AIに日本語を教えて時給5000円!? 新時代の副業の実態と可能性
AIに日本語を教えることで高収入を得られるという副業が話題になっています。知人がやっていると言って教えてくれました。一体どんなものなのでしょうか……?
AIに日本語を教える仕事とは?
発注者は、Scale AI、Alignerr、Smart Ecosystem, Inc、Outlierなど、AIトレーニングを専門とした海外のクラウドソーシングの会社で、時給最大60ドルといった高時給で募集しているようです。
生成AIが生成した日本語文章を採点したり、修正点を指摘するというのが主な仕事の内容です。時給は31ドルだと約4800円、60ドルだと約9200円と、非常に高額な報酬設定になっています(1ドル154円換算)。
Greenhouse、Appenなどクラウドワーカー募集のプラットフォームで仕事を探すことができます。例えば以下はAlignerrのサイトで見つけた求人。日本語話者向けの募集もあります。LinkedInで見かけることもあります。AI, Content Moderator, Trainerなどのキーワードで検索すると見つかると思います。
生成AIの出力結果に対するこういった地道なモニタリングとフィードバック、トレーニングによって、日本のAIモデルの日本語力が上がっていくと思うと、有意義でやりがいのある仕事に思えます。
必要なスキル
ネイティブレベルの日本語
日本語や日本語ライティングに関する学士号以上の学歴
ライター・編集者などの専門的なライティング経験
英語で業務ができる英語力
インターネット環境とITスキル(業務に必要なツールが使える)
メリット
高時給
フルリモートで柔軟に働ける
ドル払いで円安の恩恵が受けられる(最近は円高傾向ですが)
デメリット
安定した収入が見込めない(業務量に波がある)
本業がある人は会社の副業規定に抵触する可能性がある
確定申告が必要(年間20万円超の場合)
流れとしては、応募、無給トレーニング、有給トレーニングを経て、お仕事となるようです。
潜在的なリスクと対策
面白そう!と思って始める前に、リスクについても考えてみたいと思います。
例えば、ある業務の募集元のSmart Ecosystem, Inc.やOutlierという会社は、Scale AIという会社の子会社のようですが、支払いが遅れているという声がRedditに書かれていました。
海外企業との契約では、法的保護が十分でない場合があります。英語だからと読み飛ばして同意するのではなく、契約内容を十分に理解してから同意する必要があります。
また、生成AIのトレーニングでは機密性の高いデータを扱う可能性があります。個人情報や企業秘密の取り扱いには十分注意が必要です。
こういったライティングの仕事を受けることを通じてAIの発展に貢献する一方、将来的に人間の仕事(特にAIでもできるようなライティングの仕事)は今後、奪われる可能性が出てくるのは避けられなそうです。
※この記事は、AIに日本語を教える仕事について情報提供を目的としています。個々の状況や目的に応じて、慎重に検討することをお勧めします。副業を検討する際は、現在の雇用契約や法的義務を確認し、適切な判断をしてください。