見出し画像

うどん

Olea特製うどん。

1日2食をOleaで食べる時は、昼食か夕食かどちらかを麺類にすることが多いです。乾麺をゆでることもありますが、最近では子どもたちと打っています。一度、手打ちうどんを体験してしまうと…その手間さえ、惜しくなくなるほどのおいしさ…まなびも多い「うどん」。

今回は、子どもたちとうどんについて綴ります。

うどん打ちで認知能力を育む

まずは、材料。

うどん 3~4人分
・中力粉 300g
・塩 10g
・水 100㎖から様子を見て…

材料は、たったこれだけ。Oleaうどんの工程は…(あくまで、お子さんのくらす力に合わせたOleaオリジナルの方法です…)

うどん打ち

こねる→踏む→のばす→切る

ここでは、様々な「認知能力」を育むことができます。1つずつ、工程を見ていきます。

「こねる」
ボウルに、中力粉、塩、水を入れてこねます。
粉がサラサラ→ベトベト→モチモチに感触が変わっていきます。短時間に様々な感覚を入力することができます。
「踏む」
ひとつにまとまった生地をビニール袋に入れて踏みます。
かかとでグイグイ踏みます。足の部位を意識して踏まなくてはならないので、意識的に体を使う練習になり、ボディイメージの向上につながります。
「のばす」
生地を休ませ(その間に汁の準備)、お子さんがのばしやすいサイズの8等分にして、生地をのばします。
指先では力が入らないし、一気につぶしてしまうと、うまくのびないし…少しずつ麺をのばしていく過程で、手のひらのいろんな部分を使い、力を調整する、ということを練習できます。
「切る」
生地を伸ばしたら、そのまま切ります。
見本や自分がイメージしているうどんと「同じ」太さになるように切ります。「同じ」の再現。そのために必要な、空間認知や包丁をコントロールする力を育みます。

それぞれの動作を取り出して、粘土で、からだあそびで、ことばあそびで、と学習する方法もあります。この「うどん」のように、子どもたちの「スキ!」(この場合は「うどんがスキ!」)に注目して、認知能力を体験的、複合的に身につけると、その後出会う様々な場面において、それまで身につけたスキルをもとに自ら考え乗り越えていくことができるようになります。

「切る」ところまで、できたらゆでます。太さにもよりますが、5~10分ほどゆで、水でしめます。うどんのあたたか汁は、この日は、しょうゆ味。鶏肉、しめじ、えのき、ごぼう、さといも、長ねぎを入れました。

うどんストーリーで社会情動的スキルを育む

「ストーリー」は、Oleaで大切にしていることのひとつです。

「うどんストーリー」
・うどんを打つ
・うどんをゆでる
・つけ汁/かけ汁をつくる
・副菜をつくる
・もりつける
・いただきます(みんなで)

知的障害のあるお子さんへの支援として、行動を箇条書きにしてひとつひとつ示すテクニックはありますが、それぞれの行動の時間的な尺(ボリューム感)はわかりません。実際には、1時間かかるもの、並行して行うものなどがあります。うどんストーリーを見ても、それぞれの時間的なボリュームは様々です。
Oleaでは、くらしのストーリーを手順だけではなく、それぞれの行動を時間や量を含めてプログラミングしていく力を育んでいます。このことが、社会情動的スキルのひとつでもある「最後までやり切る力」につながると考えています。また、それを進める上で子供達はパートナーにアドバイスを求めたり、手順を聞きながら進めたりと「人とうまく関わる力」を学びます。さらには、最後まで粘り強く取り組むには「感情をコントロールする力」も必要です。
 
実際のくらしも、ストーリーの組み合わせとくりかえしが絶え間なく続いています。食事ストーリー、入浴ストーリー、掃除ストーリー…それぞれのストーリーを覚えて自分でできるようになること、いろんなストーリーを自分で組み合わせることができるようになることをOleaでは目指しています。そのストーリーの中で、社会情動的スキルを育んでいきます。

いただきます

画像2

うどんを汁で煮込んで、盛り付けます。付け合わせは、「かにかまたま」(卵・かにかま・三つ葉)です。うどんがアツアツなので、この日のお茶は冷たい黒ウーロン茶。

みんなで「いただきます」
みんなで「おいしいね」
みんなで「ごちそうさま」

子どもたちの食べっぷり。圧巻です!アツアツ汁もなんのその!
是非、見ていただきたいシーンのひとつです。

いいなと思ったら応援しよう!

くらしのまなび舎 Olea
お読みいただき、ありがとうございます!もしよろしければ、Twitter等でのシェアをお願いいたします。これからも子どもたちとのくらしの様子をお届けします!お楽しみに!!