おやつ
Oleaのおやつ。「お麩のラスク」。
「今日のおやつは何?」
「つくれば、あるよ!」
子どもたちが「じゃあ、やってみよう!」となるか、「じゃあ、いいや…」となるか、わかれ道。
Oleaでは基本的に、おやつの時間はありません。
そのくらい、Cheerfulコースのお子さんは、Oleaでの食事を楽しみに、よく食べてくれるのです。
時には、Oleaを応援してくれている方々からの差し入れの果物や野菜をおやつにしたり、食後のデザートにしたりします。いつもありがとうございます!
土日や長期休業中などの長めのレッスンの時には、食材に慣れたり、料理への興味を促したり、手指の使い方の練習で、おやつを手づくりすることがあります。
今回は、子どもたちと手づくりおやつについて綴ります。
お麩のラスク
ごはんとみそしるでも綴りましたが、Olea定番の味噌汁の具でもあるお麩。
でも、あまり子どもたちには馴染みのない食材のようです。料理をする経験がなければ、味噌汁に入れる前は、軽くてかたい、でも、力を入れると崩れちゃう…味噌汁の中で、ふにゃふにゃもちもちするのは知らないかもしれません。
ものの状態の変化や、料理は同じ食材をいろんなに変えることができることに気づいて、料理っておもしろい!おいしいものがまたつくれた!と思ってもらえたら…と。探していたら出会ったのが、このお麩のラスク。Olea流レシピがこちら。
材料 30個分
・小町麩(焼き麩。味噌汁に入れる麩。) 30個
・マーガリン 30g
・砂糖 30g
お麩の大きさによっては、味の加減が必要です。お麩の数の増減で調整することも…
子どもたちが数字を意識しやすいように、麩の数、マーガリン・砂糖のはかりの目盛が、同じ「30」で合わせています。作り方は…
①マーガリンと砂糖を1つの器に入れ、電子レンジで1分加熱。(砂糖が溶けたらOK)
②①にお麩を入れ、スプーンでまんべんなく絡める。
③天板にクッキングシートを敷いて、重ならないようにお麩を並べる。(冒頭の写真)
④トースターで表面に色がつくまで焼く。(5分もかからない…焦げやすいので、よ~く庫内の様子を観察しながら)途中でひっくり返して両面焼くととってもおいしい。
熱いものを扱うので、「やけどに注意!」ということはもちろんですが、子どもたちは想像以上に慎重につくっていきます。普段の料理で、危なくない立ち位置から、料理から上がる湯気や熱気などを経験していることが大きいと思います。
ただ怖がるのではなく、安全に近づくことができるようになることも大切な力ですね。ものと自分との距離感をはかる練習にもなります。
お麩を数えるのは、数字を実感できる良い経験。「1、2、3・・・・・30」と1個ずつ数えていくお子さん、10を3回数えるお子さんなどなど、お子さんが数えることができる方法で30になるまで数えます。
味見をして、食べる時に数が減ると「どうして?」という顔をしていることがありますが、これから経験を重ねて、味見分を含めた材料を用意できるようになるといいなぁ、もしくは減ってしまってもそれをうまく分配できる力がつくといいなぁ、と思っています。
計量も数字を実感できる良い経験。少しずつ測るものを入れながら、目盛も見ながら計量するには、とてもいろいろな力が必要です。
まずは、計量って何だろう?ということで、目盛に注目してほしい!パートナーが測るものを入れて「30」になったら、お子さんに教えてもらうということから始めています。少しずつ増やしたり、急に数字が変わるように増やしたり、デジタル数字への注目度は高いです。
話がそれますが…
料理をするとき、「味見」を子どもたちにもしてもらうようにしています。「確認」といっても、いろいろな感覚を使うことが必要なことを知ってほしいからです。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚…
先日の味見エピソードを1つ。麺を茹でているときに、茹で具合を確認しようとしていると、お子さんが近づいてきて「味見する」...「うーん、あんまりおいしくない」確かにちょっと固め…その後、室内をぐるーっと歩いてきて、もう一度「味見する」…「おいしい」と言うので、パートナーも麺を食べてみると絶妙な茹で加減。ちゃんと「おいしい」を見つけたのです。そのときの真剣な顔。なんとも良い表情でした。
きなこクッキー
こちらは、手指をたくさんつかう練習ができます。きなこを入れることで、成型時あまりベタベタ手につかず、何よりも焼くと香ばしくておいしい!
材料
・薄力粉 100g
・きなこ 50g
・砂糖 50g
・マーガリン 50g
つくり方は、材料の計量さえしてしまえば、こねて、成形して、200℃で10分焼くだけ!1つのボウルに材料をドサドサ入れればOKです。(もしパサつく場合は、水で調整。)
計量では、目盛を見ながら、粉類をこぼさずにボウルにいれていきます。視線の使い方、ゆっくり粉を入れる動作…同時に使いこなして緊張の一瞬。デジタル測りなので、計量するものが変わるたびに「0」にするお子さん、全部で250gになるように積み重ねていくお子さん。ここでも、算数を実感してもらいます。
きなこが入っていると、それほどベタベタしません。抵抗なく、こねるお子さんも多いです。指の間に生地が入るとイヤ~な顔をするお子さんもいますが、だんだんとまとまってくると安心な表情。どうにも苦手なお子さんには、パートナーがこねるところを横で見ていてもらいます。手につきにくくなったところで交代。
成型。写真をご覧ください。パートナーが、生地を小さく丸めてつぶす方法を伝えて、いくつかつくったところで、お子さんのアレンジが始まりました。生地をひも状にして、ハート型・メロンパン型・ねこ型など...指先を器用に使って、覚えたてのカタカナも生地で表現して、満足気でした。
ちなみに、ハート型をお子さんに教えてもらいながら、パートナーも挑戦しましたが、お子さんのようなきれいな形にできませんでした…
お迎えにいらしたお父様に、その日の様子をお伝えしながらのティータイム…ではなくミーティング。そのお供に、このクッキーをお子さんからお出し、自分がつくったクッキーをうれしそうに紹介しました。一緒にお茶を飲みながら、クッキーをつまんで…子どもたちとお茶ができるって素敵です。
腑に落ちるまなび
料理の時間としては15~30分くらいですが、その中にも実感を伴う、感覚、かず、ことばを育む場面がたくさん散りばめられています。そのチャンスをパートナーは逃しません。お子さんの視線がどこにあるか、いつも観察し、タイミングをはかっています。そのタイミングがピッタリと合ったとき、それはそれは良い時間が流れます。
レッスン時間が短いMerryコースでも、お麩ラスクやきなこクッキーをつくることがあります。実感を伴うまなびから、ことばやかずといった認知能力や、社会情動的スキル(最後までやり切る力・人とうまく関わる力・感情のコントロール)を育みます。