もしかしてあなたも怒っている?
「Hi, I'm Tamaki」
菊川の映画館でそう話しかけると、白人男性の目が輝く。
「You really come here!!!」
サムは笑って握手を求めてくる。そしてパンフレットにサインをしてくれた。
サムは映像関係の仕事をしている。彼が何年もかけて作った戦争に関する映像作品の上映会があり、ちょうどタイミングが合ったのでお邪魔することにした。会場は50席ほどが満員。そして上映が始まると、多国籍な人たちがサムの作った映像を見つめ、息をのみ、凄惨な映像からも逃げずに、