怪童「プーさん」、との出逢い。
関東に越して1年経ったくらいかなぁ…妻が突然、犬を飼いたいと言いだした。幼い頃から犬がいる生活をしていた彼女、知り合いのいない関東の街でふと、ペットを飼いたくなったようだ。半ばムリからペットショップへ連れて行かれた。
私も幼い頃から、鳥や爬虫類、といろんな動物を飼ってきていて、大の動物好き。実家では長老の愛猫がいたほどだ。犬も嫌いではない。だが、あまり詳しくはなかった。だから、もしも犬を飼うのならば漠然とではあるのだが、毛の短かい大きな犬種がよかった。〜そう、例えるならば、アクション映画の主人公の相棒のような。
飼う気マンマンの妻と最初に立ち寄った、大通り沿いのペットショップで先ず紹介されたのは、クリ〜ム色の抱くのさえ怖いような小型犬の、ミニチュアダックスフンド(汗)。
ポキっといかないよう細心の注意で抱くが…一緒に暮らしているイメージがわかない。
「可愛い〜、このコがいい〜」
ハート形の目でうったえる、メロメロになった妻に思わず負けてしまいそうになったが(−_−;)…
「いや、もうちょっと考えてみよう!」
そこは何とか、振り切った👍」
それからは、休みの度にペットショップ巡りが続いた(−_−;)妻は最初に見たクリーム色のミニチュアダックスフンドの印象が良かったようで、上回る出逢いがない様子だった。しかし、次に見に行った時には、その子は他の家族に迎えられた後だった。妻は残念そうにしていた。
ふと、仕事で通りがかったホームセンターにペットコーナーの看板があったことを思い出し、そこへ行ってみようと提案すると、妻は気をとり直し、今夜、ぜったいに連れて帰る気満々のテンションで盛り上がっていた。他へ気を逸らせそうな手だてはなかった汗。
…だが、こともあろうか、私が運命のワンコに出逢ってしまった!!
それまでの人生をくつがえす、とんでもないヤツに!
その犬は、可愛らしい小型犬や子猫が並ぶショーウィンドウの中ではなく、外のでっかいサークルに出されていた。「サマーセール!!」の立て看板を横に、ワンワン吠えまくっていたのだ。
小学生くらいの子が寄ってきて、撫でようとすると、柵の間から前足を投げ出して細長いシッポをぶるんぶるん振って、その子の袖口を咥えて引っ張ったり、手のひらを甘噛みしていた(−_−;)。ずいぶんなヤンチャぶりを眺めていたら、サークル内を走るなり私を見つけ、目が合った。…あの瞬間はいまだ忘れられない。
「こんなんもできるぞっっっ!」と言わんばかりにゴロンゴロン回転したり、おもちゃを咥えて「ええやろ〜」と見せてきたり、いきなり『ワンっ』とギャラリーを驚かせてみたりして、一気に私の心をつかみ出した。
あげく、ウ○コをしてみせ「…できるかなぁ、」と、次の瞬間、喰べてしまった!
とにかくセンセーショナルな出逢いで、他のワンコ達には目が行かず。…それでもまだ、連れて帰ることを躊躇している私は「ちょっとトイレ」と妻に言い、その場所を離れた。
トイレ入口にさしかかったところで振り返ると、ヤツはまだコッチを見つめていて「ワンっ!」と大きく吠えた。これが決定打となった。
このワンっ!が、私の心を完全に動かした!
その場に戻り、妻に「決めた(涙)コイツにしよう。」と告げると、妻はとっても驚いた様子で「えっ?! いいの? このイヌ、めっちゃ大きくなるし、毛ぇ長くなるよ? 大丈夫? 毛が短い犬がよかったんじゃないの?」と返した。ゴールデンレトリバーという犬種らしかった。
不安は大いにあるが、もうその時点でノックアウトされていた私は覚悟を決めて「おぉ…」と生返事をした。
帰りのクルマ内でもすこぶるヤンチャぶりで、助手席から窓に立つようにのぞいてワンワン吠える!
信号待ちで止まる際も、普通にブレーキを踏んだだけでコロッコロ転がり、妻がそのたんびに「ちょっと! ゆっくり運転してよ〜💢」と騒ぎ出す。しかし、今思い返せば、後に数々の武勇伝を生み出したヤツはそんなにデリケートな扱いを必要とするようなヤワではなかった。
そんなことは知るよしもなく、コワレモノを運ぶかのように慎重に運転して、なんとか自宅アパートに辿り着き、向かい入れたワンコは…生まれて初めてのケージの外の世界、初めて踏んだであろう絨毯の上、最初はおそるおそる床をにおい、そろりそろりと数歩を進み、くるりと円を描いたあと…
「ワン!ワン!ワン!ワン!…」
ぱたんぱたんと前足でタップを踏み、嬉しそうに走りまわった。約築40年の昭和レトロなザ・アパートで、四つ足の足音が高らかに響き渡ったのだった。一瞬、隣の部屋の会話が止まり、しーんとなったような気がした汗。そこから大慌てでペット飼育可物件を探し、見事一週間で引っ越したのだった。
これがチャンプ = 通称プーさん との運命の出逢いです。
(続く💦)
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