか、私はそこに注目します。
『山口店長』は、まさに、一般のひとであれば、スルーしてしまいかねない会話から小説の着想をえています。
私も、小説のタイトルにもなった山口店長とおなじでポロッといってしまいかねない日常にあふれている言葉です。
嫉妬というか、知識がないというか、人間として浅い人間が、おもわずポロリしてしまう言葉が小説の核です。
日常よりもSNSなどにあふれかえっている言葉といえます。
他人のいいところばかりに目がいき、他人の苦しみを想像できない、まわりにそんな人がいませんか。
もしくは、あなたが、そのように考えられている、そのようなことはありませんか。
山口店長は、なんといったのか、それが気になるひとは、小説へ。
さらに、話の核からもう一段オチがあります。
そうきたか、とおもわずオデコをたたきました。
オデコをたたくと痛い。山口店長も痛い。
つぎに紹介させてもらう『親愛なる子殺しへ』は、すばらしい短編ばかりをあつめたなかでも、とくに珠玉とよべる短編小説です。
すこし長いので中編といえるかもしれません。
どこの家庭にもあるお話だとおもいます。
どこの家庭にもある悩みを書いていますが、淡々と暗い、墨のにじんだまわりの灰色のように暗い。
読むのがつらい。それほどに息ぐるしい。
だれが、わるい、というわけではありません。
けれども、棒倒しのように生活がボロボロとくずれだす。
生活の基盤をたてなおそうともがけばもがくほどに、砂上の楼閣はアリジゴクにのみこまれる。
その苦しんでいるひとの内面の醜さ、葛藤を淡々と描いている文章は息苦しい。けれども、ひとを強引にひきつける魔力があります。
リアルな描写の中には、作者さんが体験なされた事もあるかと思います。
体験したすべての人が、緻密で濃密な文章を書けるわけではありません。
体験したものを、しっかりと文章に落としこむ努力をつまなければなりません。
作者が伝えたいことをしっかりと書かねばという確固たる決意から描きだされる異様に迫力のある文体には魅せられました。
心をギュッとつかまれ、頭をおさえつけられ、もう、ダメかもしれない、と思われた瞬間に、作者が世間に伝えたいエンディングをむかえます。
忘れがたい一文、文章、段落にであえること、それが小説を読むたのしみです。
『 親愛なる子殺しへ』のエンディングは死ぬまで忘れることはないでしょう。
なにかつらいことがあったときに、ふと思いだす、そのようなエンディングです。
私が、この短編集を発売するのであれば、『親愛なる子殺しへ』は、短編のラストに置きます。
いや〜で怖い話があつまった短編の最後にも、災厄がつまったパンドラ箱の最後にのこっていたものは。
エンディングはご自分の目でご確認ください。
話かわって、格差をかんじたことありませんか。
私は常に格差をかんじています。
うえを向いて歩いていたら格差をかんじ疲れる世の中です。
うえを見ながら歩き井戸にはまるかもしれません。
そこで、したを見ると、オヤオヤ私よりも苦しんでいるひとがいるぞ、となんとも愉快な気持ちになる、そんなことは他人にはいえませんよね。
いえないといいながら私は書いています。そして、作者さんもその汚い愉悦について書いた小説が『あの子』です。
ドングリのなかの格差を書いた小説です。
井戸のなかで他人とくらべ、優越感にひたる、けれども、その優越感が夢幻のごとく本能寺のように焼け崩れたときにひとはどうするのか。
ドングリの格差社会から逃げだし、幸せになるヒントが隠されています『あの子』には。
格差にくるしめられているあなたにオススメしたい短篇小説です。アドラーよりも『 あの子 』
つぎに紹介する『同棲日記 』と『家族』は、あッといわされる小説です。
正直に告白すると、無理すじだ、強引だと小説を最初に読んだときはおもいました。
そこで小説のはじめから最後まで何度か読みかえすと、段落の構成、文章の配置、語彙の選択、一文字一文字までに気がくばわれており、まったく、ちっとも文章のトリックが破綻していない。
どこかひとつでも文章に違和感があるとそこから決壊しかねない小説です。
爆弾処理のように、針の穴に線をとおすように、ひたいに汗がふきでて、目にしみる、そのような努力のあとが、行間から浮かんでくる労作です。
おなじような小説のオチはおもいつく、と思います。
しかし、破綻せずに、小説にしたてあげる自信はありません。
読者をあッといわせたい作家さんはぜひ一読を。
そして、おどろくことから遠ざかっている読者さまにもオススメの二作品。
さいごにご紹介する『モンスターハウス』は、子どもをもつ親には怖すぎるほど怖い短編だと思います。
だと思うと書いたのは、私が子どもを持たないからです。
子どもをもつ親には怖すぎるほど怖いお話。
日常にひそむ恐怖を見つける目。
その恐怖を描写する文章力。
物語を破綻させない繊細さ。
作家として必要なものをすべてかねそなえている作家ふたごやこうめさん。
デビューまえに、Xで相互フォローになれる。そして、デビュー前から知ってたぜと優越感にひたれるラストチャンス。
小説のハートボタンをぽちッとおし応援し、Xで感想をつたえ作家ふたごやこうめさんとつながろう。