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カニをまるまる一匹をつかった豪華な炊き込みご飯レシピ!!お値段はカニ缶なみ、もしくはそれよりもお安く作れる

カニをまるまる一匹つかった豪華で豪勢で豪気な炊き込みご飯の作り方を書いている。
カニの味噌から足の果肉、さらに卵までをまるッと味わえる多福な炊き込みご飯。
けれども、お値段は、カニ缶のお値段とおなじ、もしくは、カニ缶よりもお安く炊き込みご飯を作れる。

お安さの秘密は、つかうカニの種類にある。
炊き込みご飯にいれるカニは、香箱蟹、セコガニをつかう。
北海道産は、いつでも買うことができたと思う。
日本海産は漁ができる期間がもうけられている。
寒くなり暖かい食べ物が恋しくなるころあいが旬だ。

活きたまま、もしくは、ゆでられた香箱蟹が、鮮魚コーナーにならべられている。
近畿の片隅では、500円ほどで買える。
活きたままの香箱蟹は、蒸しあげる、もしくは水から赤くゆであげるとよい。

蒸したり、ゆでた香箱蟹の殻をあける。
灰色のシダの葉のような部分だけは食べられない。ていねいにムシり捨てる。
そのほかの甲羅のなかに、みっちりとつまっている部分はすべて食べられる。
できるだけ白いヒダヒダや、ねっちりとしたカニ味噌、赤橙色のチーズのような部分をすべてほじくりだしておく。

腹にたっぷりと蓄えられているカニの卵もむしりとる。
白い線状のものが混ざりやすいのでご注意を。

カニの白い果肉は、ほそいカニの爪で押しだす。

カニの宝ともいえる。味噌や果肉、卵などは乾燥しないように保管しておく。
まず調理する部位は、カニの殻たち。

カニの殻をコトコトと弱火で煮て出汁をとる。
たっぷりの水をつかうと風味はうすくなる。
1合の米を炊くときは、200ccの水をつかう。
2合であれば、400cc。それ以上となると、カニ1匹の出汁では薄くなりすぎる。
風味づけに、果糖されていない日本酒をぽちょりとたらしこむ。
香箱蟹は、基本的に臭くない。匂いが気になるひとは、ショウガをいれてもらってもかまわない。
コトコトと弱火で煮てくると、換気扇をまわさなければならないほどに、香箱蟹のかほりがみちみちる。
あまったカニのお出汁は、味噌汁やラーメンのスープにつかうと味が深く厚くおいしくなる。
カニ好きが、ニッコリ微笑むことまちがいなしの料理をつくれる。

土鍋に米1合とカニ出汁200ccをいれる。
もちろん、炊飯器で炊いてもらってもかまわない。
お家にある方法で炊きあげよう。
香りづけに醤油を小さじ1ほどくわえる。
濃いめの味つけが好きなひとは、醤油をたっぷりといれる、もしくは麺つゆをたっぷりといれてもかまわない。
ただし調味料をいれすぎると、カニの天然な甘味の絶妙なバランスが崩壊するおそれあり。

炊きあがった瞬間、フタをあけ、カニの味噌や果肉、卵をいれる。
そして、15分ほど米とカニの具を蒸らす。

10分後、フタをあけると、赤いカニの風味をふくんだ白い湯気がたちのぼる。
カニの宝とごはんをしっかりと混ぜあわせる。
混ぜあわせずに食べてもらってもかまわない。

ほんのりとカニ色にそめられた米。
いろどりのカニの宝ものたちが煌めき、瞬き、輝いている。
しっとりとうるんだ白米ひと粒、ひと粒にカニの風味がしみこんでいる。
日本人の叡智の結晶たる白米の旨味と、海が育んだ天然ゆらいの香箱蟹の風味が口中にお上品にひろがる。
はんなりとした甘味。ふっくらとし充実した旨味。ひと粒の米のなかに八百万のカニが宿っている。

むっちりと張りきった米を噛んでいると、ぷちぷちとカニの最小単位の旨味がはじけとぶ。
このちいさな卵が、むっくりと白いでかい果肉をもつカニになるのかと思うと恍惚とした背徳感がむっくりとたちあがる。
ひとは、背徳をかんじたときに、ぞくりとする異様な悦びを舌のうえで堪能できる。
ぼらの卵の塩漬けのように、みっちりと充実した旨味が口中でほどける。
カニの味噌は、炊き込みご飯の隠し味になっている。
臭みのない魚醤のように、炊き込みご飯の味わいをぬめやかに奥深いものにしている。

カニをまるまる一匹味わったという満足感。
お米もしっかりと食べているので、腹もしっかりと満たせる。
そして、豪華で豪勢、豪気でありながら、カニ缶なみのお金しかかからない。
香箱蟹を見かけたときに、このnoteを思いだしてもらえると嬉しく思います。

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