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うちのパンダ

僕はパンダを飼っている
名前はない

ある日
パンダを車の後部座席に乗せどこかへ向かう
橋で渋滞にハマった
するとパンダは自分で窓を開け逃げ出した
慌てて車を降り追いかける
パンダは橋の下を気にしているようだ
無我夢中で走るパンダに追いつけない

その時
パンダは欄干を乗り越え橋の縁に立つと足を滑らせ転落した
直ぐに下を覗く
パンダはお腹を上にし ゆらゆら揺れながら落ちていく
鳥の羽がふわふわ舞うようにゆっくり落ちていく

落ちていく先に別のパンダが待ち構えている
落ちていくうちのパンダが川面に到達すると
2頭は顔を見合わせ目配せをした
そしてうちのパンダを上流へといざなった

その光景を橋の上から見ていた僕は慌てて車に戻る
渋滞は収まっていた
山道を下り川辺に車を停め うちのパンダを探しに行く
少し前にうちのパンダが落ちた場所から少し下流の場所
2頭が向かったであろう上流に向け歩き始めた

左岸の上流へ向かう細い道
人とすれ違うと肩が触れてしまいそうな細い道
左側には民家が立ち並んでいる
中には商店もある
いくつかの家には縁側があり
縁側で寛ぐ人たちもいる

途中縁側で寛ぐ二人の男性に声を掛けられる
胡坐をかいた状態で片方の足を縁側から地面に落とすような姿勢で
見たことのある顔だが誰だか思い出せない
「こんなとこで何してんの?」
僕は二人に事の経緯を詳しく話す

こんな所で話している暇はない
うちのパンダを探しにいかなくては
「少し進むと金木犀の木があるからそこまでいけばわかると思うよ」
そう教えてくれた
うちのパンダを探しに金木犀の木を目指す

少し進むと柔和で甘い香りがしてきた
大きな金木犀の木だ
その大きな金木犀の木の向こうに微かに見える不思議な光景
山の斜面が傾斜上に段々になっている
そこにはたくさんのパンダがいた
川からか地面からか立ち上る大量の湯気
どこかの温泉地に来たような光景
しかもそこにはパンダしかいない

数百頭はいるであろう
その中からうちのパンダを探さなくてはならない
近くにいた飼育員のような恰好をした人に事情を説明し
一緒にうちのパンダを探してもらうようお願いした

パンダは耳と両目の部分が黒い
うちのパンダは耳は白く左目から頬にかけて黒い
だから直ぐに見つかるだろう

間もなく飼育員のような人があっちの方から大きな声で
「見つかりましたよぉ」
そう声を掛けられた
一安心
しかし 連れてきてもらったうちのパンダは顔全体が真っ黒だった
「この子 うちのパンダじゃないですよ 顔真っ黒じゃないですか」

「おかしいなぁ…じゃぁこれでどうですか?」
そう言いながら着ぐるみの頭を取り外すように頭の部分を持ち上げた
耳が白く左目から頬にかけて黒いうちのパンダだった

何でそんなことするの?とその時は思わなかった

うちのパンダを連れ 来た道を戻ることにした
途中まで飼育員のような人も付いてきた
途中の駄菓子屋ような商店に立ち寄ると
「ここで少し休んでいったらどうですか?」
飼育員のような人が言った
僕が知ってる倍の長さはあるであろうホームランバットを持っていた
「よかったら食べます?」
そのホームランバットを僕にくれた

飼育員のような人と別れ うちのパンダと一緒に車へ向かう
その途中一匹のスッポンを見つける
川に戻してあげようか
家に連れて行ってペットにしようか
前からスッポンを食べてみたいと思っていたから…
3択で悩んだ

結局スッポンはそのまま放置することにした
車まで辿り着くと隣の空き地でインドの方数人がクリケットをしていた
その一人に声を掛ける
「カレー作れる?」


目が覚めた
時計を見ると午前3時28分だった



こんな訳の分からない夢を見ました
パンダはきっと愛犬ノエル
「パンダみたい」とよく言われるからでしょう
「牛みたいだね」と言われていたら
金木犀の向こうにはパンダではなくたくさんの牛がいたかもしれません

ホームランバットとスッポンについての因果関係は不明

カレーの件は以前同じような光景を目の当たりにしたことがあります
一人くらい本場のカレーを作れる人いるでしょう
スカウトしてカレー屋始めようなんて誰かと話した記憶があります


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ひろゆき
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