【ルイスフロイス】戦国時代の記録から当時の生活を垣間見よう①【日本史】
こんにちは、古陶磁鑑定美術館です。
私たちは、何百年も前に使われた陶磁器の分析・調査・研究・蒐集・展示しています。
突然ですが、みなさんは、戦国時代の生活をイメージしたことはありますか?
織田信長や、明智光秀や、豊臣秀吉が活躍していた頃の日本の暮らしは、一体どんな様子だったのでしょうか。
そんな安土桃山時代の文化や生活が伺える貴重な記録が、宣教師ルイス・フロイスが残した『日本史』の中に残されています。
ルイス・フロイスは、フランシスコ・ザビエルらの後継として、イエズス会から日本に派遣された宣教師です。
織田信長に気に入られ、豊臣秀吉にも謁見するなど、戦国時代の日本の権力者たちと交友があった人物です。
そのルイス・フロイスが布教活動の傍ら残した記録からは、当時の日本の風土や、文化や、生活を鮮明に伺うことができます。
このコラムにて、その一端を紹介して参りますので、安土桃山時代の日本の暮らしを、肌で感じてイメージしてみましょう。
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今回紹介する記録(逸話)は、「お正月の風習」です。
戦国時代の日本の正月は、どんな風習や習慣があったのでしょうか?
ルイス・フロイスの1565年の記録に、お正月の文化に関する記録が残っていますので、その表記から、当時の様子を探っていきます。
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『正月、すなわち、第一月を意味する日本人の新年の祭りは、われら(フロイス)の暦の二月一日にあたった。この日は彼らの数々の祝日の中でももっとも祝われ、この際、奉仕するものは主君を、友人や親族は互いに訪問しあうことが、日本のあらゆる諸国諸地方での一般的な習慣である。その時、彼らはあるはっきり決った進物を携え、誰しもが最良の衣裳をまとって行くのである・・・』
(完訳フロイス日本史1から引用、()内注釈は当館追記)
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この記録からは、戦国時代の日本人が、正月に上司や友人や家族を訪問し合っていたことが分かります。さらにその際に、きれいな着物を着飾って、お祝いの品と考えられる物を贈っていたことも分かりますね。
贈答品は、戦国時代風の「お年玉」といったところでしょうか!?
仲の言い人たちや親族と集い、贈答品を贈り合う。これらの風習は、まさに現代にも通ずる正月の文化と言えます。
安土桃山時代から、私たち日本人は、一年の始まりである「正月」というイベントを大事にしていたのですね。
古陶磁鑑定美術館では、古陶磁が使われた時代や文化の背景を、当時の一時記録や伝来品を通して紹介しています。
安土桃山時代の日本の文化が知れる貴重な逸品を公開していますので、ホームページもぜひご覧ください!